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【京都を楽しむ5つのこと】vol.3 旅先でこそセカンドハンドをディグれ!

紅葉も深まり、秋の気配が色濃い京都。コンパクトで回りやすく、歴史的な建造物や新旧さまざまなお店があり、ちょっと足を伸ばせば豊かな自然もありと、見るべき場所が目白押しでまさに旅にうってつけ。今回は、いっちょセカンドハンドものをハントしてみようぜ!ということで、京都独特の市(いち)を訪れます。セカンドハンドには、旅先の買い物の醍醐味があるのかも。

Photo_Kai Naito
Text_Shinri Kobayashi
Edit_Shuhei Wakiyama


玉石混交だからこそディグりがいがある。

京都市内には、その場所柄なのか、骨董品や古道具などを扱うお店がたくさんあります。つまり、セカンドハンドをディグる楽しみのある街なのです。ただし、ここで紹介するのはそういった店ではなく、毎月決まった日に長年行われてきている市です。

京都には有名な骨董市がふたつあり、ひとつは毎月21日に「東寺」で開催されている「弘法市」。今回、訪れたのは二大縁日と称されるもうひとつの市、全国12000社ある天満宮・天神社の総本社「北野天満宮」で、毎月25日に行われている“天神市”こと「北野天満宮骨董市」です。

25日は会場となる「北野天満宮」のことを“天神さん”と呼び、“天神さんの日”と言われています。“天神さん”とは誰のことかといえば、ここ「北野天満宮」で祀られている、菅原道真公のこと。学問の神様として知られ、学生時代に少なくとも一度は祈願したことがあるひとも多いはず。

この“天神市”では、参道と駐車場、そして境内の東側を南北に貫く御前通に露天が並びます。

まず鳥居から国宝の御本殿や重要文化財の三光門に至る参道に立ち並ぶのは、縁日の雰囲気をグッと盛り上げる食関連の露天。りんごあめや焼きそばなどのお店といった、これぞまさに縁日の風景がみられます。

一方、骨董をはじめとした“モノ”は、駐車場と境内の東を南北に貫く御前通(おんまえどおり)にずら〜っと並びます。古都・京都らしい古物を中心としたセカンドハンドものから新品のハンドクラフトまで、圧倒的なまでの量が来場者を迎えます。ちなみに、本当にめぼしいものを探したい達人たちは、朝の5時ごろから並びはじめる露天を目がけてくるそう。

露店の数は1,000軒以上にもなるそうで、お店を流し見していくと、いわゆる目利きの古物商から、これは私物か?といったものを並べた一般の方まで、玉石混交の様子。多いのは和もので、古い陶器や木製の神仏品などの民芸品、レコードや本、なにに使うんだろう?という正体不明の品もちらほら。なかには古着も置いてあって、オールドの〈リーバイス〉や〈ティファニー〉、着物に襤褸(ボロ)なんかも見つかります。

値札が付いていないものも多いので、気になるものがあればその幾度、店主に聞いていくスタイルです。自分の感覚でほしいと思うかどうか、そして欲しければ値段交渉をするというのもこういう場所の楽しみのひとつ。自分の感覚と嗜好で、“マイベスト掘り出し物”ってやつが見つかれば、旅のいい思い出に。もちろん見つからなくても、それはそれで充実した時間を過ごせます。

なんでもネットで購入でき、没個性のお店が巷には増えたといわれるいま。そのとき、その場所でしか出合えない、出合えたらもう“ご縁”でしかないセカンドハンドものは、旅先のショッピングの醍醐味といえるでしょう。

INFORMATION

北野天満宮骨董市

開催日:毎月25日
場所:北野天満宮
北野天満宮オフィシャルサイト

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