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負の連鎖。
2010.08.14
ボクの生まれは1972年です。日本が戦争に降伏した日は1945年。てことは終戦の27年後に産まれたわけです。
御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機の事故からは今年で25年。けれどもあの事故、あの自衛隊のヘリで釣り上げられる少女の映像は、まるで昨日のことのように覚えています。
25年の歳月なんてのは38歳の大人からすればそんなもので、つまりボクが生まれた時、ボクと同じくらいの大人は、ボクの日航機事故の記憶と同じくらい、まだ昨日のことみたいに戦争を感じていたはずです。
そう考えると戦後65年といってもまだそんなものかという感じ。
ちなみにボクの生まれた72年というのはアメリカに占領されていた沖縄が日本に返還された年です。沖縄に嫁いだボクの姉の旦那さんが幼いころは、日本本土へ渡るのにまだパスポートが必要だったと聞きます。そういう人からすればまだまだもっと身近な出来事だったでしょう。
記憶に残る衝撃的な事件や事故というのはいくつかありますが、子供のころから順に記憶を辿っていくと、やはり中学生のころの日航機事故、それから高校生でベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、23歳で地下鉄サリン、阪神淡路大震災。そして911。いま十代、二十代の人はどのあたりから記憶にあるんでしょう?
10年前の911などもうこの仕事をしてたし、しかもNYにいました。当時、雑誌ポパイでコラムや定例のページをやっていて、黙ってNYに行って帰ってこれなくなったボクを担当編集がものすごく怒っているとメールで聞かされました。しかもあの騒動の中、ホテルで原稿のFAXのやりとりをしたのです。つーかこちとらそれどこじゃないんじゃボケ!というのが本音でしたが。
でもですね、そんなNYテロを間近で見てボクは思ってしまったのです。誹謗中傷を恐れず書くと「ざまーみろ」と。もちろん、あの事件で多くの人が命を落としました。あってはならない悲しい出来事です。だけども、広島や長崎でいったい何万人死んだと思っとんねんと。これまで一度も本国を攻撃されたことのないアメリカからすればあれが初めての経験だったはず。我ながら、残念なことに、悲しいことに、一瞬でも、そう思ってしまったんです。
でも、戦争って、そういう「恨みの連鎖」なんだと思います。
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