Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Swim or die...
2011.01.12
今はどうか知りませんが、基本僕が17から23までの間に住んでいたイタリアという国は、我が日本と同じく移民に対して政策的にも心情的にも厳しい国でした。
そもそも日本人の僕が就学ビザをまともに取るのすら難しく、八方手を尽くして取得した記憶があります。逆にあんなに難しくしたら不法滞在者を増やすだけなんじゃないかと少年ながらに思ったものです。
ただそれを取得したから終わりというわけではなく、実際に向こうに着いたら何日か以内に警察に行って滞在許可証を発行して貰わなければいけないのですが、これがマジで重労働。
それこそアフリカからの移民の人たちと一緒に朝6時くらいから門外に並んで9時頃の開門を待つ感じ。で、中に入れるのは昼近くて入ったら入ったで全てイタリア語表記って、これからそれを勉強するために来たんだよ!ってツッコミたくなるくらい不案内。
おまけにほとんどの人は英語(もちろん僕自身も相当たどたどしい)が話せないので、一向に埒があかずに最初に出向いた時にはまさにお手上げ状態(笑)。6時間近くいて無駄足を踏んだ記憶があります。
で、その後なんとか取得しても、例えば一瞬たりとも国境を越えてフランスなり隣国へ行くためには再入国許可書を同じプロセスで警察署に取りに行かなければならず、最後の方はアホくさくて真面目にやってるのが馬鹿みたいに思えたくらい。
まぁ好き好んでそこに行ったのは僕なので仕方ないにしても、先進国と呼ばれる国同士のやり取りでそうだったのですから、今日の作品の少年の苦悩は想像を絶するものだったに違いありません。
そういえば先日こんなつぶやきが僕のタイムライン上に流れてきました。「誰かのために一生懸命になれる人なんていない。人が本気で何かをするときは必ず自分の為。」これに対して僕がフォローしている方が「必ずしもそうとは限らない」とコメントを付けてのリツイートだったのですが、まさにその通り。
必ずしもそうとは限らない。
少なくとも僕は今まで2人の人に対してこの感情を頂いた事があります。ただこれは人それぞれなので良い悪いを言うものではありませんが、僕が言えるのは、そういう人に出会えて僕は幸せだなぁ...という事。
キッカケは何でもいいんですよね。もしかしたら動機は不純かもしれない。
でも、そういう時間を過ごせた事は誇らしく思えるからこそ、この物語の気持ちもとても良く解ります。
★★★★★
実に小粒なフランス映画。
小粒だけど珠玉。
フランス人らしいエゴの出し方とでもその影に垣間見える人間性、頭と身体の間に潜む、それぞれの立場の感情と葛藤が上手く表現されていると思いました。
それにしても初めてミラノからパリに行ったときにはビックリしたなぁ...あまりにアフリカ系が多くて、同じくロンドンに行った時にもインディアンの多さに驚いたものです。だからなんだという訳ではなく、単純にイタリア(特にミラノ?)の閉鎖性を身をもって体験した気がしたのを覚えています。
あなたなら渡れますか?
僕は渡れません。そして何のためなら渡るという決心が出来るだろう?
正直、それすらも考えられなかったと同時に、考える必要のない境遇にただただ感謝するのみです。


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