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草彅洋平(東京ピストル)株式会社東京ピストル代表取締役1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。www.tokyopistol.com/

トークのイチロー就活日誌

草彅洋平(東京ピストル)
株式会社東京ピストル代表取締役
1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。
www.tokyopistol.com/

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未曽有の就職氷河期の到来ですよ!(1)

2011.11.17

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はじめにこのブログを読む人を勝手ながら想定させてください。

年齢層は20代から40代くらい。クリエイティブに興味がある人たち。男女は問いません。いま就職活動中の人、フリーター、ニート、経営者、自営業者。普通に企業で働いている人たちも入ります。普通に働いている人は働きながら何かしらの現状への危機感を持っている人たち、例えば人生の改善点が見いだせない、現状の方向が分からない人たちにぴったりなアドバイスができるかもしれません。また個人資産を持っているわけでもない普通の人としましょう。なので、お金持ちの人たちのために書いたものではなく、ごく普通の年収600万円以下の人たちに向けた僕からのメッセージだとご理解ください。

 

さて、2007年からはじまったサブプライムローン問題と長引く不況、大震災の影響もあって、戦後最大の就職難が予想されると各紙がヨロヨロ書いていますが、日本政府の対策は遅れに遅れて、というか打つ手なしで、未だに暗雲立ち込めているのが現状です。

 

この状況下で、どこかでお金を毎月稼がねばならない若ものはマジで大変です。安定の収入を得るというのがいかに難しいことなのか。また安月給で数年間を耐え続けるというのも大変な苦行です。特に就活という人生初のSMプレイが本気で凹みますよね。若い時は自分に良い手札があまり揃ってないから、ネチネチと圧迫面接受けてしまうと単にやる気が失われ、うつ病患者を増やしてしまうだけな気もします。

 

でも実は若ものより、もっとツライ人たちがいます。

30代以上の小さな会社で働く人や、独立自営となったクリエイターの方々ですね。

何の後ろ盾もなく、数年先の展望もなく、徹夜や残業は当たり前。

どんな仕事も引き受けなければやっていけないので、膨大で多岐に渡る作業をシコシコ続けざるをえません。

未来ある若者に比べて、30歳代で先が見えない、というのは、かなりキツイものです。

30以降になるとお金が必要なわりにツブシがききません。

給料やギャランティーも高いと思われて周りから敬遠されてしまう。特定の高いスキルがないとフリーでも生きていけません。そして自ら周りの年収やステータスを見比べ、ともすれば自信すらなくして袋小路に迷いこんでしまいます。

 

ゲームで例えるのならば、20代は、アイテムとお金はないけれど、まだクリア時間に余裕があるEASYモードなのだと思います。体力や気力が充実しているからプレイヤーも強い。だから、そこそこの問題もどうにかクリアすることができます。

でも30代はNORMAL or HARDモード。EASYモードの経験値ですべて決まってしまう要素があります。しっかり修練を積んでいないと、VERY HARDモードもありえます。20代と違って無茶も一社会人としてできません。友人たちとの格差も当然出てくる。アイテムもお金も少しは手に入れましたが、現実も知ってしまいました。「この世は簡単にお金も名声もゲットできない」という事実をまざまざと思い知らされているワケです。

それに長時間プレイしてきたので、やや飽きてきた気配もあります。見るもの体験するものすべてが斬新だった20代と比べ、ものの考え方も固定化されてきてしまいました。だからこそ夢を見ることも難しく、現実問題として外見も肉体的にも陰りが見え始めてきます。

 

この話は、実は僕みたいな中小企業の経営者までも含まれています。

経営者といえども未来が約束されているわけではない。

いまはいいかもしれませんが、数年後のことは誰にも分かりません。

年商1億ぐらいの中小企業経営者で危機感をお持ちの方は日本にたくさんいるでしょうね。

特に311日の東北大震災のときの仕事が全ストップした数週間で、現実に気づいた人も多いと思います。

一生懸命作ってきたものが、あっという間になくなることもある。

そして何も将来が約束されていない。

そう僕らは痛感してしまっているわけです。

 

さて、では約束されている職業というものがあるのでしょうか?

大企業への就職、公務員や医者、弁護士などの国家資格を持っている職業が真っ先にアタマに浮かびます。

人事院が行った05年度の実態調査によると、民間企業で20年以上勤務した人の退職一時金と生涯に受け取る企業年金額の合計は1人あたり2980万円。これに対して国家公務員は、退職手当と上乗せ年金に当たる「職域加算」を合計すると、計2960万円といわれています。

この調査した「民間企業」というのは、従業員数が50人以上の大企業を指し示しています。

実際、僕の会社には退職金制度すらありませんし、周りのクリエイター系の友人たちが退職金をもらっている話など、あまり聞いたことがありません。

3000万円を短期間の純利で稼ぐ、というのは、フリーや中小企業ではなかなかできません。

と考えると、上記の高額な配当は正直羨ましく、やはり約束された職業だといえるのではないでしょうか?

 

そうです。実はこうした安定職についている人たちへの僕の羨望が、このブログを書かせる原動力になっているんですね。


話は次に続きます。