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Creator Blog

草彅洋平(東京ピストル)株式会社東京ピストル代表取締役1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。www.tokyopistol.com/

トークのイチロー就活日誌

草彅洋平(東京ピストル)
株式会社東京ピストル代表取締役
1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。
www.tokyopistol.com/

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[開店]三軒茶屋のBAR「ONSEN」

2012.05.08

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長らくブログを更新していなかったのですが、何をしていたのかというと...


就活をせずに


自分のお店を作っていました。



就活するよりも自分でやる方がいいや、と思ってしまうのは、よもや業なのでしょうか?

ブログのお題一つ満足に実践できない、我ながらハードコアな人生です。


昨年の12月、失意のヤケ酒を飲んでいるときに「もはや地元の三軒茶屋でお店でもやりたいなあ」とakiko saitoちゃんに話したら、三軒茶屋にweb会社の社長さんがバーをやっていたが、それを辞めようとしているので紹介したいといわれ、オーナーさんとお話しして意気投合。めでたくお店を引き継ぐことになったのがきっかけでした。

「お店をやりたい」と思いついたのは、あくまで飲みの席での話。

本職も忙しいし、別に飲食店で何か新しいことを考えていたわけでもないので、サクサク決まってしまうと意外と翌日はうろたえるものがありました。
酔った勢いに驚愕しつつ、軽はずみな自分を呪うよりは、


「まあ、やるしかない」


と夜には腹を決めるよりありません。

こうしてお店の設立が今年の3月頃にまとまったのでした。


開店の原資にはアテがありました。


別れた彼女と貯めていた結婚資金


です。


こちら先方の両親が非常に厳しい方だったため、「説得材料に二人で貯金して二人の決意を見せよう」と4-5年に渡って積み立てていた、なんとも泣けるお金です。

しかしながら、そのお金の彼女分は元カノの留学費用に消え、取り残された僕は全額飲食店開店に注ぎ込もうと決めたわけです。イタタ!
僕はマイナスの局面に落ちた時にお金を何に使うかが、その人の最大の特徴だと考えています。マイナスの局面で使うお金はある意味自傷行為であり、とはいえ、自傷行為する人の気持ちが他人に分からないのと同じように、その人しか分からない回復薬でもあるからです。

「ああやってみんな均衡を保っているんやで」

20代の頃、よく吉田さん(師匠)に、キャバ嬢やホストが深夜ドン・キホーテで多額の買い物をするのを見せてもらいましたが(なぜかやたら社会勉強という名目でドン・キホーテに連れてかれた)、不安定な精神を保つためにお金を使っている人たちがいる、というのは、僕には理解できる話です。まさに今回の僕はお金を使うことによって、自らを蘇生させようとしたのかもしれません。


「ひとりの作家を通観するのは、その作家の生きかたを学ぶためである。その生き方を学ぶ急所は、その生涯における危機をいかに作家がのりこえたか、のりこえそこなったのか、以外にない」(平野謙)


いつも文芸評論家の平野謙の言葉が身にしみていました。実際に昨年の僕は危機でした。非常に危機的な状況を乗り越えようとしたときに、飲食店という、傍目には事業的にも危険な選択肢を選んだ自分がいました。それは見る人から見たら本当にリスキーな行動です。

ギャンブルに例えるならば、僕は昨年から負け越して大敗している状況です。通常であれば、ここでお金を投入することは、選択肢としてありえません。熱くなっているため冷静さを失っているし、運がそもそもないわけです。通常であれば嵐が過ぎ去るまで、じっと耐えるよりありません。頭では分かっている。しかし男には理由ではなく、やらねばやらない時がある、という考え方が、僕はどうしても好きなのです。

お金は持っていても何も生み出しません。一般的な方々のお金の使い方を見ていると、家だとか車だとか、クリエイティブ・ドリーム的なものにお金を使っている気がしていました。そんな安定志向は前園風にいわせてもらうと「カッコ悪い」。やはり男なら誰か人のために場を作ったり、破滅に向かってひた走らなければなりません。今回のお店は、しいていえば自暴自棄な僕の集大成ともいえる勝手な作品なのです。

僕が危機をのりこえたか、のりこえそこなかったのか。
その答えは先の話なのでここでは捨て置きつつ、「のこえようとするための一手を打った」という事実(それも人の手を借りるでもなく我が身で)が面白いのではないでしょうか?


閑話休題。


さて、開店までのいろいろな経緯は省きますが、コンセプトと店名を「ONSEN」にしました。


IMG_7023.JPG


これは僕が温泉の本を出していること(『作家と温泉』)、温泉が好き、また詳しいこと、温泉関係者に知り合いが多いことから決めました。

もともと家で父親が温泉水を取り寄せて焼酎を飲んでいるのを見て、いいな、と思ったことが大きかったです。

年寄りの道楽、というのは簡単ですが、僕は実家の両親の趣味の良さに多大な信頼を寄せており、「ああ、これは年金生活者に流行る!」と確信するくらい、実際に温泉水がメチャ美味ったのは記憶に残っていました。

特に深夜に酔って家に帰り、コネクト○リー事件で一気に年老いた親父の温泉水を盗み飲むのが最高でした。

翌日朝の二日酔いの頭痛がなくなるのです。


二日酔いに効く&美味い。


これは実感として特筆すべき効能だと思います。

今回の温泉水専門店は、僕のお店が日本で、いや世界で最初の場となるでしょう。

僕は企画屋としてすでにあるものをコピーするのはキライなため、誰もやっていないという点からも温泉水バーに決めたわけです。


通常営業は日本・世界各地の温泉水を活用した料理と水割りをメインにバー営業。


貸切営業では合コンをまるでホームパーティーのように活用できる「混浴」。


男性客が女性客にご馳走する「男湯」。


お料理会や女子会をメインに活用できる「女湯」。


さまざまなクリエイターが一日店長をする「一日番頭」も用意しました。

「ONSENに行こうぜ」

そう、連れて行かれたら温泉水バーで、温泉に行く話をしっぽりするなんて、なんとも粋だと思うのですがね...


5月11日(金)、12日(土)にレセプションパーティーを開催し、13日(日)から通常営業です。

13日(日)は15時から僕が立っていようと思います。


ブログを読んでくれた奇特な人は是非遊びに来て下さいな☆


ONSEN FACEBOOK

住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-13-10

営業時間:20:00-5:00(無休)


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