モダンなデザインワークにかけては〈トッズ(TOD’S)〉の右に出るものはそうはない。今季初登場となるグルカサンダルは好例だ。
色はもちろん、ステッチさえ限りなく排したさじ加減はモダンのひとことだが、パターンメイキングがまたたまらない。
流れるようなシルエットもさることながら、パターンが大きくとられているところも見逃せないポイントだ。大振りなパーツはそれだけでモダンな印象を与えてくれる。そしてそれは上質なレザーを採用していることの証にもなる。そこら中にキズが入ったレザーなら、キズを避けるように裁断せざるを得ないから、どうしたって一つひとつのパーツは小さくなる。そのレザーは案に違わずみるからにしっとりとした光沢をたたえている。
ストラップを留めると、サンダルとは思えないホールド感があった。これは一見ならぬ一履の価値がある。
前も後ろも控えめな姿でありながら、よく見ると素材とデザインのよさが見事に調和している。各¥146,300
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa