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小嶋享County Line Showroom代表元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。www.countyline.jpinspirationla.com

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小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。

www.countyline.jp
inspirationla.com

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カリフォルニア回顧録:アメリカから最も遠い国キューバ② 〜謎の政府関係者現る〜

2013.09.04

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前回の続き。

そもそも、キューバ渡航の目的はなんだったのか?

EXILEのパフォーマー、USAくんのライフワークである『DANCE EARTH』の同行取材でした。『DANCE EARTH』とは、USAくんが世界中を歴訪し、世界中の音楽やダンスを学びながら、言葉を超えた部分で交流し、自身のパフォーマーとしてのスキルを上げる、そんな素晴らしい企画です。言葉は通じなくても一緒に踊れば共感できる。そんなコンセプトのもと、DANCE EARTHの旅はキューバから始まりました。興味がある方は書籍やDVDをご覧ください。ダンス好きの人も、そうでない人も楽しめる、かなり濃い内容です。

メキシコシティから国際線に乗り、キューバの首都ハバナにある、ホセ・マルティ空港へ到着。キューバの革命家、ホセ・マルティにちなんだ空港名だとか。

入国審査を終えて、荷物を受け取り、空港を出ると、そこに待ち受けていたのは政府関係者と名乗る男。どうやら、彼が今回の取材に同行するようだ。
IMG_3225.JPG

この政府関係者(以下、ミスターX)、このおっさんが、なかなかの疫病神だった。

空港からタクシーに乗り込み、ハバナ市内のホテルへと向かう。滞在先はアンボスムンドス。ヘミングウェイが定宿にしていた有名ホテルだ。ヘミングウェイが愛用していた部屋は博物館として一般公開されている。未知なる国での数々の出会いに胸を膨らませ、テンションもグングン上がってくる。チェックインを済ませ、意気揚々と部屋を出ると。。

いきなり、雲行きが怪しい。

ホテルのロビーでミスターXと担当編集者が密談をしている。ホテルの外には青空が広がっているが、編集者の顔色は土偶のように暗い。どうやら、トラブルが発生したようだ。

「取材にはジャーナリストビザの申請が必要だから、役所へ行こう」。ミスターXの一言でその日の予定が強引に変更され、編集者と私は役所へ連れて行かれた。腑に落ちないが、ここはミスターXに従うしかない。必要書類に記入して、パスポートを渡す。そして法外な申請料金を請求される。スペイン語が堪能なコーディネーターに「キューバ入国の足跡が残るとアメリカに入れなくなるから、パスポートにビザスタンプを押さないように。絶対にっ!」と念を押して、しぶしぶパスポートを渡す。そして待つ。蒸し風呂のように暑い待合室で、ひたすら待つ。しかし、パスポートは戻ってこない。ミスターXに対する不信感だけが募っていく。

「おい、おっさん。俺のパスポートはどうなった?」とキレたいところだが、スペイン語が話せない。遠い昔、大学でスペイン語を学んだが、覚えている単語は「オラ(こんにちわ)」と「オチェンタイシンコ(85)」だけ。なぜか、数字の85だけが記憶の片隅に引っ掛かっている。人生は85点くらいがちょうど良い、たぶんそんな理由だろう。結局、愛しのパスポートが戻ってくることはなかった。次の日も、その次の日も。。。帰国日の朝まで。。。軟禁か? 無事に帰れるのか? 怒りのボルテージはオチェンタイシンコを超えていた。......to be countinued
IMG_3911.JPG