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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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2011.03.31

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灯台下暗しとは良く言ったもので、TV制作者がTVを見ないように、VISIONAIREに関わっているからといって、アートとファッションに常にアンテナを張っているかと言えば、実際の所はそうでもないんですよね。

ウチでいうならば完全に役割分担が出来ているので、新人アーティストの発掘はもっぱらセシリアの担当。昔から細めにギャラリー巡りをしたり情報収集というか、アンテナを張り巡らせているのは彼女でした(もちろんそこからの審理眼は持ち合わせているつもりですが)。

だからいまだにNYに行く時には彼女に「To Do List」を作ってもらって、勧められた通りにギャラリーを巡るというのが定番。

そして、同じようにという訳ではありませんが、実はその日観ようと思っている作品の内容はおろか、出演者すらも知らない事がほとんどで、だいたいはレコードのジャケ買いに近い感覚で選んでいるんですよね。

お叱りの言葉もありそうですが、いつも言っているように基本映画館に行く事が好きなんでお許しを(笑)。そして、おまけにこのブログにメモを残すかのごとく書き記すものだから、出演者も含めてスコーンと記憶が抜けてしまうかのように忘れてしまう事もしばしば...

それが良いのか悪いのかはさておき、極稀に絶対に忘れない作品に出会う事があるんですよね。

大抵の場合がそうであるように、今回も全くのノーマークでの鑑賞。
いやぁ...ある意味久々の大当たりじゃないですかね、これ!!


整理券番号順に開場を待っていると、本人の作品を模したような女の子が何人か出て来たのでもうちょっと色物的な感じかなと思ったのですが、大間違い。最初から最後までとにかく愛に溢れている作品。

まず撮影・編集もこなした松永監督との長年に渡るであろう信頼関係があってこその作品なのは間違いないでしょう。

単に古くからの友人というのではなく、一人のアーティストとして、そしてその作品に秘められた(きっかけは違ったかもしれませんが)可能性を信じる監督の姿勢に心を許し、互いに共鳴しあって行けるからこそ、この作品が性同一性障害というステレオタイプ的に捉えやすい「ピューぴる」というアーティストの本質をバランス良く見事に引き出していると思います。

そして、映画で見る限り「愛する」という事にあまりにも純粋で不器用なピュ〜ぴる本人を取り囲むご家族や仲間の「ごく普通かつ沢山の」愛情に、観ているこちらが側も知らず知らずのうちに包まれていく事でしょう。

その中で唯一自分自身に対して、そして作品に対する愛情に葛藤し、枯渇し、もがき狂う姿に心をを奪われるのと同時に、普通ならば触れる事がないであろう、一人のアーティストの原動力を垣間見る事ができたという事実に興奮したのは僕だけではないはずです。

★★★★★

とにもかくにもご家族に恵まれているなぁ...というを一番感じました。
お兄ちゃんが出て来る度にというよりも、途中からはお兄ちゃんが出て来る事を熱望してしまったくらい(笑)。

もちろん例外もありますが、実際に自分の周りのアーティストも家族のサポートがあってこその人が多いのも事実。

例えばマリオ(テスティーノ)のエージェンシーの社長は実弟のジョヴァンニだし、アナ・ウィンターが彼のためにパーティーを催せば実家のあるリマ(ペルー)から実姉達が駆けつけたりするものですし、我がVISIONAIREだって、スティーヴンの実妹が一時期マネージメントをしていた事があるくらい。

いやぁ、それにしても飛行機の目的地がNYだった瞬間「もしや?」とは思ったのですが、次のシーンにアルミニウム製の取っ手が映った瞬間に「あ、やっぱり」と気付いてしまった自分が恐ろしかった(笑)。

そして、見慣れたオフィスのエントランスに前述のセシリアの笑顔を見た途端に、多分この作品を観た、もしくはこれから観るであろう世界中の誰よりも、僕ほどこの作品を身近に感じた人はいないでしょう。

もちろん、そんな個人的感情を抜きにしても十二分に楽しめる作品。

そう、これは正にピュ〜ぴるのセルフポートレイト作品の延長線上にあるものだと思いました。

自称アーティストやクリエイターで満足している諸兄は必見です。
但し大ヤケドして打ちのめされる事は必須ですのでご注意を。

つーか、セルフポートレイトとか買えないのかな?
欲しい...っていうか、本人に会ってみたい!!!

もちろんお兄ちゃんも(笑)。

予告編に惑わされずに、是非劇場へ!
料金以上の価値は必ずあるはずです!

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