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ハラダユウコArchive&Style Shop Press1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。www.archiveandstyle.com

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ハラダユウコ
Archive&Style Shop Press

1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。
www.archiveandstyle.com

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Brooks Brothers

2009.06.26

フイナムブログをご覧の皆様こんにちは☆

毎日、蒸し暑いですね~(汗)
今日は、蒸し暑い梅雨時にピッタリな、
ブルックス・ブラザーズのマドラスチェック地のテーラードジャケットをご紹介いたします。

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1973年製 税込み¥14,595-


ブッルクスは大変、歴史あるブランドなので、
今日は、商品説明よりも、ヒストリーに力を入れて(笑)お話しいたします。


Brooks Brothers (ブルックス・ブラザーズ)の歴史は、
約190年前の1818年4月7日に、ニューヨークのキャサリン街とチェリー通りの北東の角に、
ヘンリー・サンズ・ブルックスが45歳で創業した「H&DH Brooks &Co.」に始まります。

創始者のヘンリー・サンズ・ブルックスの基本理念は、次のようなものでした。
「最高品質の商品だけを作り、取り扱う事。
適正な利益のみを含んだ価格で販売し、こうした価値と商品を求め、
その価値を理解できる顧客とのみ、取引すること。」

こうして、ブルックス・ブラザーズはアメリカでもっとも古い、
注文仕立て服の紳士&婦人服の衣料品店としてオープンしました。

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英国製の衣料と英国製の生地を使って、
スーツやシャツといった日常服から、スポーツウェア、乗馬服といった専門服まで、
幅広く手掛ける「H&DH Brooks&Co.」は、
当時、人口たった4万人程度の小さい町だったニューヨークで、
たちまち評判になり、街に根付いた仕立て服店として広く知れ渡り、
多くの人々から愛されました。


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1833年にヘンリー・サンズ・ブルックスが亡くなると、
長男のヘンリーJrが経営を引き継ぎました。

1845年には、アメリカで初めて既製のスーツの販売を始めました。

そのため、
1849年のカリフォルニアのゴールドラッシュの際には、
仕立て屋の気まぐれな仕事ぶりを待っていられない開拓者たちが、
既製服を求めて店舗に大勢、押し寄せました。


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1850年に、
ブッルクスの息子のジョン、エドワード、エリシャ、ダニエルの4人が家業を受け継いで、
英国服にアメリカ人らしい自由な精神が吹き込まれ、
アメリカン・トラディショナル(アメトラ)という新しいスタイルが生まれていきました。

この1850年には、
会社名を新しく「Brooks Brothers」(ブルックス・ブラザーズ)と改名したのと同時に、
「ゴールデン・フリース」(金羊毛)のシンボルマークを商標として採用し、登録しました。


リボンで吊り下げられた子羊を描いたブルックス・ブラザーズの有名なマークは、
古い時代から、英国の毛織物商人のシンボルだったそうです。

また、15世紀以降は、
バーガンディ公フィリップ3世によって創設された、
ゴールデンフリース騎士団の紋章にも使用されたり、

古代ギリシャ神話においては、
空を飛ぶ不思議な雄羊はイアソンとアルゴ探検隊が探し求めたものでした。

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ブルックス・ブラザーズは創業からずっと、
注文服と既製服のどちらも、「製造と販売」の両方を手掛けてきていました。

その事に寄って、
販売する全商品を完全にコントロールし、最高品質を保ち、保障する事が可能だったわけです。


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1858年には、ニューヨークのマディソン街にも出店し、店舗は次々と増えていきます。
このマディソン街の店で、かの有名なラルフローレンも、
お店の販売員(セールスマン)としてスタートした話は有名です。

後に、彼はブルックス・ブラザーズから
ポロ商標を使用する権利を与えられたそうです。

DSCN8557.JPG

話が少し前後しますが、
このラルフローレンが使用権利を得たポロについては、

1896年に、創始者ヘンリー・サンズ・ブルックスの孫にあたる、
ジョン・E・ブルックスが始めて作り出しました。

ジョン・E・ブルックスはイギリスで、、ポロの競技を観覧していた際に、
ポロ選手のシャツの襟が、風で揺れない様にボタンで留められているのを、
見たことから着想してボタンダウンシャツを初めて商品化しました。

今ではボタンダウンシャツといえば、
誰もが知っているシャツの定番のひとつですが、
ブルックス・ブラザーズでは、このシャツの生まれた由来から、
ずっと、ポロカラー・シャツと呼ばれています。


また、このポロカラーシャツ以外にも、
「I型スーツ」と呼ばれるボックスシルエットのスーツを創始し、
ブルックス・ブラザーズはファッションの歴史に革命を起こしていきました。

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その後1900年代に入ると、


まず、
1903年には、創業から85年目にして、株式会社に発展しました。

1904年には、シェットランド・セーターを発表。
シェットランド・セーターとは、
もともとシェットランド諸島に住む農民が手作りしていた、いわば彼らの日常着ですが、
それをブルックス・ブラザーズが独自のセンスを織り込み新しく発展させました。


1920年には、
インドのマドラスチェックを取り入れ、
それまでの英国特有のタータンチェックとは違った、
異なる風土、文化から生まれたチェック柄で自社の商品を次々と創り出し、
夏の気候にも対応する全く新しいトラディショナルを生み出しました。

また、同じく夏の気候にぴったりなシアサッカー地を取り入れたのも、
ブルックス・ブラザーズが最初です。

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1940年代には、
男性の着るシャツに初めてピンクを使用し、そのシャツを着た女性モデルが
ヴォーグ誌の表紙を飾ると、
女性客が男性用のピンクのシャツを求め店に押しかけたそうです。


大衆だけではなく、もちろん、
映画「風とともに去りぬ」の名俳優K・クラーク・ゲーブル氏や、
セオドア・ルーズベルト元アメリカ大統領なども、ブルックス・ブラザーズの服が大好きで
愛用していたそうです。

また、1865年に
エイブラハム・リンカーン元アメリカ大統領が、
2期目の就任式で暗殺された時に着用していた上着も、
ブルックス・ブラザーズが特別にあつらえた上等なジャケットで、
裏地には鷲の巧みな刺繍と、
「One Country. One Destiny」
(ひとつの国、ひとつの運命)という文字が施されていたそうです。


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こうして、今日では、世界市場でも、
アイビールックの伝道的ブランドで、
アメリカン・トラディショナル(アメトラ)の代表ブランドであると、
カテゴライズされているブルックス・ブラザーズですが、

意外にも、
ブルックス・ブラザーズ自体は「トラッド」という表現は用いず、
あくまでも「アメリカン・クラシック」という表現を打ち出しています。

この辺りに、個人的にはこだわりを感じます。(笑)

個人的な推測になってしまいますが、
日本では、多分、70年代半ば以降に、「メンズクラブ」誌や「ポパイ」誌などで、
アメトラに火が付いた事によって、

その数年後の1979年に満を持して、
ブルックス・ブラザーズジャパンが設立され、
同年に青山本店がオープンしたのではないかなぁ~と、思ったりしています。

この当時、ハラダはまだ、小学3年生なので、
頭の中はピンクレディと、バービー人形と、と、「なかよし」「りぼん」でいっぱい(笑)
だったので、
世の中ファッションの流れなど、これっぽっちも分かっていない頃ですが。。。(笑)

うちの父親(60代半ば)などに訊くと、
日本では60年代、70年代には、ブルックス・ブラザーズなんて、
名前は知っていても、手の届かないブランドというか、
めったに目の当たりに出来ない伝説的存在のブランドだったそうです。

それが今では、
79年に青山本店がオープンしてから、
2008年までで、全国に83店舗が展開しているそうですよ~。


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今回、紹介しました、マドラスチェックのジャケットは1973年製と、
タグがついていましたので、
まだまだ日本ではブルックス・ブラザーズが知られていない頃の物というわけですね。
気になる方は、お店にお問い合わせくださいませ~。


ちなみに余談ですが、
アメリカやヨーロッパのブランドの歴史を調べていると、
西暦~年と出てくるたびについつい、年号に変えて考えてしまう日本史大好きな私です。
今回はこうして、ブルックス・ブラザーズを紐解いてみましたが、
ブルックスが創業した1818年、年号に直すと文政元年。

なんと!明治維新のちょうど50年前ということになるわけで、
やはり、すごく歴史のある古い名門ブランドである事がよぉ~くわかりました。

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