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昨年誕生したデサント プロとは? 研究開発拠点「DISC OSAKA」に見るものづくりの裏側。

昨年の秋冬から〈デサント(DESCENTE)〉が新たにスタートした、パフォーマンスウェア「プロ(PRO)」ライン。〈デサント〉の技術と開発力でプロのアスリートも満足するアイテムを生み出しているようですが、まだまだ知らないことだらけ。

初の春夏アイテムをリリースした新作を、研究開発拠点「DISC OSAKA」で見ながら、その秘密を探ってきました。

「プロ」のアイテムは、〈デサント〉のなかでもパフォーマンスを最優先した、アスリートの期待を超える機能性を追求した服。2018年に開発した、1枚の生地で部位ごとに異なる伸縮性や耐久性、通気性などの異なる機能性を持たせる「スキーマテック(Schematech)」という特殊技術を採用しています。

汗のかきやすい箇所を考慮したスウェットマッピング理論や超音波接着縫製技術など、〈デサント〉らしい技術を詰め込んだ快適なウェアが多いわけですが、今期の新作でフォーカスしているのは、春夏らしい暑さと蒸れによる不快感。

「スキーマテック ソーラーブロック(Schematech SOLAR BLOCK)」では、近赤外線遮断により体感温度を下げる「サンスクリーン(SUNSCREEN)」を採用。UPF50+のUVカットや、発汗しやすい部位の編みを粗くすることで不快感を減らす努力もしています。

「スキーマテック エアロ(Schematech AERO)」ではウェア内の蒸れにフォーカス。両脇から背中にかけて切り替えを設け、ランニング時などの腕を振る動作ではためく仕様のベンチレーションに。

これらのアイテムをつくることができたのが、今回訪れた「DISK OSAKA」での研究があったからこそ。〈デサント〉がこの場所で目指すのは、「世界一、速いウエアを創る」こと。これは、競技で勝つための「スピード」の追求、他社に「先駆け」てウェアを開発することを意味していて、そのために研究開発を進める場所なのです。

たとえば、「スキーマテック エアロ」のベンチレーション。同施設内にある湿度や温度をコントロールできる部屋で、気温30℃湿度40%の状態で試験したところ、ポリエステル100%の吸水速乾素材のものと比べて背部の衣服内湿度が約20%減少したという結果もあるほど。

人のように汗をかくマネキンを使用し、サーモグラフィで衣服内の状態についてシミュレーションを重ねることで、「スキーマテック ソーラーブロック」のような日差しに強い服もつくることができたのです。人の動きを測定できる100mトラックなど、複数の部屋と設備で、さまざまな環境での実験を繰り返しています。

そして細かいですが、服の着心地や快適性を高めている超音波接着縫製技術について。

〈デサント〉が得意とするこの技術の工場で縫製を務めるのは、国家資格で認定された技能士。国内トップクラスの接着縫製機器数を所有し、高品質な接着縫製技術によるアイテムを生産していますが、同じように開発を進めるために、工場だけでなく研究開発の場でも行うことができるようにしています。

手順は、レーザー裁断機で生地をカッティングしながら、超音波接着という特殊技術で生地を接着したあとに、さらにその部分をシームテープで補強。縦に伸縮性を持ち、横には伸びにくいオリジナルのシームテープを使用することで、強度を保ちながら、縫い目の肌あたりを軽減しているのだとか。生地により仕上がりが変わってくるようで、その見極めも大事な要素なようです。

通常は、裁断した生地を縫い合わせた縫い代のゴロつきの擦れなどが気になるところですが、このような技術の積み重ねが長時間運動した際にも、快適に過ごすことができる服をつくっています。

アスリートが満足するようにつくっているけど、そうじゃない人が着てもいいはず。ちょうど桜も咲き始めて外に出るのが気持ちのいい季節になってきました。日本が誇るこんなウェアで運動してみたら、その技術力に感動するかもしれません。

INFORMATION

デサント

オフィシャルサイト

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