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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日のレース@ポートランド

2009.10.10

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DSC00378.JPG "Everybody is a winner ! Right ?" ほぼ毎日走るようになったのが2007年の11月のこと。これまでハーフマラソンに10回出場して、ベストタイムも1時間45分台まできたので、そろそろフルマラソンにチャレンジしたいと思ってました。ところが昨今のランニングブームのために、締め切り期間のずっと前なのに、すぐに定員オーバーになり、最近はエントリーさえできないことも多いです。 今年1月フイナムメンバーで参加した「新宿シティハーフマラソン」あたりは、来年の大会はたった2日で定員オーバーになってるし。そこで目を付けたのが海外のレース。デビューのハーフマラソンもラスベガスだったので、個人的には海外の大会に対する抵抗もないし、ナイキ本社やアディダスUSA本社の取材で行き慣れた街であることからフルマラソンのデビューは「ポートランドマラソン2009」にしました。 オレゴン州ポートランドは昼夜の寒暖差が東京よりもあり、朝夕は冷えます。例年のフィニッシュラインの写真を見るとタンクトップにショーツのランナーが多かったけど、当日は手袋しているランナーもチラホラ。ロングスリーブにタイツでレースに臨むことにして正解でした。 今回も時差ボケで睡眠は不足気味。しかしながらスタートから14kmくらいまでは順調。目標4時間のペースメーカーと一緒に走ります。ところがここでアクシデントが発生。道路の陥没した穴に右足が入ってしまい、「グギッ」という感じで体勢が大きく崩れます。後ろを走っていた女性が大声を上げるくらいよろけたけど、なんとか転倒だけは免れました。このあたりは工業エリアで舗装状況がよくない。直径30cmほどの穴は、日本だったらありえないですね。 中間点の21km地点は2時間2分で通過。4時間のペースメーカーには少し遅れるも、「4時間20分くらいならゴールできるかな?」と走っていると、26km過ぎで左足のふくらはぎが痙攣を始める。去年のラスベガスマラソン以来、何度か経験していたので、走りながら足を刺激しつつ回復を待ったけど、いつもと違って全く回復しないばかりか、今度は右足のふくらはぎや両足のももの前側も痙攣し始めたので、さすがに止まってストレッチ。再度走り出すとSt.John's Bridgeに向かう急な坂道で再び痙攣が始まり、今度は腰から背中の筋肉も。ちなみに、この坂道は走ってる人より歩いてる人のほうが多かったですね。St.Jhon's Bridgから見る景色は本当にきれいでした。その後もペースを落としながら走り続けるも、30km過ぎくらいに、全く動けなくなりました。痙攣に加えて14km地点でひねった右足の足首は捻挫していて、大きく腫上がってます。ふくらはぎはみたことのないような形状に変形してるし。右足をかばって走り続けて、身体のバランスをおかしくしたようです。あと今夏から慢性状態になってる左足かかとの足底筋膜炎もひどく痛みます。 「もしかしたら今週日本に帰れないかも?」このときは本当にそう思いましたね。盲腸の入院で300万円もかかるアメリカの高額な医療費も頭をよぎったし。つま先部分を反対側の足で押さえつける施術でふくらはぎの痙攣は多少治まったので、とにかくゴールを目指すことに。レースに参加してから初めて歩くことになりました。ここから5kmほどは沿道から振舞われる干しぶどうやグミetc.を食べたり、サプリメントをもらったりが楽しみでした。35kmほどのところではオレンジが振舞われており、なぜかこれを食べると、身体の緊張がほぐれ、また走り始めることができました。アディダスUSA本社を横に見ながら、時速9kmほどのゆっくりしたペースで走り、この状態が41km過ぎまで続くも、また痙攣が再発。今度は右足がヒクヒクと、勝手に動く状態で、かなりの重症。ストレッチを施して、最後の300mほどはとにかく走って、遂にゴール。満身創痍という言葉が最適な状態でのフィニッシュでした。タイムは5時間2分。ゴールできたのは嬉しかったけどタイムは全く納得いかないですね。 完走メダルとフィニッシャーズTシャツを受け取り、無料マッサージの列に並んでいると、年の頃自分と同じくらいの韓国系アメリカ人女性に話しかけられました。"Everybody is a winner ! Right ?" (みんなが勝者でしょ?)って。多分自分は仏頂面してたんでしょうね。タイムは不満だし、身体中痛いし。そのときにレースの途中から楽しんでいなかった自分に気づきました。これからもレースに出場するつもりだけど、これからはタイムをあまり気にせずに、走ることを楽しもうかと。こっちの人は、本当に楽しんで走ってる人が多いです。 ちなみにポートランドマラソンですが、運営もスムーズだし、沿道の声援も暖かい素晴らしい大会です。でも「来年も出ます?」と聞かれたら、答えはNO! St.John's Bridgeに向かう急な坂道は二度と経験したくないです。 DSC00384.JPG ナイキFITドライのフィニッシャーズTシャツ。USAサイズの割りにタイトフィットなので、自分でもMサイズでした。レース当日や翌日は、これを誇らしげに着てる人を数多く見かけました。

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