「ファブリック ライニング ラバーソール ローファー」は読んで字のごとくライニングにファブリックを採用したモデルだ。採用したのは、ハウンドトゥースを描くウール・ファブリック。ブラッシングがもたらす陰影のあるアッパー&モカシン縫いによって生じたサイドウォールのギャザーと相まって、古きよきブリティッシュスタイルを彷彿とさせる。
トッズ モノグラム ロゴを刻印したフロント、ラバーペブルを配したクォーター――〈トッズ(TOD’S)〉お馴染みのアイコンは、いずれもピリリと辛い山椒のように味に深みをもたせる役割を果たしている。
ブラックとボルドーの2色展開だが、その世界観を堪能したいなら断然ボルドーだろう。
“手袋をはめたよう” と称賛されてきた履き心地は「ファブリック ライニング ラバーソール ローファー」においても健在だ。文字どおりチューブ状の構造を特徴とするチューブラー製法で仕上げたこのローファーはEVAソールとの合わせ技で履きおろしから吸い付くようにフィットする。そのソールにはマイクロパンチングが施されており、見た目以上に軽やかなところも特筆したい点だ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa