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小嶋享County Line Showroom代表元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。www.countyline.jpinspirationla.com

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小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。

www.countyline.jp
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読書の夏

2013.07.12

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最近、読書に凝っています。往復2時間の電車通勤。スマホばかり見ていると視力が日本経済のような右肩下がりになるので、なるべく本を読むようにしています。主に文庫本を読み漁っていますが、三連休を目前にとんでもない本に出会ってしまいました。

『冒険手帳』〜火のおこし方から、イカダの組み立て方まで〜

『冒険手帳』は1972年(41年前)に主婦と生活社が出版した元祖サバイバルブック。昭和40年代生まれの子供達の間でちょっとしたブームになりました。ある日、何気なく検索バーに『冒険手帳』と入力して、ENTERキーを叩いてみたら、なんと。文庫本で復活している(光文社)。即座にアマゾンで購入し、本日届きました。
IMG_5978.JPG
溯ること三十数年前。『冒険手帳』との最初の出会いは、脳みそのシワがまだ讃岐うどんの喉ごしのようにツルツルだった小学3年生の夏でした。人体図鑑に載っている女性の裸を見るために通い詰めた図書室で、何の気なしにページをめくり、目玉が飛び出るほどの衝撃を受けたのがこの『冒険手帳』でした。すぐに母親に懇願して買ってもらったのは言うまでもありません。人体図鑑も一緒に買ってもらいました。「あら、急に読書に目覚めたの?」と嬉しそうに微笑んだ母の笑顔が昨日のように蘇ります。親の心子知らず。子のスケベ心、親知らず。

文庫サイズになったとはいえ、その内容は相変わらず濃い。濃いっていうかエグイ。目次を斜め読みしただけで、その内容の濃さが分かります。

・マッチなしでも、火は十秒でおこせる
・粘土を使えば、羽をむしらなくても鳥は焼ける
・ウサギを焼くときは、葉のついた生木を用意する
・砂漠でも水は得られる
・みにくい虫ほどおいしい
・毒草 DON'T EAT
・ひそかに楽しむ手づくりの酒
・オヤスミ中の魚に夜討ちをかける
・ガの幼虫から釣り糸がとれる
・レジャーと実益をかねたハチ追い
・石器でヒゲを剃れるか

など。

極限状態で生き残るためのノウハウが凝縮された一冊です。今、改めて手にとってみると、子供向けの内容とは言い難い。むしろ、大人向け、もっと言うなら自衛隊の特殊部隊向け、のような気もします。ただ、子供でも取っつきやすいような挿絵入りで、その挿絵が『はだしのゲン』のような昭和の劇画タッチで、第二次ベビーブーマーの心をガッチリ掴んだ一因でもありました。

『冒険手帳』は冒険心をくすぐるサバイバル教本であると同時に、人間としての生き方の"根っ子の部分"に訴えかける重要なメッセージが込められているように思えてなりません。

よし、タフに生きよう。フィリップ・マーロウのように。寺門ジモンのように。無人島で一人生き残っていけるくらいに。