現代を代表するクリエイター、ファレル・ウィリアムスが〈ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)〉のクリエイティブ・ディレクターに就任した。そのデビューコレクションで大いに話題になったのが、自らのフィルターを通し、再解釈してみせたダミエパターンの数々。今回は鮮やかな色に染め抜かれたダミエ・ポップ キャンバスをピックアップした。
ルージュ、ヴェール、ブルー――まさにポップなカラーをまとったのはメゾンのアイコンのひとつである「スピーディ」。1930年に登場した「エクスプレス」を前身とするモデルである。いずれもインフラの発達で旅のかたちが急速に変わりつつあった時代背景を踏まえたボストン型のバッグで、コンパクトなボディがその特徴だ。
「スピーディ・バンドリエール 18」の名の通り、その幅は18cm(高さ12cm、マチ10cm)。現代の都市型生活者にぴったりのサイズ感である。ショルダーストラップ(バンドリエール)と相まって、“エクスプレス” な旅が楽しめること請け合いだ。
ダミエ・ポップ キャンバスにばかり目が奪われるが、一歩引いてみればパドロック(錠前)など要所を飾るゴールドに染めたメタルパーツ、そしてストラップやハンドルに使われたヌメ革がいぶし銀の役者のように主役を盛り立てているのが分かる。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa