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入園。
2011.04.09
昨日は息子の幼稚園の入園式だった。
彼が産まれてからもうすぐ4年。産まれたばかりの頃、名前を呼んでも笑いも振り向きもしなくて耳が聞こえるのかよく心配した。よそんちの子とくらべて寝がえりもハイハイも遅くてよく心配した。
でも親のそんな心配をよそに彼は足の裏を地面に踏ん張っていきなりたちあがった。ハイハイを飛び越して四つん這いのへんな格好で歩いてた。たまにリビングでやるパパとママのちょっとしたケンカもよく飛んできて怒られる。地獄耳だ。むしろ感受性が高くてすこし大人。プレスクールのおばあちゃん先生もひとつ上の年少さんとがちょうどいいねと言ってた。
だからなのか、入園式も居心地が悪そうだった。決まったクラスの「ばらぐみ」の教室に入れと言われても入らなかった。みんなはお母さんのひざの上に座って先生の話を聞いているのに、泣いて僕の手をひっぱり外へ行こうと言う。だからママを残し、ふたりで外へ脱走した。手を繋いで、ダッシュで逃げて、近くの自動販売機でジュースを買って一緒に飲んだ。
「やってらんねえよなー」
「やってられないよねえー」
涙でカピカピになったほっぺで息子が笑う。それから肩車して幼稚園に戻ると鬼のような顔をしてママが待っていた。
でもそうしてやれるのもこれが最後だ。これからは毎日一緒にいてくれたママとも一日何時間かのお別れ。ジュースも飲めない。慣れない仲間ともうまくやってくしかないんだよ。
うす曇った天気の中、満開の桜の下でそんな入園式が終わった。天気のせいじゃなく式はどこか暗かった。その雰囲気は子供たちにも伝わってみえた。こんな状況にしちまってごめんと未来ある子供たちへ大人の僕が思う。
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