〈オメガ(OMEGA)〉にいわせれば、月には3つの色がある。月の裏側の漆黒、アポロ8号の乗組員ジム・ラヴェルが月軌道周回中に目にしたグレー、そして宇宙空間にぽっかりと浮かぶまばゆいばかりの白だ。
この色にフォーカスしたシリーズが「ダーク サイド オブ ザ ムーン」で、ここで紹介する「スピードマスター ホワイト サイド オブ ザ ムーン」は三つ目の月にインスパイアされたモデルだ。ケースのみならず、文字盤やベゼル、プッシャー、ケースバックまでホワイトセラミックで統一。同じく白で染めたストラップはリアルアリゲーターだ。クロノグラフ秒針の先端とダイアル中央のロゴがほどよいアクセントになっている。
このモデルはペアウォッチとしてパートナーにプレゼントすることを提案したい。時計さながらのまばゆいばかりの笑顔をみせてくれるだろう。
では当の本人はなにを選ぶべきか? 答えは「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」。左右非対称のケース、ステップダイアル、ダブルベベル、ドット・オーバー 90…月面着陸を果たした第4世代ムーンウォッチをベースとしたそれは2021年に登場したばかりだが、早くもクリーンナップを務める一本に成長している。
今年最後の満月は12月27日。手首に〈オメガ〉を巻いて、その日を心待ちにしたい。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa