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あぶデカ。
2008.06.11
のタカ&トシ、もとい、タカ&ユージが大口径のコルト・ガバメント片手に街中を疾走するのはテレビドラマの世界で、現実の日本でそんな光景に出くわすことは、たぶん無い。
ところで先日の秋葉原の事件だが、事件の本題はさて置いて気になったのは警察の対応だ。
連日のニュース映像の中でも特に衝撃的だったのは、やはり偶然現場に居合わせたという日本テレビカメラマンがデジカメで撮影した犯人逮捕の瞬間の映像である。あんなライブ映像というのは恐らく犯人が血まみれの日本刀片手に報道陣の前に現れた豊田商事事件以来の生々しさだった。
その映像の一部始終を見る限り、ボクは警官の対応にもどかしさを感じた。辺りに人が何人も倒れ、血だらけのナイフを手にした人間、人間というかもはやモンスターだが、そのモンスターを眼前にしても日本の警官というのは拳銃を抜かない。ここがアメリカならそんな危険人物は即座に射殺だ。
そして、その警官が泡食ってる間に群集の中から「撃て!」の声。その声に催促されて警官はやっとホルスターに手をかけた。しかも誰も「殺せ」とは言ってない。「足を狙え」と言ったのだ。その警官よりも周りの群集がよっぽど冷静だった。
高校時代の友人に警官になったヤツがいる。
卒業してしばらく、駅前に停めてたバイクに戻るとバッチリ駐禁の輪っかがはめられていた。当時はバイクの駐禁などありえないから一瞬驚いたが、すぐにそれがヤツの悪戯だとわかった。何故ならプレートの中に違反キップの代わりに「駅前交番に出頭しろ」ってメモが入ってたからだ。
すぐに爆音を轟かせながら駅前の交番前にバイクを横付けする。
「早くはずせよバカヤロー」
「派手なバイクだからすぐわかんだよ」
久々に再会するボクと新米警官。と怪訝な顔をする上司警官。構わず交番前で立話に花を咲かせた。ひとしきり喋ったあと、やっぱり気になるのは彼の身に着けてるその“物体”である。
「イイの持ってんじゃん」
そう言って、彼の腰にぶら下がったホルスターに触れようとすると、それまでの陽気な笑顔が一瞬で青ざめた。
「んだよ、ケチケチすんなよ」
とか言ってもダメだった(当たり前か)。なんでも警官自身も普段は手をかける事すら許されないらしい。そんな大事なもん引き出しの中にでも仕舞っとけやボケ、とか言ったかどうか覚えてないが、とにかくそんな事があった。
そんなわけで、日本の警官は拳銃を抜かない。悪いことじゃないと思うが、だったらイギリスの警察のように“伝統として拳銃を持たない”と言ってくれたほうがよほど潔くて美しい。
一生に一度出会うか会わないかの7人を殺したモンスターに拳銃を抜かない警官。彼らが何の躊躇もなく拳銃を抜く瞬間というのはいったいどんな時だろう。それは恐らく、ウルトラマンに出てくる巨大怪獣が渋谷に現れた時だ。ただその怪獣があんな小口径のピストルで倒れるのか知らないが。
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