Boolog A Go-Go!
石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O
NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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トム・フーパー様
2013.01.15
ロンドン・バービカンセンターでの初演から27年もの間、世界43カ国、21カ国語に翻訳・上演された「レ・ミゼラブル」は既に観客動員数がイタリアや英国の総人口とほぼ同じ(東京の人口の約6倍)である6000万人を越えるという、まさにミュージカル界における金字塔以上のものである事は疑いなき事実。
そして、一番最初に(ミュージカルそのものの)映画化が発表された98年から一体どれだけの時が過ぎ、いくつもの監督の名前がその候補にあがった事か... ただ期待する反面、正直映画化して欲しくないという思いも根強かった事だと思います。何故ならそれは小説を読み、おのおのが情景を思い浮かべる思い入れがある作品があるように、Les Misもまた、観客それぞれの想いや情景が詰まった、特異な作品だからです。
ましてや、それ以前にこの作品は、ビクトル・ユーゴーの「あゝ無情」にほかならないのですから...それ故に我々ファンにとっても、制作サイドにとっても長い、長い道のりだったと思います。
実際、上演10周年や25周年には大々的なコンサートが開かれ、世界中からベストキャストが集ったコンサートには世界中から熱狂的なファンが集まり、今なお世界中で公演され続けている作品を一つの「映画作品」という既成事実として作り上げてしまうには監督するあなただけでなく、全てのキャスト、全てのスタッフが震える思いでこの作品に挑んだ事は、想像に容易くありません。
でもそんな心配や不安は無用のものでした...
幕が上がり、最初の音を聞いた時点で、すでに僕の目には涙が溢れていました。とにかく、ありがとう、この作品を手掛けてくれてありがとう!という感無量の涙です。
何よりも驚いたのはまるで劇場でミュージカルを観ているような、それでいて実際にはありえないアップが映し出されても、まるでそれが自分の眼が切り取ったかのようなカット割り。数々のアンアンブルはもちろん、"In My Life ~ A Heart Full of Love" のマリウスとエポニーヌ、そしてコゼットの気持ちの交差。この辺りも舞台での見所のひとつでしょうが、いままで以上に感情移入できた事は言うまでもありません。
2010年にロンドンO2アリーナで開催された25周年記念コンサート。エピローグ後の初代から最新キャスト総出演での「One day more」 (2:32:48辺り)は観客との一体感が最高に素晴らしい!
それ故に、改めてオリジナル・スコアや歌詞の素晴らしさに気付き、また涙してしまうのです。この物語の背景であるヨーロッパの歴史であったり、それを語り継ぐ様、そういったものの上に自分が信条とするファッションやアートがあるという事を改めて気付かされ、確信し、またそれに涙してしまうのです。
そして、ジャンバルジャンが森の中でコゼットをみつけ自分の子として育て始めたクリスマスの日に、この作品を観る事ができた事を一生忘れないでしょう。自分の42歳の誕生日プレゼントとしては出来すぎたものでした。ただそれ以前にあなたが40歳という事がなによりも驚きですが(笑)。
もちろんそれぞれの Les Mis があるのですから異論はあるでしょう。
ただきっとほとんどの人が納得できる作品だったと思いますし、キャスティングにしても、これを現在商業ベースにおいて上映するにはベストだったと思います。まぁ強いて言うならばアン・ハサウェイの背があと数センチ低く、派手すぎなければ、そしてラッセル・クロウの口元がもう少し締まっていて、なおかつ歌が上手ければと思いますが、これは難癖というものでしょう...
でも何よりもサマンサ・バークスをミュージカル・キャストとして見出し、かつこの映画に起用した事が最高に素晴らしかった!どのレコーディングを聴いても、個人的には彼女のエポニーヌがベストだと信じています。
最後に勝手ついでなのですが、どうか、次の2015年の30周年イベントでは、このキャストでひと月、いや1日でもいいから、ミュージカルとして実現して頂けたらと思います。必ずや日本から駆けつける事を約束します!
僕にとって、古典というジャンルにおいて、今まで観た数ある作品の中で最上のものとなりました。本当にありがとうございました!
まだ観ていない方はもちろん、既に観た方もどうか様々なDVDやサントラを見て、聴いて、知って、もう一度ご覧になってはいかがでしょう。必ずや今までと違った、それ以上のLes MIsがそこにあると思います。
そして、遅ればせながら、今年もゆっくりながら、しっかりとこのブログを書き記して行きたいと思っていますので、お付き合い頂ければ幸いです...
本年も宜しくお願い致しますm(_ _)m



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