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【FOCUS IT.】京町屋に融合するスタジオ ニコルソンのミニマリズム。ニック・ウェイクマンが語る、京都の新店舗と自身の話。

生地へのこだわりやミニマルなデザインで人気を集める英国発の〈スタジオ ニコルソン(STUDIO NICHOLSON)〉。その国内3店舗目が、今年3月に京都にオープンしました。日本好きとしても知られるデザイナーのニック・ウェイクマンさんは、どんな想いでこのお店をつくったのか。パーソナルなことから今季のアイテムのことまで、気になるあれこれを本人に直接聞いてきました。

  • Photo_Shimpei Hanawa
  • Edit_Kazuki Sakaguchi

  • PROFILE

    ニック・ウェイクマン

    イギリス生まれのデザイナー。「チェルシー・スクール・オブ・アーツ」のテキスタイル・デザイン科を修了。〈ディーゼル〉〈マークス&スペンサー〉で経験を積んだのち、2010年に〈スタジオ ニコルソン〉を立ち上げる。17年秋冬からメンズラインをスタート。


    京町屋の伝統美を活かした新店舗。

    long vowel mark (usually only used in katakana)京都店のオープンおめでとうございます。青山店、「渋谷パルコ」店に続く、日本国内3店舗目です。今回、なぜ京都を選んだのでしょうか?

    京都が好きだからというのがいちばんの理由です。ビジネスの面でいうと、いまお店があるロンドン、パリ、東京、ソウル、上海のように、世界中からひとが集まる都市に出店したいと思っていました。そのなかで関西エリアへの出店を2年前から視野に入れていました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)京都のどういったところが好きなんですか?

    この物件のような日本らしい趣きの建造物がたくさんあるところです。それに、歩いていろいろ回れるコンパクトさもいいですよね。

    long vowel mark (usually only used in katakana)この物件を選んだ決め手があれば教えてください。

    ここは、もともと貴金属工房として使われていた歴史のある建物なんです。この京町屋のたたずまいがとても気に入って、直感でここだ! と思いました。市内の中心部でひと通りが多いエリアでありながら、メインの通りからは一本奥に入っていて落ち着きも感じられるというのも決め手でした。

    long vowel mark (usually only used in katakana)店づくりはどのように進めましたか?

    設計は、100年以上の歴史を持つ地元の工務店に依頼しました。彼らは京町屋のことを熟知しているので、梁や木造構造などの伝統的な魅力を残しながら改装してくれました。内装デザインは、青山店も手掛けたブランドの哲学をよく理解する方にお願いしています。世界中の家や建築を参考にしたムードボードを渡して、それを元につくり上げてもらいました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)不思議と〈スタジオ ニコルソン〉らしいミニマルな美学も感じられます。

    内装に使っている素材は世界中のどの店舗も共通なんです。服と同じように内装においても素材にこだわっていて、優しいトーンの木材、ステンレススチール、あたたかみのある色のコンクリート、白タイルを使うようにしています。だから場所は違えど、自然と〈スタジオ ニコルソン〉らしい空間になっているんだと思います。

    long vowel mark (usually only used in katakana)お店のなかで気に入っている場所を教えてください。

    表の暖簾や、ミニマルな階段、ここが貴金属工房だった頃から使われていた桐箪笥など、挙げたらキリがないですが、2階の剥き出しの壁が特に気に入っています。本来は隠す部分なのですが、断熱材とそれを覆う竹組みの見え方がとても素敵だったので、あえてそのままにしました。いわゆる現代の家屋で使われているような断熱材ではなく、泥や藁を混ぜている質感がよくて。

    long vowel mark (usually only used in katakana)店内をやわらかく照らす提灯も印象的ですね。

    これは伝統的な技法でつくってもらった京都提灯で、一般的な提灯は一本の長い竹を螺旋状にしてつくるのに対し、一段につき一本の竹が使われていてその分手間がかかっているんです。実はなかに音響システムを内蔵していて、スピーカーとしても使っています。


    日本はインスピレーションの源。

    long vowel mark (usually only used in katakana)ニックさんはよく来日されていますよね。今回で何度目の来日なんですか?

    1999年から毎年3、4回来ているのでもう100回は超えています。それでも飽き足らずに来続けています。京都店をオープンしたことで、こうしてまた来られてうれしいです。

    long vowel mark (usually only used in katakana)100回以上も、、! なぜそこまで日本が好きなんですか?

    初めて来たとき、どこもかしこも入念に手入れが行き届いていることがすごく印象的だったんです。すべてのものが、細かい部分にまでクレイジーなほど気が遣われていますよね。街の至るところにあるネオンサインも新鮮に映りました。当時のロンドンは汚くてみすぼらしい街だったので、とても感動したのを覚えています。それ以来日本の虜です。

    long vowel mark (usually only used in katakana)日本に来たら必ず行く場所はありますか?

    友達がやっている居酒屋「なるきよ」に行きます。おいしくて雰囲気もよくて、お気に入りの場所です。あとは、時差ボケ解消のために「明治神宮」に散歩に行きます。

    long vowel mark (usually only used in katakana)ほかにも定番の過ごし方があれば教えてください。

    ショッピングモンスターなので、ヴィンテージの服をいつも爆買いしています。それが服づくりのインスピレーションの元になるんです。あとは人間観察も好き。

    long vowel mark (usually only used in katakana)Before,学ランをモチーフにしたコレクションがあり、着眼点がユニークだなと思いました。人間観察においては、ファッションを見られているんですか?

    もちろん彼らがどんな服を着ているかも注目していますが、彼らの生活を想像するのが好きなんです。どんな性格で、何が好きで、どういう家に住んでいるのか。そんなことを考えながら街の人々を観察しています。そこからクリエイションの着想を得ることもあります。

    long vowel mark (usually only used in katakana)服づくりの過程で、日本の生地メーカーや縫製工場との関わりはありますか?

    日本製の生地を使うことも多いです。私は生地を何よりも大切にしているので、日本のメーカーの生地はクオリティが高く頼りにしています。縫製においても3つの工場にお願いしていて、それぞれデニム、カットソー、シャツとソックスを縫製してもらっています。


    音楽のない人生は考えられない。

    long vowel mark (usually only used in katakana)続いてパーソナルなことも伺いたいのですが、日常に欠かせないルーティンや物事があれば教えてください。

    ルーティンで言えば、朝の犬との散歩は心を安らかにしてくれるので大切です。クルマが大好きなのでドライブも好きですし、友人関係も欠かせません。心を許せる友人はもはや家族みたいなものです。

    服で言うと、いまも穿いている〈スタジオ ニコルソン〉の「RISOデニム」は毎日穿いています。もう何本持っているか分かりません。このサンダルも欠かせないワードローブのひとつで、いつも履いています。

    long vowel mark (usually only used in katakana)「Modular Sounds」というプレイリストをSpotifyandWebsiteで公開されていますが、これはどのような取り組みなんですか?

    「Modular Sounds」は、コラボキュレーターを招いてプレイリストを作成してもらう取り組みです。プレイリストというのは、単なる連続して再生される音楽ではなく、キュレーター自身の美意識や思考を映す窓だと思うんです。これまで、俳優のキリアン・マーフィーやミュージシャンのハニャ・ラニなど、さまざまなクリエイターとコラボしてきました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)たしかに第一弾として公開されているニックさんのプレイリストからは、〈スタジオ ニコルソン〉らしいミニマルな美学が感じ取れます。ニックさんにとって、音楽とはどんな存在でしょうか。

    音楽のない生活は想像できないほど、大事なものです。音楽は、現実から抜け出して夢見ることや想像することを手助けしてくれます。音楽を聴いているときはいつも、ひとがダンスしていて服が揺れるのを想像するんです。それが、服づくりのインスピレーションになっています。

    long vowel mark (usually only used in katakana)普段はどんな音楽を聴きますか?

    レディオヘッドの大ファンです。特にトム・ヨークのつくる音楽が好きで、ほぼ毎日聴いています。日本のアーティストでいうと、電子音楽家のShinichi Atobeは最高。現代クラシックもよく聞きますね。あとは、映画のサウンドトラック。最近だと『ブゴニア』のサントラが素晴らしかったです。『バベル』のサントラもお気に入りで、単なるBGMではなく感動を与えてくれるような音楽が好きなんです。


    素材へのこだわりが引き寄せた、エシャペとのコラボ。

    long vowel mark (usually only used in katakana)2026年春夏コレクションは、どのようなことをテーマにデザインしましたか?

    今季のテーマは「REALITY IN TOUCH ‐ 触感と余白のエフォートレス」です。軽やかな素材や質感を通して“どう見えるか”ではなく“どう感じるか”を重視し、身体に自然になじむ服づくりを探求しています。トレンドや他者の視線に左右されるのではなく、自身の経験や価値観を基準に服を選ぶ人々へむけたコレクションです。

    long vowel mark (usually only used in katakana)ビジュアルは吉祥寺で撮影されていましたよね。

        

            
        

        

            
        

    知り合いが何人か住んでいて、吉祥寺というエリアを知りました。実際に行ってみると、日本の日常生活というものを想起させてくれるような街並みに惹かれました。都心ではなくて、少し離れた閑静な住宅街というのが、ブランドの哲学に合っているように感じて、ここでシューティングすることにしました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)〈スタジオ ニコルソン〉といえば、生地へのこだわりがクリエイションの根底にあると思うのですが、今季はどんな生地にフォーカスしましたか?

    レザー風のコーテッドコットンです。いまトレンドのレザーはブランドとして重視する素材だったのですが、アニマルライツの観点からレザーを着たくないひともいるかもしれない。だからサステナブルな代替素材としてコーテッドコットンをレザー風に仕上げました。ポリウレタンでコーティングしているので、ワックスと比べ耐久性も耐水性も高いんです。メンズでいうと、この「OVER JACKET」に採用しています。

    long vowel mark (usually only used in katakana)2026年春夏コレクションのなかで思い入れの強いアイテムがあれば教えてください。

    この「METER JACKET」は今季のキーアイテムです。イタリア製のウールとコットンをミックスした素材でつくっていて、ツートーンの生地ならではの奥行きが魅力です。カラーとポケットに取り入れたレザーがアクセントになっていて気に入っています。

    あとは、このシャツも大好きです。リヨセルとシルクをブレンドしていて、生地が揺れる様子が美しいんです。細かなストライプ柄もお気に入りです。

    long vowel mark (usually only used in katakana)京都店のオープンを記念した〈エシャペ(Échapper)〉とのカプセルコレクションも素敵ですね。

    ありがとうございます。シルクのパジャマセットアップ、リネンのガウン、レザーのルームシューズの計4型を製作しました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)どのような経緯でコラボすることになったんですか?

    コラボレーションはいつも、わたしがそのブランドの商品を買うところから始まります。今回も同じで〈エシャペ〉のタオルを買ったことがきっかけでした。モノのよさに感動してブランドのことを調べるなかで、素材や染色へのこだわりを知り〈エシャペ〉のことが好きになっていきました。そこで、ディレクターの久﨑さんにメールを送ったんです。連絡を取り合うなかで、久﨑さんが京都好きだったこともあり、京都店のオープンに向けてなにか一緒につくろうということになったんです。

    今回〈スタジオ ニコルソン〉らしいシルエットと、〈エシャペ〉の強みである天然染めを合わせるという形でコラボを実現しました。ログウッドを染料にした、〈スタジオ ニコルソン〉のシグネチャーであるブラックに近いダークネイビーに仕上がり、とても満足しています。

    long vowel mark (usually only used in katakana)もともとウィメンズウェアから始まり、メンズウェア、バッグと着実に領域を拡張してきました。今後注力しようと考えているカテゴリがあれば教えてください。

    ホームウェア領域に力を入れようと思っています。家で過ごす時間も外出するときと同じくらい美しいものを身に付けるというのは、素晴らしいことだと思うんです。外だけでなく家でも〈スタジオ ニコルソン〉の服に袖を通してもらえたらうれしいですね。そういった意味では、今回の〈エシャペ〉とのコラボレーションではまさにつくりたいものがつくれました。

    long vowel mark (usually only used in katakana)最後にひとことあればお願いします!

    京都店はコンパクトですし、商業性の強いエリアにあるわけではないので、地元のひととの繋がりや繊細さを大切にしていきたいです。

    INFORMATION

    STUDIO NICHOLSON KYOTO

    住所:京都府京都市中京区寺町通蛸薬師下る円福寺前町268
    電話:075-708-6602
    Hours: 11:00 - 20:00

    Official Site
    Instagram

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