Lovely days! - Boolog A Go-Go!（石光史明）

これは僕が常日頃思っている事。

もう20年以上前になりますが、まだミラノやパリのコレクション取材をしていた時の事。待ち時間に馴染みになった各国のカメラマン達と他愛のない話していたらどういう訳か飛行機の匂いの話になり、例えばインド航空はカレー臭いとか、大韓航空はニンニク（おそらくキムチ）の匂いがするだとかそれぞれ思うままに言い合っていたのですが「その点日本の飛行機はそういうのはないなぁ...」と言ったら、その中の一人はJALは醤油臭いと。

｢！」

晴天の霹靂とはまさにこの事。

灯台もと暗しとでも言いましょうか、自分の体臭には気が付かないのと同じで我々日本人（日本料理か？）にとって欠かすことの出来ない醤油の匂いを嗅ぎ取る事が出来ていなかった（気にならなかった）事に驚いたものです。一つの調味料や香辛料がその国を象徴する「食」という文化を表している良い例でしょう。

話は変わりますが、先日久しぶりに南の島に行ってきました。

正確に言えばかなり久しぶりに国外に出た気がしますがそれはさておき、僕が一番楽しみにしていたのは食べ物。このブログでもたまに書き記しているのでご存じの方もいるかもしれませんが、ここ数年の僕はほとんどモノを買いません。実際今回の旅行で買ったものと言えば8足15ドルのアンクルソックスとビタミン剤ぐらいで、あとは全部食べ物（笑）。

いや、...って言っても高級食材ふんだんにっていう訳でもなく、場所が場所なのでほぼジャンクと言うか決して高級とは言えない代物。ただその分ずっと食べたかったんだけど食べられなかった懐かしい味、つまり僕の舌の記憶を辿る旅のようなものだったので、ほとんどか南井さんの「今日のB級グルメ」状態（いやぁ、あのポストを見るたびに食べたい欲求が爆発しそうなのです！）で結局3kg近く太って（詰めて）帰国したのでした。

パサパサのお米に良い塩梅にズレた味付け。

パシフィック・リムと欧米の伝統と文化を融合し切れていない中途半端さ。まさにPriceless...

そういえば17歳からミラノに渡った事もあってか良くスポーツ選手が海外移籍や遠征に行く時に「食べ物の不安」を口に出しますがあれがどうにも理解できません。かなりビミョーな途上国ならまだしもあらゆる意味での先進国に行くのに（とあるサッカー選手が彼の地で実姉と同居し食事の管理をしてもらっていると聞いて違った意味で閉口というか、何のカミングアウトかと勘ぐってしまいましたが...）そこが不安ってどうよ？と。

いや、そりゃ日本のお米が美味しいのには異論はありませんし、日本食も大好きですよ。でも毎日高級料亭に通ってるわけでもないのに日本食しか受け付けないって。まぁ確かにベストコンディションで望むアスリートにとっては大切なのかもしれませんし、お袋の味っていうのもあるでしょう。でもせいぜいひと月未満の旅行者が恋しくなるっていうのは200年以上経った今も｢鎖国のDNA」を僕らは引きずっているって事なんですかね。

その観点で言えば久しぶりに第3の故郷の記憶（味）をむさぼった次第（笑）。

そういえば良く海外の食やホテルを酷評する人がいるけど、それはそれ、これはこれ。よほどヒドいのを除けばサービスや味がどうのじゃなくて、単なる語学のスキルが低いだけな気もするわけです。だって日本でも大して美味しくもないお店で常連ぶってる人だっているじゃないですか。あれは日本語というコミュニケーションが隠し味なんだと思う訳です。

ただイギリスの食事は不味いっていう人には、それ行くところが悪いんじゃないの？って思います。実際値段に関わらずここ最近ロンドンで食事をして不味いと思った事がないので。でもそれに関してはどうも産業革命が関係しているのでは？という説をこの前TVでやっていたので「あーなるほどね」と納得。つまり、忙しくなって食事を取る時間が充分になかったから疎かになっていた＝不味くなった...というもの。でも昔からパブで食べるエビの素揚げとかフィッシュ＆チップスだって捨てたモノじゃないというよりも、むしろ大好物。まぁ確かに誰しも好みはありますけど。

...って、かなり本題からずれた上に長くなってしまいましたが、最近ブログがおろそかになっているので（自分では夏休みを取っていた感じなのですが）「渡りに船」。

この続きは次回というで...（笑）。