「ザ・ロウ、おとなの新定番」はフイナムの連載「憧れの逸品」の番外編。この連載で紹介するたび反響のあるメゾン、〈ザ・ロウ（THE ROW）〉にフォーカスしました。今季のコレクションのなかから編集部がセレクトした新作を6回にわたって紹介します。
つい手が伸びる服というものは、デザインもさることながら、着心地がいい。このことをよくよく分かって服をつくっているのが〈ザ・ロウ〉です。その極めつきとでもいうべき一着が、ここで紹介するレザーブルゾン。
丸みを帯びたシルエット、ならびに装飾を廃したデザインワークはモダンのひと言ですが、なにより素材が垂涎の逸品です。
ボディにまとったカーフスキンはタンブラー加工で仕上げられています。タンブラー加工とは繊維を揉みほぐし、素材本来のしなやかさを際立たせるもの。そのレザーは期待に違わず、うっとりするほど柔らかい。
柔らかなカーフスキンながら、その襟は美しく立体的だ。
思わず唸らされたのが内装です。甘く編まれたライニングはまごうことなきウールカシミアで、ポケットに仕立てられたのはハボタイシルクでした（ボディと同じカーフスキンを縫い込んだパイピングの美しさも見どころです）。ハボタイシルクはシルクのなかでもしなやかさと軽やかさで群を抜いている素材で、このメゾンが長きに渡り大切に扱っている素材のひとつです。
〈ザ・ロウ〉はそのものづくりにおいて “From bed, to the evening” をキーワードにしていますが、レザージャケットも一日中ずっと着ていたくなるような着心地を保証します。
Leather Jacket ¥1,095,600
Direction & Styling_Kazumi Horiguchi
Photo_Junghyun Kim
Text_Kei Takegawa
