アンダーグラウンドとメインストリームの中間ぐらいをいってる気がしてて

ーこの10年間にWOMBでプレイした中で、印象に残っているパーティはありますか?

KEN ISHII:僕の昔からの仲間、YAMAと一緒にやってた「REEL UP」っていうパーティは毎回毎回すごい盛り上がりでしたね。音楽的な盛り上がりもそうなんだけど、いつもV.I.P.とか、ゲストをすごい豪華にしてて。僕は所謂テクノのパーティをやっているんだけど、テクノってアンダーグラウンドな音楽で、ある意味ではストイックなほどいいと思っている人も多いんですよ。そんな中で、僕はもう少し間口を広げたいというか、いろんな人が遊びに来やすい雰囲気を作りたいなって思ってたんで。このパーティは毎回いろんなお客さんに来てもらえて、すごい盛り上がってたし、思い出に残ってますね。

ー「REEL UP」のパーティは何年前くらいにやってたんですか?

KEN ISHII:3年位前までは結構やってたんじゃないかな。ちょっと何年かあいて、去年も1回やりましたね。

ー今後開催される予定はありますか?

KEN ISHII:1年に1回くらいできればいいかな。あ、あと一つ思い出した。昔、TECHRIDERSのSABi君とかAKi君とかとブラジルツアーに行ったことがあって。ブラジルに行ったのも勿論楽しかったんだけど、結局その時いろいろな関係者が一緒に来て、全部で20人位いたのかな。もうなんか修学旅行みたいで。向こうで実際にプレイしたのは僕ら何人かだけだったんだけど、やっぱり連帯感とか生まれるわけで。その空気を日本に持ち帰って、帰国してからブラジリアンのアーティストを呼んで一緒にパーティをやったんですよ。それは普段のパーティとはまた違ってて今でもよく覚えてますね。

ーそうなんですね。あと、ここ10年の間で「しまった!」と思うようなWOMBでのハプニングや出来事などはありましたか?

KEN ISHII:それは意外と。いろいろしっかりしてくれてるお店だから、トラブルとかは無いですね。ああでもね、失敗っていうわけじゃないんだけど、いい部分はバックステージで盛り上がれるところかな。ほぼ毎週どこかでプレイしてたりするんで、正直毎回毎回飲んだりとかしてるわけじゃないんですよ。次の日移動だったりするから。でもWOMBは、バーのスタッフとかに名物兄さんがいるので、プレイが終わってからもずっと最後まで、楽しく飲ませてもらってます。

ー自分もよくWOMBに遊びに行くんですが、スタッフの方みんないい人ですよね。

KEN ISHII:桃井さん(WOMBの店長さん)とかでしょ? 乗せるのがすごい上手なんで(笑)。

ークラブによって雰囲気とか客層はかなり違うと思いますが、WOMBのお客さんはKEN ISHIIさんから見てどういう印象ですか?

KEN ISHII:やっぱりそれぞれのクラブで少しずつ違いますよね。店舗の構造とかにもよると思うんですけど。WOMBのお客さんはちょうどアンダーグラウンドと、メインストリームの中間ぐらいをいってる気がしてて。サイズだけじゃなくて、例えば天井低くて暗いとかだと、やっぱりお客さんのノリもアンダーグラウンドな感じになるんですが、WOMBは良い具合に普通の人とかも入ってこれて。それほど詳しいわけじゃないライトなファンも、勿論詳しい人たちも、常にこう混ざっている感じですね。まぁイベントによっても差はあると思うんですけど。

ー確かに。そんな印象は受けますね。


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世界で活躍する日本が誇るアーティスト、KEN ISHII氏。過去の思い出話から現在の活動についてまで、気さくにインタビューに答えていただきました。