vol.30

WOMB 10th Anniversary × KEN ISHII

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祝! 誕生10周年。
KEN ISHIIが語るクラブ"WOMB"の魅力とは。

2000年の4月に誕生し、日本を代表するクラブとしてシーンを牽引してきた渋谷のWOMBが今春、遂に10周年を迎えます。4月10日に開催される10周年記念パーティに出演し、2009年に自身も活動開始から15周年を迎えたKEN ISHII氏に、この10年のクラブシーンの変遷やWOMBでの思い出についてなど、様々なお話をお伺いしました。また、レジデントアーティストをはじめ、WOMBにゆかりのある海外アーティストからの御祝いメッセージもいただきましたのでそちらもお楽しみに!

ここ10年位の間に一気にシーンが大きくなった気はします。

ー昨年はご自身が日本で活動されて15周年というメモリアルイヤーでした。そしてWOMBも4月10日に10周年を迎えます。KEN ISHIIさんから見た現在の日本のクラブシーンと、その中でのWOMBの印象をお伺いできますか?

KEN ISHIIさん(以下KEN ISHII、敬称略):僕がデビューした15年前っていうのはまだクラブシーンというものが大きくなる前で、本当に「アンダーグラウンドで一部の人が好きなもの」という存在でした。それがこの15年で音楽的な成熟があったのはもちろん、急にアテンションがいろんなメディアから来るようになってクラブシーン自体が盛り上がってきたところはありますね。

ーなるほど。

KEN ISHII:2000年代はクラブミュージックが定着して、普通の男の子や女の子が遊びに来るようになったというか。いろいろあるエンターテイメントのうちのひとつとしてクラブが認識された感じになっているんじゃないかと思いますね。振り返ってみると、ここまで来るまでが早かったですよね。ヨーロッパだと、ある程度のレベルになるまで30年位かけて成熟してきた印象があるんですが、日本はここ10年位の間に一気にシーンが大きくなった気はします。

ーWOMBができた時はどういう印象を受けました?

KEN ISHII:東京においても、それこそニューヨークのクラブに負けないサイズやシステムを備えていて、シーンの成熟と、ある程度のアテンションが来て初めてできるクラブだなと思いました。僕が90年代にいろいろまわっていたクラブの中に、ニューヨークの「TWILO(トゥワイロ)」っていう所があるんですが、確かWOMBのサウンドシステムは、そこを作った人と同じ人に作ってもらったんじゃなかったかな。オープンした時はそれが売りでもあり、一番強いポイントでしたね。

ーそうなんですね。

KEN ISHII:WOMBができる前も「イエロー」(現「イレブン」)とか、今は「モジュール」になっている「CAVE」っていうクラブはあって、僕らが学生のころからよく行ってた所なんだけど。そこは日本スタイルなんですよ。ビルの地下とかにあって、知ってる人だけが、みたいな。アンダーグラウンドな感じ。WOMBはビルひとつをバーンと使ってて、クラブっていうものをエンターテイメントとして認めさせようとしている印象がすごいありましたね。

ーなるほど。

KEN ISHII:やっぱりクラブっていうのはカルチャーとして認められているものだし。今でこそニューヨークのクラブはちょっと元気がないですが、90年代までは世界のクラブシーンの大きな中心地だったから。初めてそういうものと同じ位のものを提示しようとしている意気込みが見えたのがWOMBだったかな。

ー実際に初めてWOMBでプレイしたのは割とできてすぐですか?

KEN ISHII:できてすぐですね。今はフロアの一番奥にブースがありますけど、最初はニューヨークスタイルっていうのにこだわっていて、ブースがフロアに無かったんですよ。

ーそうなんですか!

KEN ISHII:ニューヨークスタイルってダンスフロアにブースが無いんですよ。上のほうで、下の様子を見ながらやるみたいな。当時はそういう感じでしたね。しかも最初は、ニューヨークのデザインとかサウンドシステムを日本に持ってきたっていうことで、それに全部対応してほしいっていう要望があって。ニューヨークハウスって独特のスタイルで、実はヨーロッパの方がその時システムが進んでいたんですよ。そのヨーロッパのサウンドシステムで僕らは既にやってきてたから、いきなりニューヨークの、アメリカの昔のスタイルに戻せって言われても「それは無いでしょ」って、それでちょっともめた記憶がありますね(笑)。でも、「WOMBは、これでしかないから」って言われて練習しに行ったの。オープン前のWOMBに。

ーへえー!

KEN ISHII:昔ながらのハウスのミキサーは、新しいタイプのものとフェーダーの仕様が違ってて、使ったことがなかったから。それ慣れるために練習しに行ったのを覚えてますね。新しいことをやったがために、WOMBも僕らアーティストもいろいろ大変だったこともあったんじゃないですかね。最初のころはそういうのがいろいろあって面白かったですけど、オープン当初からサウンドシステムやライティングなど、メジャー感のあるクラブとしての良さは光ってましたね。

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KEN ISHII / KI15W10

KEN ISHII15周年+WOMB10周年。2つのアニバーサリーを記念した『KI15W10』が、4月7日iTunes Storeでデジタルリリース! 15周年イヤーとなった2009年にMySpace+サンレコとコラボレートし話題となったアニバーサリ-企画が、WOMB10周年パーティーを期にWOMBの顔ともいえるアーティストAKi& Takeo、Techridersらによって新たに再構築されました。Techridersとのコラボレーショントラックは、10周年イベントのモーションフライヤーにも使用されています。

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