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ハラダユウコArchive&Style Shop Press1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。www.archiveandstyle.com

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ハラダユウコ
Archive&Style Shop Press

1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。
www.archiveandstyle.com

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B-15C

2010.10.21


フイナムブログをご覧の皆様こんにちは☆

風邪のお陰で口の中に口内炎が4つもあって===(痛)
ブルーな気持ちのハラダデス。。。(苦笑)

が、しかし、
今日もですね、
バイヤーの堀江氏が「次の週末はこれだすよ~~~♪」と、
「ん~~~じゃあ、BLOGに書くかぁ~~~」な、アイテムが来たので、
早速、書いていきます~~~☆


DSCF6568.jpg
今回は、
B-15C(オリーブドラブ)フライトジャケットです~~☆
(なんか、今秋。軍物連発ですね~☆堀江師範(笑))

DSCF6566.jpg

ん??これは、色がオリーブドラブだし、
B-15Bの間違いじゃないの?という声も聞こえてきそうですが、


皆様よくご存知のように、通常は、B-15Cといえば、
アメリカ空軍のシンボルカラーである、
エアフォースブルーが一般的なわけですが、

DSCF6567.jpg


B-15Cの色が空軍の
エアフォースブルーに変更される以前の僅か数年間に、
それまでのB-15Bの流れを汲んだ、
オリーブドラブB-15Cが存在した。
といわれておりまして、
変更期のモノなので、製造年数が短く僅かしかないとの説があります。

DSCF6580.jpg

がしかし、上の説とは逆に、
B-15Cオリーヴドラブは、
陸軍(QM)の発注によるもので、
空軍(USAF)の発注分ではなく、

空軍の独立後も陸軍所属
ヘリコプター部隊などのパイロットがいたための発注で、
陸軍が(視認性の高い)ネイヴィーを嫌ったのか、
空軍が他軍のネイヴィーの着用を嫌ったのかは分かりませんが、
いずれにしてもB-15BからCへの
"変更期のモデル"説は間違いですよ。という説もありまして、

ハラダはどっちが正しいのか??ううむ??
後者の説のほうがなんか、納得も。。。。????
う~~ん???わからない。。。(苦笑)
なんですが。。。。。。

某老舗ヴィンテージショップのA氏が、
B-15Cオリーブドラブは、
ヘリコプターのパイロットが着用していたモノ」と、
話していたので、
やはり、後者の説が有力かなぁ~???と、考えている今日このごろです。。。


DSCF6570.jpg

製造年数が短い説にしても、
陸軍のヘリ部隊説にしても、
(空軍のパイロット数とじゃ比べ物にならない数でしょうし。。。)
とにかく、あまり出てこないってことだけは、
確かなモデルなんですね。

DSCF6569.jpg

ついでなので、短い期間の間に次々とモデル改訂のあった
B-15シリーズの歴史を少し、遡ってみたいと思います。

第2次世界大戦末期の1943年
それまでのレザー製フライトジャケットではなく、
初のコットンフライトジャケットとして誕生した,
B-10コットンジャケット。
その、B-10に次ぐ、
後継モデルとして1944年の4月に誕生したのが、
B-15コットンジャケットです。

DSCF6575.jpg

しかし、何故か?
このB-10にしても、
B-15にしても、採用期間はそれぞれ、
1年にも満たない短い期間で、
1944年11月には、早々と、
このB-15も、
B-15Aへと改訂され、

そして、また何故か?
このB-15Aも採用期間はわずか、
10ヶ月でストップしてしまい、
コットン製のフライトジャケットの歴史は、
たった2~3年で終了してしまうのです。

DSCF6582.jpg


では、このコットンに変わってどんな素材が採用されたか?と言うと、
現代では当たり前にそこらじゅうで手に入る、
ナイロンが採用されたんです。


デュポン社の開発したナイロンを採用した、
L-2の登場から遅れること3ヶ月、
1945年8月に、
陸軍航空隊史上初のナイロンインターミディエイトゾーン
(-10℃~+10℃)用フライトジャケットB-15Bが誕生します。


DSCF6590.jpg


そして、
このB-15シリーズ初のナイロン採用版B-15B
Spec No. 3220B,3220Cの次ぎに開発されたのが、
今日、ご紹介しているB-15Cとなるわけです。

少し、話が前後しますが、
ちなみに、ナイロンは、
1935年デュポン社
ウォーレス・カローザス博士らによって開発された、
世界初の完全な人工合成繊維でした。
このナイロンを最初に採用したのが、
先にも書いた様に、L-2と、
B-15Bだったわけです。

 

その後、
1947
陸軍航空隊が陸軍より独立して、
米国空軍となったこともあって、
1951年には、米国空軍の、
シンボルカラーであるエアフォースブルーに染め上げられた、
B-15Cが登場します。


このB-15Cは、
前身のB-15Bの流れを受け継いで、
左胸には革製のオキシジェンタブが付けられています。
(このオキシジェンタブは後にナイロンに変更されます。)
DSCF6577.jpg

オキシジェントタブとは、
ボックスタブ とも呼ばれるのですが、
正式名称は"オキシジェンホースクリップタブ"といいまして、
要するにパイロットの非常用酸素ボンベのホースを固定する為に付けられていた、
年代を感じさせる馬革製のディテールなのです。

DSCF6591.JPG


その後、このB-15Cに替わり、
1953
あらたな空軍のシンボルカラーである
セージグリーンを纏い、
B-15シリーズの最終形となるB-15Dが登場します。
B-15Dは、
ディテールなどはB-15Cから変更されていませんでしたが、


第二次世界大戦後、
ジェット機の到来によりそれまでの航空整備は大きな見直しを迫られ、
それはフライトジャケットも例外ではありませんでした。
中でも、
航空装備の変更で最たるものは、
機体の振動からパイロットの頭部を保護するハードヘルメットの導入でしたが、
ヘッドギアの大型化はB-15シリーズのフライトジャケットのボア襟が邪魔になるという、
弊害をもたらしました。


1954年、
この問題を解決するため
ムートン襟に替わり、ウールリブニットが取り付けられた、
MA-1の登場により、
12年に及ぶB-15シリーズは、
その歴史を終えることになりました。


DSCF6583.jpg

と、ものの話は以上です~☆

店頭に出すのは、
今週末になります☆気になる方はお店に見に来てくださいませ~~♪


では、皆様、また~~~~♪


DSCF6668.jpg


Comment: 1

はじめまして。
フライトジャケットの解説とても詳しくて勉強になります。

猫たち可愛いですね。
茶色の猫の模様が綺麗です。
なんかこんな色合い、模様のカリントウのようなせんべい状のお菓子があったなあと思い出しました。

風邪はやく治ると良いですね。
おやすみなさい。


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