DAY 2 周年イベントをハシゴする。
前日のお酒はほどほどにして、しっかりと睡眠できたという2人。今日も気合い十分で、「心斎橋パルコ」を巡っていきます!
VOU/棒 10th presentsXO 棒 -XrossOverVOU- TOUR(B1 POP UP SPACE)
「ずっと気になっていて、実物が見れるのがうれしい」と声を弾ませる竹田。彼が楽しみにしていたのは、京都でギャラリーとショップを構える「VOU/棒」のポップアップです。
いま、世間はスーベニアブームと言ってもいい。各地に、オリジナルのスーベニアをつくるショップや飲食店が生まれていますが、その火付け役の一端を担ったのは「VOU/棒」と言っても過言ではありません。どこにもない、そこでしか買えない小粋なスーベニアをつくりつづけて、10年目です。
Tsuneshige: 竹田と同じく、存在は知ってましたけど実物を見るのは初めてです。ガチすぎない肩の力が抜けた感じが本当にかっこいいなと思っていて。えっ、竹田の鴨川手袋めっちゃかわいい!
Takeda: しかも2000円アンダーです。そのキャップも常さんっぽい!
Tsuneshige: やばい、物欲が爆発してる。なんだろう、このセンスに溢れる感じ。ちなみにこのキャップ、ボディもオリジナルらしいです。
ー地方で、そういったスーベニアが売られているショップを巡ることはありますか?
Tsuneshige: あまり機会は多くないですけど、チェックはします。絶対に行くとしたら古着屋ですかね。その土地のファッション感とかがわかるような気がするし、都内よりも価格が優しめなので。
Takeda: フイナムでも以前、全国のショップを集めた物産展企画をやったんですけど、そのリサーチをしているときに全国にはおもしろい店も、ファッションも、まだまだ眠っているんだなと実感して。その筆頭が、ぼくにとっては「VOU/棒」だったんです。京都の店も、行きたい行きたいと思いつつ、まだ行けてないんですよね。ちょっと、ガチで買い物します。
2人がデザインに見惚れるのも納得で、実はオーナーの川良謙太さんは、京都の美術大学出身。そのため、デザインは川良さんを筆頭に、繋がりのあるアーティストたちが手がけているのだそう。その力を集結したプロダクトは、なんとも力が抜けていて、いい感じなのです!
info
2015年に京都にオープンしたショップ兼ギャラリー。オリジナルのプロダクトを販売するのみならず、アーティストたちの展示も頻繁に行われている。2024年には同じく京都に姉妹店となる「TAKI / 焚」がオープン。
IG:@voukyoto
買い物袋を両手に抱え、次に見学するのは、館内のいたるところに飾られる宮﨑あおいさんの写真たち!
宮﨑あおい特別写真展「これからのこと」PARCO Wall Gallery(1・2・3・14F)
「心斎橋パルコ」の5周年にいろどりを添えていたのが、「宮﨑あおい写真展」です。「心斎橋パルコ」の周年と同時に、宮﨑あおいさんも今年で生誕40周年。それを記念した写真展が「心斎橋パルコ」限定で開催されていました。
写真家・藤井保さん、クリエイティブ・ディレクターが箭内道彦さんという豪華布陣で撮り下ろした写真に、ついつい目を奪われる2人。
ーおふたりにとって、宮﨑あおいさんの思い出といえばなんですか?
Tsuneshige: 漫画の『NANA』がめちゃくちゃ好きなんです。その実写版に、宮﨑あおいさんが出演されていましたよね。映画も観たかったんですけど、原作が好きすぎるゆえに、どうにもあと一歩のところで観れてないです。あとは『おおかみこどもの雨と雪』。強く生きる母親役で声優をやられていて、その印象も強いです。
Takeda: 印象に残っている作品でいえば、映画『舟を編む』ですかね。
ー竹田さんは写真もお好きと伺いました。
Takeda: 編集者になったのは、写真が好きというのが大きくて。いまも月に1冊から2冊、写真集を買っていますね。写真展にもよく行きます。
ー好みの一枚はありますか?
Takeda: 個人的には、この写真が好みです。
Tsuneshige: いいよね、俺も好き。ちなみに、宮﨑さんは撮影現場でも、実際に編み物をしているらしいです。自分はこのページの右下、うつむき加減の宮﨑あおいさんがベストっす。
常重が眺めている冊子は、『月刊 風とロック(定価0円) 宮﨑あおい生誕40年記念特別号』。「心斎橋パルコ」にて限定配布されていて、少女のような面影を残す、大人な宮﨑あおいさんの一面を見ることができます。永久保存版!
10F-14Fは吹き抜けになっていて、見晴らし抜群。写真映えスポットでもある。
「パルコを広告する」 1969 – 2025 PARCO広告展(PARCO GALLERY 14F)
見た瞬間にドキッとさせられたり、考えさせられたり、単純にかっこよかったり。「パルコ」がこれまで生み出してきた広告は、ファッションやデザインのみならず、社会にまで影響を与えるセンセーショナルなものでした。
そんな歴史に残る広告を「パルコを広告する」と題し、11月の5 周年期間に合わせて展示されていました。
Tsuneshige: 見たことあるものばかりが並んでますね。それだけ印象的なものをつくりつづけてきたんだなと。
Takeda: チャック・ベリーがギターを弾いてるこの広告は、かっこいいですよね。やっぱり井上嗣也さんがアートディレクションしてる作品はどれも最高です。
Tsuneshige: いつもドキッとさせられてきましたし、いち編集者として勉強になりますね。
Takeda: ジェリー・ガルシアもいますね。
Tsuneshige: キャスティングも、いまでは考えられないひとが出ていますよね。関わっているひとも、トップのクリエイターたち。これを商業施設の広告にできるのがすごいなと思います。ファッションと関係ないものも多いし、なんの広告かさえもわからないというか。
Takeda: いまは良くも悪くも、すぐに数字に反映される分かりやすいコンテンツの方が受け入れられやすいじゃないですか。でも、後に残るのはこういう広告なんだなと。
Tsuneshige: じっと見て、考えなきゃいけないものより、直感的にわかるものってことね。
Takeda: そうですね。でも「パルコ」の広告はそうじゃない。ちゃんと考えなきゃ意味がわからないし、服がきれいに写ってるかどうかの話ではなくて、写真とキャッチでその時々のムードを表現しているように見えます。ビジュアルを通して、時代をつくっていこうという姿勢がやっぱりかっこいいです。
無数の広告が世にはびこり、コンテンツも無限にある昨今。その巨大な海の中で、目に止まり心に残る広告とはどういったものなのか。その答えが、この展示にあるような気がしました。
展示自体は終了してしまいましたが、現在「心斎橋パルコ」ではその原点に立ちかえるべく、クリエイティブを強化中。5周年のクリエイティブでは、レイナ・オガワ・クラークさんをクリエイティブディレクターとして迎え、アートディレクターに坂脇慶さん、写真家にロンドンで活躍するJoyceNG.さんなどの布陣で、鮮烈なクリエイティブを生み出しました。そちらもぜひ、チェックしてみてください。
関西圏ではエスカレーターは右側に立つのがあたりまえ。※撮影時は特別な許可をとって、左側に立って撮影しています。
FRAGMENT UNIVERSITY 藤原ヒロシの特殊講義 非言語マーケティング
歩きに歩き、たくさんのものを見てきた2日間を締めくくるのは、藤原ヒロシさんの特別講義です。開業5周年を記念し、大阪では初開催となる「FRAGMENT UNIVERSITY」です。
2年前からスタートし、現在は不定期で開催されている「FRAGMENT UNIVERSITY」。裏原文化を牽引し、いまなお多くのヒットを生み出す藤原さんが、どういった視点でものごとを見ているのかを見聞きできます。藤原さんの頭を覗き知ろうと、会場は招待された大阪の学生たちで、会場はいっぱいに。
講義序盤は都市伝説の話からでした。いま話題の「きさらぎ駅」からはじまり、次は「すべての鳩はドローンである」という都市伝説まで。10年前にアメリカで大流行したそんな言説から、大資産家であるロスチャイルドの話にもおよびました。そこからファッションの話へと展開していき、参加者たちはみな釘付け。タリン・サイモンなど、藤原さんお気に入りのアーティストたちも、ストーリーとともに紹介されていきます。
最後の締めくくりは、1990年代の「渋谷パルコ」の思い出話。当時は「渋谷パルコ」の隣が広場のようになっていて、いまではレジェンドと呼ばれるようなひとたちがフリマをやっていたのだとか。
あまりにもかっこよく、かつ売れるものだから、そこから何店舗かが「渋谷パルコ」に引き抜かれたとか、いないとか。
info
2023年にはじまった、藤原ヒロシさんによる特別講義。独自のインプット術、発想術、コラボ術、それらを「非言語マーケティング」と題し、若い世代に伝えていくプロジェクト。現在は不定期で開催中。
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