〈ザ・ロウ(THE ROW)〉といえばウエアはもとよりレザーグッズのコレクションが秀逸だ。
ファンならご存じの通り、いま「マルゴー」という名のバッグが注目を集めている。勝因はシルエットとマテリアルがくっきりと浮かび上がるミニマルなデザインにある。
それはここで紹介するショルダーポーチとカードケースも例に漏れない。
ボディにまとったのはキッドレザー。生後1年に満たない山羊の皮を鞣したレザーだ。毛穴が目視できそうなほどの薄化粧で仕上げたそれは文字通り手にしっとりと馴染む。ライニングには羊の革であるシープスキンをあしらう。ものを出し入れする際のなめらかさを重んじた結果という。
見逃せないのがシルエットである。ボディに対するかぶせの深さ、縦横のバランスが絶妙なのだ。
ロゴは背面にちらりと入っているだけだが(さりげなさを美徳とする〈ザ・ロウ〉のこだわりだ)、そのユニークなシルエットがロゴを補って余りある存在感を放っている。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa