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シガアキオスタイリスト97年、まだ若く鬼のように恐ろしかった蔡社長とメッケ隊の元、ハッスル(現ライノ)でアシスタント兼なんでも屋(人殺し以外)として過ごす。99年、約 1年半という業界では伝説のスピードで独立。06年、仏のようなスタイリスト古田氏らと共にチェルシーフィルムズ創設に携わる。しかし、根っからのB型の 故、集団生活は無理だとわかり、10年、office sixsenseを立ち上げソロ活動に入る。72年7月4日生まれ。現在2児のパパ。

シックスセンス

シガアキオ
スタイリスト

97年、まだ若く鬼のように恐ろしかった蔡社長とメッケ隊の元、ハッスル(現ライノ)でアシスタント兼なんでも屋(人殺し以外)として過ごす。99年、約 1年半という業界では伝説のスピードで独立。06年、仏のようなスタイリスト古田氏らと共にチェルシーフィルムズ創設に携わる。しかし、根っからのB型の 故、集団生活は無理だとわかり、10年、office sixsenseを立ち上げソロ活動に入る。72年7月4日生まれ。現在2児のパパ。

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ケミカルブラザース。

2007.09.11

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 先週末は草野球の試合が土日と連戦であった。結果は一勝一敗。いつも試合後にチーム監督であるスタイリスト古田ひろひこ氏よりその日の試合内容と結果、そしてMVPを決める「ピストルズ通信」略して“ピス通”というのが携帯メールに一斉送信されてくる。その日のピス通によると、日曜の試合でチームは75回の丸4年を迎えたそうだ。4年とは早いものであるが、それを締めくくる最後の試合、対三茶阪神タイガース戦でボクらは負けた。もしこの試合に勝っていれば勝負の戦績はドロー、借金なしで終われるはずだった。
そんな戦績からもわかるように、いつも勝って負けてのシーソーゲームを繰り広げてきたのだが、そもそもこの野球チームのテーマは“勝つな、楽しめ”である。「楽しむ」ことを絶対的な指標にしてきたから、この結果はむしろ出来過ぎとも言える。ただ勝つことのみに囚われれば、そこには必ず“歪み”が生じる。ゲームに参加できない者も出てくるし、友達とも呼べない強力な助っ人がそのうち必要になる。チームの基本スタンスは全員参加だ。どんなにヘタクソでも来れば必ず試合に出られる。
もちろんそれは出たい人はってことで、監督やボクらは試合に出ないでも早朝からグラウンドに赴く。すでにベンチから野次ることに楽しみを見出している。散歩途中のネット裏で観戦してるジイさんらと感覚はまるで一緒だ。ただ勘違いしないで欲しいのは、「古田監督」というだけあってわがチーム監督も基本「代打、オレ」タイプである。オレが投げて、オレが打ち、オレが胴上げされる日をいつか夢見ている。自称キャプテンのボクも同じ気持ちだ。だが、そこをぐっと堪える背中はさすが四十の貫禄。ちなみに明後日9月13日は、監督四十一歳の誕生日である。


ところで、ピストルズには以前優秀なエースピッチャーがいた(一応まだ在籍してるが)。いつも練習終わりのジョナサンで彼が口癖のようにつぶやいてたのは「チームで日本一を目指そう」だった。リーグにも属さないチームがいったいどう目指すのか。彼は本気だったが、ボクらは寝言にしか聞こえないので、聞こえないフリしてモーニングセットのトーストを頬張った。
そんなある日、彼は敵チームに寝返った。こともあろうに宿敵のタテジマ、三茶タイガース。理由は簡単で、リーグで優勝を目指すという思惑が一致しただけのこと。“勝って”進みたい彼にはピッタリだと思うし、そこにヨコシマな気持ちもない。まあバンドの解散や脱退ってそーゆーことだ。方向性の違いってのは如何ともしがたい。
ただ、ボクらをカチンとさせたのは、移籍早々彼が自ら勝負を挑んできたことだ。そりゃもう自分が抜けた穴の大きさ見せつけたろ、ってことでしかない。その試合、ボクらは気合で勝った。試合に勝ったというよりも、野次で勝ったというべきか。そりゃ、そーとー精神的に参る言葉をお見舞いしたのは言うまでもない。
同じく先日の日曜日、タイガースのピッチャーは同じく元エース。バッターはスタイリスト長友。彼らは元バッテリーであるが、キャッチャーをしていた長友のサインを無視した変化球に、捕球し損ねて親指を骨折するという事故があった。そのため長友は約4ヶ月間戦線離脱を余儀なくされたのである。いわば因縁の対決であるが、
「謙虚に、謙虚に」
そうブツブツつぶやきながらバッターボックスに入る長友にオトナの姿を見た。若くしてその心の境地、すでにオッサンである。まあ平均年齢からすればもう若いとは言えないチーム。テキーラ的なケミカル味はとっくの昔に卒業してる。ワインのような“神の雫”でナチュラルにユルくアガれるチームをこれからも目指そうと思う。


アメリカの生物学専門誌「Cell 9月7日号」の表紙に漫画家・荒木飛呂彦氏のイラストが採用。けっこうスゴイことだと思う。

 

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