ミラクル商品詳細その３。

クリちゃんがイクッ。

栗原道彦
フリーバイヤー（？）

1977年生まれ
2010年に有限会社ロストヒルズを退社。
2011年よりフリーでの活動を開始（？）。

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今回は、本日店頭出ししたプリズナーコート君たちをご紹介します。

まずは外側にポケットがなく（内側に1個あり。）、バックにステンシルが入らないシンプルなタイプ。
ただしライナーには囚人番号らしきステンシルが何箇所か入っています。
ボタンはシルバーのチェンジボタン（縫い付け）で"STATE PRISON"と表記。
年代は２０～３０年代くらいでしょうか。何枚か同じスタイルのモノがあるんですが、１点１点ライナーの生地が違い、中には耳付きのブラウンデニム仕様のモノも。
そのバラバラさ加減から、恐らくどこかのメーカーが作ったのではなく、囚人たち自身が刑務所内の工場で作ったモノじゃないかと推測。

コチラも上のモノと同年代くらいでしょうか。ボタンを留めるのにコットンのループを使用している変わったスタイル。
コートというよりジャケットに近い感じで、アメリカというよりはヨーロッパっぽいシルエット。
このくらいの年代まではアメリカモノでも素材やパターンなど、前世紀のヨーロッパの面影が色濃く残っているようですね。
このスタイルは２枚あったんですが、両方ともすでにSOLDになってしまいました。

コチラは唯一のショートジャケットスタイルで、Levi's ２ndみたいなモッサリとしたシルエット。
ライナーにはヒッコリーストライプを使用しています。年代は恐らく４０年代くらいじゃないでしょうか。

コチラも同じく４０年代くらいのモノ。シルエットは完全に「アメリカ」になってます。
裏地が付かない一枚仕立てで、バックには"CLINTON PRISON"のステンシル入り。
この「クリントンプリズン」。ネットで調べた結果、過去に「リトルシベリア」と呼ばれた"Clinton State Prison（現在では"Clinton Correctional Facility"に改称（？））というニューヨーク州クリントンに存在する刑務所のようです。

スタイルは上のモノとほぼ一緒なんですが、ボディーのカラーが若干違います。
また画像では見えにくいんですが、ステンシルの色も白ではなくこの手のジャケットにしてはかなり珍しい黒ステンシル。
そしてこれらのジャケットの中で唯一、首元にメーカーのタグが付いており、"corcraft"というメーカー名と"38"のサイズ表記が。
この「コークラフト」社。囚人、入院患者用のユニフォームを始め、オフィス、学校用のファニチュアー、はたまたゴミ箱、洗剤などまで幅広く生産するニューヨーク州御用達のメーカーだそうです。

これらはご覧の通り、バックに"NYC"のステンシルが。
どうやら今も存在する「ニューヨークシティージェイル」で使用されていたモノのようで、上は４０年代頃、下はスナップボタンを使用しているので５０～６０年代頃のモノだと思います。

そしてスペシャルなのがコチラ。表地にコーデュロイ、裏地にSTIFEL社製のチェック生地を使用したリバーシブルコート。
バックの黄色"US"ステンシルから恐らくUSネイビーモノじゃないかと推測。また首裏に５桁のナンバーと持ち主の名前が手書きで入っているので、元々ネイビーで使用されていたモノが払い下げられて刑務所行きになったんじゃないでしょうか。
ただ何人かの有名アメリカ人ヴィンテージディーラーに聞いてみたんですが、誰も今までにコーデュロイを使ったネイビーモノは見たことがないとか。
４０～５０年代製のモノでも謎が多いネイビーモノ、WWⅡ以前のモノになるともう資料等もほとんど残っていないみたいで、コイツの真相もどうやら闇の中に...　詳細を知っている方、是非ご一報ください。
このリバーシブルコート、裏地などディテールが若干違うモノが計３枚あったんですが、残念ながら全てHOLDになってしまいました。

スイマセン。自分で仕入れて紹介しておきながら、「恐らく～」、「～頃」、「～と推測」と、ほとんど明確な説明が出来ませんでした...
ヴィンテージはやっぱり奥が深い。勉強不足を痛感しました（泣）。

申し訳ありませんが、これらのジャケットも諸事情によりプライスを明記することが出来ません。
気になる方はお手数ですがお電話orメールでお問い合わせください。
ロストヒルズ原宿店：03-5410-2300　ask@losthills.jp