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光を見つけに行く道具——長場雄とRICOH GR。
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光を見つけに行く道具——長場雄とRICOH GR。

カメラを持つと、積極的に世の中を見るモードになる——そう語るのは、アーティスト、イラストレーターの長場雄さん。20年前に一度手にし、また最近手にしたのが〈リコー〉の「GR」。今年、フィルムのGR1から30周年を迎えるカメラについて、長場さんが語る、その魅力と日常にもたらした変化とは?

  • Photo_Ari Takagi
  • Edit&Text_Shinri Kobayashi

PROFILE

long, protruding male (e.g. Tokugawa's)
アーティスト、イラストレーター

シンプルかつモノトーンのラインで対象の核心を射抜く独自の作品は、国内外で高く評価されている。広告、書籍、ブランドコラボレーションなど幅広く活動。

RICOH GR IV ¥194,800
1996年にフィルムのGR1が誕生し、今年で30周年を迎える「GR」シリーズ。この「GR」の歴代シリーズが磨き上げてきた「最強のスナップシューター」としての哲学を継承しつつ、イメージセンサーと画質処理エンジンを一新。ポケットに収まる圧倒的な携帯性、小ささゆえの機動性、起動からシャッターを切るまでの速写性、日常の何気ない光景をドラマチックな一瞬へと昇華する描写力など、ほかのカメラにはない「GR」だけの魅力がある。

GRとの出合いは20年前。

── (長場さんが撮影した写真を拝見しながら)ドナルド・ジャッドの展覧会にも行かれているんですね。現代アートはお好きなんですか?

割と好きで、展覧会もよく行くんですが、作品のなんかかわいさとか、ぐっと来た感覚をまず大切にして、その奥にある文脈をさらに読み解いていくと結構面白いよね、みたいな。ものと通ずるものがあるというか。「かわいい」から入って、そこから掘り下げていく感じかもしれないですね。

── ファッションにも似た一面がありますよね。物自体の良し悪しもありつつ、ブランドの歴史や文脈を踏まえて、それを着るかどうかとか。

靴や時計が顕著かも。めんどくさいなと思いつつも、そういうことまで含めて楽しむゲームみたいなものかもしれない。

── 長場さんのお持ち物で、ものから背景を知る楽しみがあるというものはありますか?

メガネがそうかも。顔のど真ん中に来るので印象が変わるし、いろんな種類を持って気分で付け替えているんですが、今好きなのが「フレームフランス」と呼ばれる、1940〜50年代のフランス製のメガネです。日本でいう鯖江のような産地のブランドが生まれる前の時代で、今では作れないアセテートが素材だったり、当時のデザインには奇抜なものもいっぱいあったりする。でも今でも使えるデザインのものがあるのが面白くて、ちょっと今集めていますね。

── 買い物をするとき、リサーチはされるほうですか?

リサーチしなくはないんですけど、そこまでは、という感じで。たとえばヴィンテージの眼鏡だったら、「あのお店に置いてあるよ」って聞いて、気になってとりあえず1本買ってみる。お店のひとと話しながら情報を得て、そこから色々調べていく感じです。手に入れてから考えたくなっちゃうというか。

── お店や周りの”ひと”からおすすめされたものを買うことも?

それはすごくありますね。気になって、試してみて、よければ長く使うし、ちがったらちがったな、みたいな。結局はひとに聞くのが一番いいなって。自分と好みが重なるひとがすすめてくれるなら、間違いないだろうという信頼感もあるので。

── 「RICOH GR」の場合はどうだったんですか?

初めて手にしたのは、もう20年くらい前ですね。ヨーロッパに旅行に行くタイミングで、グラフィックデザイナーの友人に「携帯性があって、気軽に撮れるよ」とすすめられて、GR DIGITAL IIかGR DIGITAL IIIを買った記憶があります。当時はスマホもなかった時代で、デジカメと携帯を両方持ち歩くのがスタンダードでしたね。フィルムがだんだん落ち着いてきて、デジタルを買い始める、そういう時代でした。

── その後も使い続けていたんですか?

その旅行のときもその後もよく使っていたんですが、だんだん使わなくなって。次にデジタル一眼を買ったんですけど、重くて結局撮らなくなるんですよね。「しっかり撮らなきゃ」って構えちゃうので、撮るのに勇気がいる感じもするし。

── 周りの反応もありますしね。

そうそう。その後、コンパクトなフィルムカメラを買って。よかったんだけど、今度はフィルムが高すぎて、気軽に撮れないなと出番が減っていって。インスタントカメラも買いましたよ。写真家のウィリアム・エグルストンが好きで、彼がインスタントカメラで撮った写真集を出していたので、その影響で。

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