Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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あなたはVISIONAIREを知っていますか? <8>
2010.03.11
もちろんスキャナーなんて一家に一台なんていうほどお手軽ではなかったので、DTP(デスクトップ・パブリッシング)なんていう概念はなく、単純に古い方はファイルメーカーで在庫や請求書の管理、あとはワープロ程度に。
Ⅱfxはグレッグが表紙のロゴやクレジットのページをデザインして、モノクロのレーザープリンターで確認する程度にしか使ってなかった記憶があります。
じゃあどうやって編集作業をしていたかというと...
メインで使っていたのは定規に電卓、そしてコピー機。
そう、とっても原始的なものでした。
いまでこそボックスの隅をつまめば写真や文字のサイズなんかすぐに変えられますが、この原始的な方法ではこういう感じで進めて行きます。
[以前この話を誰かにしたら日本は最近までそうだったよって言われたんですけど本当なんでしょうか?]
まずはオリジナルの一辺の長さを測り、同じように掲載される誌面(場所)のサイズを計ります。
そしてこの2つの結果を計算機で割り出し、縮尺率を求めるのです。
あとは、コピー機でオリジナルの写真なり作品を、割り出した縮尺率を入力して拡大ないし縮小します。
こうしてコピーされたものをEXACTOナイフを使って必要な部分を切り取って、いわゆる「版下」といわれるトンボの付いた紙に、「貼って剥がせる」タイプの「スプレー糊」を使って貼り付けるのです。

もちろんコピー機のスキャナ部分よりも大きな作品や、拡大率を越える小さな作品もあるので、その時には2分割して縮小したり、拡大してコピーしてさらにそのコピーしたものを拡大するといった作業を繰り返します。
ただ実際には思っていた通りの表現が計算通りにはいかない場合もあるので、その時には倍率を若干変えて「あたり」をつけるという、まさに手作業で進められていきます。
あとは特に「取り切り」を必要とする部分には直接この版下に"FULL BREEDE"と赤鉛筆で記入して、オリジナルとともに印刷所に預けてしまえばこちらの作業はおしまいです。
ね、かなり原始的でしょ(爆)。
で、この版下をもとに印刷所ではオリジナルを高解像度のドラム式スキャンにかけ、僕たちが作った版下に沿ってフィルムとして出力したのちにプレートにしてCMYK(シアン・マジェンタ・イエロー・黒の4原色)のインクをのせて印刷が完了します。
ちなみに当時の印刷所はオフィスの隣にあった中国人が経営するMATRIX PRINTINGで、いつからかその隣に出力センターが出来てたりと、ある意味雑誌を作るのに適した環境だったといえるでしょう。
ADのグレッグが前出のIIfxでデザインしたロゴやクレジットページに関しては、近くの出力センターでライノタイプと呼ばれる、高品位のプリンターで出力したものを、印刷所に持って行くか、製本所に持ち込んでホイルスタンピングの色を決めるなどの作業を経て、表紙部分へと出来上がっていきます。
そういえばデータのやり取りはこの頃はまだ紙かフロッピーでした。
もう見たことない人とか知らない人ってフツーにいそうで怖いんですけど...
大丈夫かな?このまま続けて行って(笑)。
でも今でも鮮明に覚えているのは、この一連の作業を通して今までは雑誌の誌面でしか触れる事の出来なかったオリジナルのアートワーク(プリント)を、実際に手に取って見ることができるようになった喜びは忘れられません。
ーーー・ーーー
注)一連の作業等の説明は、これを読んで下さっている現在プロとして活躍している方からするとおかしい部分もあるとは思いますが、些細なことと軽く流しておいて下さい(笑)。順番や呼び方は何であれ、今こうして僕がこの仕事をしていられる事に何ら変わりないので。そのうちこれが本にでもなる事があれば、その際にしっかり直してもらいます(爆)。
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