私たちアシックスはブランドスローガン「Sound mind Sound body」 という考え方を大切にしています。
―今回の世界陸上において、〈アシックス〉としてユーザーに最も伝えたいメッセージはどういったものでしたか?
福田睦美(以下福田): 〈アシックス〉として「東京2025世界陸上」をとても重要なイベントとして位置付けています。パフォーマンスランニングカテゴリーは弊社の売り上げの約半分を占めていますので、私たちのブランド価値を広く皆様に伝えることができる機会だと捉えていました。私たちが大切にしているブランドスローガン「Sound Mind, Sound Body」には、“カラダを動かすことがココロにも良い影響をもたらす”という想いが込められています。大会の前後を通して、「実際にカラダを動かしたい!」と感じてもらえるような体験を提供することが、この考え方の体現だと思っています。
大会に参加しているアスリートのサポートはもちろんのこと、今回のような世界的なスポーツイベントを通してアスリートの凄さやスポーツの魅力に触れることで、「自分もカラダを動かしてみたい!」「スポーツっていいな!」と思ったときに、そんな気持ちに寄り添えるコンテンツを用意しました。
そして体験した皆さんが「運動することは心にも繋がっているんだ」と感じていただけるように設計しています。そして、そういった想いを持ち帰って、誰かに共有してもらえたら嬉しいです。
―今のお話は〈アシックス〉が提唱している「Lifetime Athletes」という言葉にも繋がっている気がします。この言葉は個人的にとても気に入っており、トップアスリートだけでなく、すべての人々がレベル問わず日常生活においてスポーツを楽しむことは本当に素晴らしいと思います。
Fukuda: 私たちの長い人生には、いろいろなライフステージがあります。最近では、「スポーツ」と「カラダを動かすこと」を、あえて分けて表現することがあります。それぞれのライフステージによって、運動の目的は変わってくるからです。体力の限界まで一生懸命スポーツをするときもあれば、体力を増進したり、維持したりするためにカラダを動かすように、日常生活における運動は長い人生においてとても重要だと思います。そして身体的な健康だけでなく、心にも大きな影響を与えます。私たちは76年前からこうした考えで活動を続けてきました。
―日本人は男女とも平均寿命は世界トップクラスです。福田さんが話されたような考えが日本でも広まって、心身ともに健康な状態で年齢を重ねる人が増えるといいですね。
Fukuda: 特に女性はライフステージにおいてカラダを動かすハードルが男性よりも少し高い傾向があります。社内でもこの点が話題となり、各カテゴリーの担当者とともに、女性の運動参画の向上に向けて試行錯誤を重ねています。日常に寄り添えるブランドでありたいと思っています。