INTERVIEW: ウールリッチの本質を見失っていないところに魅力を感じる。
PROFILE
            中目黒にある「ジャンティーク」でのバイイング経験を経て、2015年に「フックドヴィンテージ」を開業。服・家具・雑貨を横断してセレクトし、直感と物語性を重視する感覚的な視点で魅力を発信している。
            
Instagram:@hooked_vintage
        
 
    確かな審美眼をもとに、オーセンティックなヴィンテージをはじめ、モードな香りの漂う古着や、デザイン性に優れた家具やオブジェなども扱う「フックドヴィンテージ」。このお店でバイヤーを務める安藤小葉さんがヴィンテージに惹かれるようになったのは、中学生の頃だったと話します。
「最初はミリタリーから入りました。あとはウエスタン系のアイテムも好きでした。地元は宮城県なんですが、古着屋が結構多くてよく通ってましたね。あとは当時通っていた英会話の先生も古着好きで自分でお店を開業したり、兄も同じくヴィンテージが好きだったりして身近にあったんです」
 
     
     
    そうしたエピソードにあるとおり、当時はミリタリーウェアやウエスタン系のアイテムを身に纏っていたという安藤さん。「ワーク系のパンツもよく穿いていました」と話します。日々、古着を軸にコーディネートをしつつも、どこかモードな印象のある着こなしが魅力的です。
「比較的、気温が低い地域だったので、アメリカの中でも東寄りのアイテムに惹かれました。ポップというよりも、割といまとトーンが変わらない感じです。カントリーなものも好きだし、モードも両方好きなので、最終的にそれが混ざってしまったんです」
 
     
    これまでにたくさんの古着に触れてきた安藤さんですが、フェイバリットに挙げるブランドのひとつに〈ウールリッチ〉が存在します。
「冬になるとよく着るんですよ、私は寒がりなので(笑)。ウールの素材感やアウトドアのディテールに惹かれて、バイイングをしながら『これいいなぁ』って思うと〈ウールリッチ〉で、『やっぱりそうだった』って納得するんです。ウールってものによって質感に差がある。しっかりと目が詰まってて、ペンシルバニアって本当に寒い地域だから、そうしたエリアの服っていう感じがするんです。店頭でもすごく人気で、みなさん〈ウールリッチ〉だから手に取るというよりは、タグを見ずにものに惹かれている様子が伝わってきます」
 
    〈ウールリッチ〉の魅力について、そんなことを語る安藤さん。そうした個性を引き継ぎながら、現代的なエッセンスを加えてデザインされる〈ウールリッチ アウトドアレーベル〉に対しては、どんな印象を抱いたのか気になります。
「本当にたくさんのアーカイブを見ながらデザインされているんだろうなということを感じました。そこに現代の技術を加えてつくられているから、ブランドの背景を知らない方々でも手に取りやすくなっている。10代後半の若い方でも着られるし、一方では年配の方にも似合う様子がイメージできます。〈ウールリッチ〉の本質を見失っていないところに魅力を感じますね」
 
     
     
    そんな安藤さんが気になるアイテムとしてセレクトしたのは中綿入りのフィッシングジャケットと、デニムで仕立てたランチジャケット。その着こなしもさすがの一言です。
「フィッシングジャケット、大好きで年中着ているんです。〈ウールリッチ アウトドアレーベル〉のアイテムは、ヴィンテージと遜色がないディテールに惹かれますね。アーカイブの魅力を消さずに、いかに現代的につくるかということを念頭に置きながらデザインされているのが伝わってきます。それでいてアウトドアだけじゃなくて、街着としての完成度も高いですよね。一方でランチジャケットは〈ウールリッチ〉の中では珍しいアイテムだと思って選びました。襟のボアを外すとテーラードジャケットみたいな雰囲気もあって、モードにも着られる。普段カジュアルな格好をするひとも、ハイエンドなブランドが好きな方でも楽しめるアイテムだなと思いました」
 
     
     
   
                                                             
	        
 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
        