California Love
小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年２月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。
www.countyline.jp
inspirationla.com
前略、ETCはまだついておりません。
2012.01.12
1/8日、2012年初サーフ。
目的地は千葉南、和田方面。
今回のサーフバディは『OCEANS』のO田編集長、E部副編集長。『OCEANS』の2トップが揃い踏み。
待ち合わせ場所はアクアラインを降りたところ。待ち合わせ時間は朝7時。
ここで予期せぬできごとが。
私の車には「いーてぃーしー」なるものが付いておりません。アクアラインの料金所に差し掛かり、料金所のおじさんの一言にカルチャーショックを受ける。
「3千円になります」。
はぁ？ 二度見ならぬ二度聞き。「こ、この距離で3千円？ 片道3千円っことは往復6千円？」ありえない。首都高や千葉県内の有料道路の料金をひっくると、この日の高速料金は一万円を超える......。サーフィンって金の掛からないスポーツじゃなかったっけ？ しぶしぶ三千円を払って、呆然とする。そして2分後、怒りがこみ上げてくる。怒りの矛先は料金所のおじさん、ではなく高速無料化を訴え、政権交代を成し遂げた詐欺政党。年明け早々に首都高を900円にした挙げ句、増税へとひた走るどじょう民主よ。いつになったら高速道路はタダになるんだ！ 次の選挙は覚えてやがれ......。その前にETCを導入しよう。この日はオートバックス経由で帰ることが決定した。
で、肝心の波ですが、結論から言うとハズレ。駐車場から波は見えないが、先発隊の情報によるとJ's前が今日のベストスポットらしい。朝靄の中、ウエットスーツに着替えてポイントへ直行。
海の写真は......。撮り忘れました。失敬。
林道を通り抜けて、ビーチに到着。目の前に広がる穏やかな光景。サーファーは5人。時折押し寄せる、腿〜腹サイズのさざ波......。寂しさがこみ上げる。う〜ん、どう見ても当たりとは呼べない。しかし、片道5千円払った以上、なにがなんでも海に入る。そして、さざ波だろうが、なんだろうがぜったいに乗る。
9時、パドルアウト。入ってみると、意外と遊べる。サイズは小さいが、遊べる波はちょいちょいやって来る。引き潮は11時半。それまで粘るか、それとも一度上がって体力を温存するか。そう思いながら、OCEANSの二人を見るが、休憩する気配なし。行けそうな波は片っ端から追いかけている。さすがOCEANS。引き潮まで粘るご様子。じゃあ、俺も引き潮まで粘ろう。
11時半、引きいっぱい。人も増える。しかし、波は良くならない。OCEANSの二人、まだ粘る。じゃあ、俺も上がらない。
12時半、波は良くならない。人はさらに増えた。OCEANSの二人、まだまだ粘る。じゃあ、俺も上がらない。
そんなこんなで、13時まで粘って粘って、小波ながらもそれなりの満足度を味わう。グミでお腹一杯になったような気分......。ちょっと違うか。
で、メシ。E部氏御用達のメシ屋へ直行。
ここで、再びカルチャーショック。刺身定食、うにいくら付き、1,890円。うに＆いくらのボリュームに驚愕。痛風じゃなくて良かった。日本人で良かった、心からそう思える瞬間でした。
O田氏はあぶりしめ鯖を注文。目の前で炙るパフォーマンスに思わず拍手。千葉最高。
帰り道、ぼったくりアクアラインにふたたび乗り、オートバックスを目指す。16時半。夕陽がキレイだったので、海ほたるに立ち寄る。
夕陽を眺めながら、3千円払った甲斐があった、終わりよければすべて良し、などと自分に言い聞かせる。まあ、どんな環境にいてもマイナス要素は絶対にあるわけで。大切なのは、自分が置かれた環境でいかにポジティヴに楽しめるか、ってことに尽きると思う。アクアラインでぼったくられようが（自業自得ですが）、波が小さかろうが、文句を言わずに楽しみなさい、夕陽はそう俺に語りかけていた。
16時45分。悟りをひらく。心穏やかになったところで、ふたたびアクアラインに乗ってオートバックスを目指す。
17時05分。料金所でまた3千円取られて、朝7時の精神状態に逆戻り。くそ〜、どじょうの野郎......。
人生はメリーゴーラウンド。巡り巡って同じところに戻ってくる。悟りなどそうそう簡単にひらけません。