Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Speak up!
2010.12.28
クリスマスは教会に行き、大晦日には除夜の鐘。そして一夜明ければ家族で神社に初詣と年末年始はある意味日本人の無宗教っぷりを存分に発揮できる季節。
いや、別に悪いって言ってるのではないのです。これはこれで独自に発達した文化だとも思えるので。本来の意味とはかけ離れているようで、現代社会において家族か友達が自発的に集うというシーンは年々少なくなって来ているのですから。
ただ日本人は宗教に関しては何か特別なイメージがありすぎる気がするのも確か。「困った時の神頼み」なんて言葉があるわりには生活に浸透しきっていないというか、一定のレベルを超えた場合の一種の拒否反応凄さは他の民族の比ではない気がするのは僕だけでしょうか?
もちろん「鎖国」や秀吉による「禁教令」なんていうのも根深く我々日本人のDNAに染みこんでいる可能性だって否定できません。
僕自身(我が家)は神道なので自宅にも会社にも神棚はありますが、幼少期から周りの友達が教会に行っていたり、中高とキリスト教の学校(とは言っても信仰を強制する訳ではい)に、その後はカソリック全開のイタリアに移住したために、とても馴染みの深い宗教。
でもそのお陰で、欧米のファッションやアートの基盤にある宗教観というものを自然と感じ取れるようになれたのは本当に良かったと思っています。基本これが理解できないとTRONだってただのミュージックビデオの延長線上にある3D映画なんていう認識しか生まれなくなってしまう訳で...もちろん感じ方は人それぞれなので別にいいんですが。
ただひとつの宗教の中にも地域や時代が違えばおのずと違う解釈が生まれてくるわけで、そこから新たな宗派や教義が生まれ、近代社会からかけ離れた地域で暮らす人々の間には形を変えた信仰という名の迷信が深く根付いているのもまた事実であり、一部には我々の常識からは理解不能な、驚愕せざるを得ないものがあります。
ただそれらを自分たちの物差しで測ってしまっていいものなのかは、疑問が残るのもまた確かなのかなと。
ファッション・モデル、ワリス・ディリーの半生を描いた実話。
その生い立ちやモデルとして成功するまでの経緯は実に壮絶で、お洒落で華やかな「プラダを着た悪魔」的な感覚で出向いたら間違いなく大やけどをする映画。中途半端なパートナーと観に行くにはオススメしませんが、真剣なお付き合いをしている2人なら色々と話し合える事でしょう。
基本的に僕は史実や実話に基づく映画が与える衝撃と、一作品としての完成度の高さは全くの別物だと思っています。逆に言えば捉えた題材のすざましさで誤魔化している作品が多いなぁ...なんて思うことも少なくありません。
ただこの作品は見せ方(魅せ方)が実に上手い。特に回想シーンの構成の仕方が印象的でした。そして何よりも彼女自身の意思の強さと人との出会いに恵まれた力に驚かされる事でしょう。
★★★★★
いやぁ、参りました。
いつもならエンドロールになった瞬間に立ち上がるのですが、あまりの衝撃に体が動かないというかシートに沈んでしまった感じ。
そろそろちゃんと見返さないといけないのですが、下手したら今年のベスト10に入るかくらいの勢いです。
ただしつこいようですが中途半端な気持ちで観に行くと大やけどしますよ。ただ全てを見終わった後には、ポスターなどに華やかなキーイメージを採用した意味が分かるはずです。
本当に心に残る作品。
あとは物差しの使い方なのかなと...
好き嫌いや良い悪いを言うのは簡単。でも我々はその現実の中にはいないというのもまた事実な訳で、何であれキチンとした意見を持てる事、そしてその事を話し合うきっかけになればいいと思いました。
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