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最後のマンガ展。
2008.07.02
数年前、友人からバスケに誘われ初めて訪れた神宮の体育館。
突然の誘いでボクはバッシュもウェアも全て彼からの借り物だった。それでいきなりフルコートバスケなどできんのか。そんな心配をヨソに練習は始まり、やがてチームに分かれ、試合が始まった。
ちなみにボクは部活のバスケなど経験したことがない。友達と放課後にやったストリートレベルだ。だからルールも曖昧。でも周りは見るからに上手そうなヤツらばかり、、、まるで気分は桜木花道だった。根拠のない自信だけはあったね。体力とか。そう、天才ですから。
でも結果、見事打ちのめされた。約2時間コートを走りまわり、息はあがり、震えて足も立たなかった。てゆーか視界が白く霞むまで(貧血で)自分を追いこむなんて大人になってしないだろ。ふつー。
そんな初めてのバスケで気になる人がいた。ボクよりも全然年上っぽいけど、坊主頭で、すごくバスケが上手くて、体が大きくて、スタイルもすごくきまってる。それが漫画家井上雄彦さんだった。
もちろん、ボクも漫画『スラムダンク』や『バガボンド』の大ファンだから名前はよく知ってたけど、その人自身というのはいつものお茶目な自画像の絵でしか知らなかった。それがまさか黒人プレーヤースタイルの大柄な男とは。ボクが想像してた漫画家像からは大分かけ離れていた。
それから今もそのチームでバスケは続けてる。しかし、なにぶん井上さんは超超超多忙な執筆生活を送ってるため、なかなかご一緒する機会は少ないですが。
で、その井上雄彦さんによる『最後のマンガ展』@上野の森美術館へ遅ればせながら行って来た。またいつもの野郎三人で。仕事終わりで急いで向かったから、閉館間際、てゆーかギリアウトだったんすけど入れて頂いちゃって申し訳ありません。
いや、すごかった。
氏が最初で最後のマンガ展に挑む、という趣旨は聞いてたけど、最後ってそんな意味もあったのか。つまりこれは宮本武蔵の最後、バガボンド最終話だ。そう言っていいような内容だった。
そーゆーストーリーを感じさせつつ、アート。井上雄彦氏の「漫画家」として、そして純粋な「絵描き」としての側面が両方垣間見れる素晴らしい展覧会だった。特に独特な水墨的世界観は、一緒に行った秋恒も感嘆するほどのもの。つまりは漫画も水墨画も白と黒だけの世界。それは相通じるものがあるのだなと実感。それと、生まれたばかりの武蔵、母に抱かれた子供の姿にボクは泣きそうになった。
しかし、これら作品群を短期間ですべて書き下ろしたというのは本当に驚く。その集中力たるや恐るべしだ。ファンならば、スラムダンクのその後を描いた「あれから10日後―」をご存知だろうか。
以前、井上さんがスラムダンク1億冊に感謝して、神奈川県の廃校の23枚の黒板にチョークで“あの日”から10日後のアフターストーリーを描いた。そしてその場所をファンに無料で開放したというイベントだったが、そのDVDに収められた製作過程から、氏の作品に対する情熱とファンに対する愛を感じた。今回も同じような、もしくはそれ以上のもの感じました。
そんなわけで、これはファンなら絶対見ておくべき。今週日曜までやってるそうなので是非。もっかい行こうかな。
誰かがアップしたやつ。ただ音のセンスが、、、消して見ると◎
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