「Destination Unknown(行き先不明の旅)」を掲げ、ディレクターのMei Yongが旅した土地を毎シーズンのテーマに掲げているLiberaiders.。混沌とした時代だからこそ、自ら旅に出て、世界を認識していくことを大切にしています。
26年秋冬コレクションのテーマは、ヒッピーカルチャーの聖地・サンフランシスコ。シーズンのローンチにあたり、Mei氏に今シーズンについての想いを語ってもらってもらいました。
―サンフランシスコを今シーズンのテーマにしたきっかけを教えてください。
自分は西海岸の音楽やサーフィン、スケートには大きな影響を受けていて、90年代から毎年カリフォルニアへ通っていました。日本ではロサンゼルスばかり注目されがちですが、自分からするとサンフランシスコこそカルチャーや歴史が息づく特別な街だったんです。年齢を重ねるなかで街の背景や文化を知り、自由、反戦、愛、そして創造性が渦巻いたヒッピーカルチャーを掘り下げ、当時の若者たちが示した「平和を信じる力」を見つめ直したいと思うようになりました。混沌とした世界のなかで、過去のカルチャーから未来を考えるきっかけをつくることこそ、ブランドの存在意義だと信じています。
―サンフランシスコに対する思い入れを教えてください。
反戦運動やヒッピーカルチャーの聖地という歴史はもちろんですが、サンフランシスコ・サウンドの街という印象が強いです。グレイトフル・デッド、ジャニス・ジョプリン、サンタナ、ジェファーソン・エアプレーン、ドゥービー・ブラザーズ…挙げたらきりがありません。ロックは自分にとってもブランドにとっても欠かせない要素です。
今回訪れたのは友人の結婚式以来、12〜13 年ぶりでした。改めて街を歩いて感じたのは、あの坂だらけの街でスケートをしたり、ピストで走ったりするひとたちの自由さ。歴史ある街並みのすぐ隣にハイテク産業があり、新旧が自然に共存している。その空気感も含めて、本当に魅力的な街だと思っています。
―ファッションの観点から見たサンフランシスコの魅力は?
ヘイト・アシュベリーのようなカルチャーの発信地があり、スケートショップやヴィンテージショップに集まるひとたちは、ヒッピーだったりスケーターだったり、それぞれが自分のスタイルを自然に楽しんでいて洒落ています。サンフランシスコは物価が高く、大きな家を持つひとは多くありません。でも、そういう街ほどファッションやライフスタイルで自分を表現しようとするひとが多い気がするんです。そんな自然な自己表現の空気に惹かれます。
―最後に、ブランドを運営する上で大切にしていることを教えてください。
ストリートカルチャーの黎明期をリアルタイムで経験して、この業界も30年以上になります。ですが、いまでもフレッシュなことをやりたいし、ブランドには常に新しい空気を入れていたい。ヴィンテージとハイテク、ストリートとアウトドアなど、異なるものを掛け合わせながら、「◯◯っぽい」ではなく、自分たちらしいオリジナルを追求したいと思っています。
トレンドを追って商品を作る時期もありましたが、それでは全然面白くなかった。そんな早いサイクルで消費されるものを、本当にカルチャーと呼べるのかという思いもあります。だからいまは、自分が本当に着たいと思えるものだけを作ることを大事にしています。今回も展示会に出さなかったサンプルがあるくらい、納得できたものだけをコレクションに残しました。この歳になって、先を考えすぎるよりも今を楽しむことの大切さを改めて感じています。好きなことを仕事にできている環境に感謝しながら、その気持ちを服づくりに込めています。
そんな〈リベレイダース〉の2026年秋冬コレクションのファーストドロップはご覧のラインナップ。
DEAD ROSE THROW BLANKET ¥16,500
60年代サンフランシスコのカウンターカルチャーを象徴するバンドのグレイトフル・デッドと、街のランドマークであるゴールデン・ゲート・ブリッジをオマージュしたグラフィックを、ジャガード織で大胆に表現した大判スルーケット。複数の色糸を巧みに織り込むことで、表情豊かな仕上がりに。ひざ掛けとしてはもちろん、車内やソファ、ラグとして使用するなど、インテリアのアクセントとしても活躍してくれそうです。
DEAD ROSE TEE ¥9,350
上述のグラフィックをひび割れプリントしたTシャツ。中央に描かれたスケルトンとローズはバンドを象徴するモチーフで、生と死、終わりと循環を内包しながら自由に変化し続ける音楽性を示しています。
DEAD ROSE TIE-DYE TEE ¥13,200
ヒッピーカルチャーを彷彿とさせるタイダイをベースに上述のグラフィックをプリントした一着。ボディは少し薄めの5.6ozを採用し、より当時の古着に近い質感に。
CHINATOWN TEE ¥8,800
サンフランシスコのチャイナタウンに存在する中華料理店やネオンサインから着想を得たTシャツ。アメリカ式テイクアウトボックス、手描き風タイポグラフィ、東洋的なドラゴンモチーフを組み合わせ、90 年代西海岸の移民文化とアンダーグラウンドカルチャーが混ざり合う独特の空気感が表現されています。
OG LOGO TEE ¥7,700
OGロゴのなかにファイアーパターンが入ったグラフィックをあしらった一着。全体を起毛させ退色させるフロスト加工を施すことで、肌触りがよくヴィンテージライクな仕上がりになっています。
FURTHER BUS TEE ¥8,800
作家ケン・キージーを中心としたヒッピー集団メリー・プランクスターズが、自由と平和を訴え全米を回った際に乗っていた、虹色にペイントされたバス “FURTHER号”を落とし込んだTシャツ。“GO FURTHER”は、彼らの未来へ向かう意志を象徴する相言葉。
MAW PHOTO TEE ¥9,350
サンフランシスコのランドマークであるゴールデン・ゲート・ブリッジを空撮し、幾何学なアート作品に仕上げた写真をプリントしたTシャツ。ワンウォッシュ加工入り。
HAIGHT STREET TEE ¥7,700
60年代後半から若者文化やロック、カウンターカルチャーの中心地として知られるヘイト・ストリートをモチーフにした一着。
2-PACK POCKET TEE ¥8,800
6.5ozのコーマ糸天竺を使用した2枚組のパックT。 一枚で着ても、インナーとして着てもよし。左裾には控え目なOG ロゴのプリント、胸にはポケットが配されています。ちなみに、ポケット無しバージョンのパックTも展開されているそう。
ご紹介した2026年秋冬コレクションのファーストドロップは、8月21日(金)発売。サンフランシスコをテーマにした今期のコレクション、今後のドロップもお楽しみに。
River Raiders
ミリタリー、トラベル、ロックンロール、フォトグラフィーなど90年代のカルチャーをテーマに、ストリートファッションに最新の技術を落とし込んでいるブランド。ブランド名は、Liberate(解放)と、Raiders(侵略)という2つの相反する言葉に由来。
ブランドのディレクターであるMei Yongは、北京で生まれ育ち10代後半から日本に移住。これまで世界中を旅するなかで、ライフワークであるカメラを手に写真を撮り続けてきました。ストリートウェアを中心に数々のインターナショナルブランドのクリエイションに携わったのち、自身のブランド〈リベレイダース〉を2017年にスタート。

