ハワイの自然の色合いや伝統文化をプロダクトへ。
ーハワイのカルチャーは洋服のどういう点に投影されていますか?
Onodera:わかりやすいところだと、色味に大きく表現されていると思います。例えばセージグリーンのアイテムはハワイの植物から来ていますし、グレージュは火山が多い土地ならではの地面の色を表しています。
ーなるほど。ハワイの自然にある色味をプロダクトに採用しているんですね。
Onodera:はい。色へのこだわりについては、生産する私もちゃんと理解しておかなくちゃいけないので、実際に現地でジョセフやナパリと一緒にフィールドワークしながら教えてもらっているんですよ。色味からデザインまで含めてハワイと紐づいていることを意識しながらディレクションを進行していますね。だからシーズンコンセプトによってアイテムがガラッと変わるようなことにならないんです。
ー一方でハワイのカルチャーがデザインに昇華されているものはありますか?
Onodera:例えば、このカットソーにあるラウアエというハワイアンキルトのグラフィックが代表的だと思います。この柄はジョセフの親戚がやっているキルトカンパニーの〈ポアカラニキルト〉のものなんですが、ハワイアンキルトは日本で言う家紋のような存在でパテントがあったりするんですよ。そこをオフィシャルでしっかりとつくり込んでいるというのが〈サルベージ パブリック〉ならではだと思いますね。あとは、今日私が着ているアウターにあるように、ハワイ語と英語をミックスさせたメッセージをデザインに落とし込んでいます。わかりやすいところだと、ハイビスカスやナウパカといった植物をグラフィックにしているアイテムもあります。
ーまさにハワイのカルチャーがプロダクトに落とし込まれているエピソードですね。
Onodera:それこそが〈サルベージ パブリック〉のアイデンティティです。実際にジョセフは地元ですごくリスペクトされている人物で、彼に憧れている人もハワイでは多いんですよ。ブランドのショップはカカアコというエリアにあって、ハワイで1番カッコいいくらい。それだけスタイルがしっかりしているんです。
ー今後〈サルベージ パブリック〉はどのように展開していく予定ですか?
Onodera:ハワイのライフスタイルを提案するブランドでもあるので、サーフなどの側面も大いにありつつ、ハワイの気候やロケーションに合うウェアを各種展開していくと思います。昨年からはゴルフラインもスタートしましたし、ビーチライフ一辺倒ではなく多様にラインが分かれて、そのシーンに応じたスペシャルなプロダクトをつくっていくと思いますね。それが自然と実現できるのが〈サルベージ パブリック〉の面白さだと思います。