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スポーツウォッチの最有力候補。トムトムアドベンチャーの”あえてそぎ落とす”哲学。

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スマートウォッチの便利さは人々の生活を更新していますが、一方でその多機能性は使う側に戸惑いを与えることも。

オランダの〈トムトム(TomTom)〉がリリースする「トムトムアドベンチャー(TomTom Adventurer)」は、アウトドアスポーツにフォーカスした必要十分な機能とどこまでも快適な使用感を備えた名作ウォッチです。

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TomTom Adventurer 40,500+TAX

トレイルラン、ハイキング、スノースポーツに対応するハイエンドモデルとしてリリースされる「トムトムアドベンチャー」。

心拍計、気圧計、コンパス、ナビゲーション・マッピングといった機能を備え、GPSトラッキングにより、出発地点から現地点までのルートをリアルタイムで判別できたり、出発地点まで簡単に戻ることが可能なルート表示機能などを搭載しています。

トレイルランモードでは、3D距離・勾配・高度・累積標高などの情報をリアルタイムでトラッキング。さらにトレイルの新たなルート探索機能を搭載し、新しいコースへの挑戦をサポートします。

ハイキングモードでは、20時間以上のロングバッテリーライフを実現。スキーやスノーボードといったスノースポーツにおいては、リフト自動感知機能により、1度滑る度に滑降の数・最大スピード・累積下降・勾配といった滑降のサマリーをリフトに乗っている間にリアルタイムで確認することが出来ます。

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ここからは、〈トムトム〉のスポーツプロダクトマネジメントのトップ、ウォルター・ハームセン氏へのインタビューを掲載します。

ーブランドがスタートした経緯は?

ウォルター:25年前、〈トムトム〉はソフトウェア企業として誕生しました。特にマップが評判でしたが、当時はまだGPS技術がなく現在地がわからない上に、容量の問題で、ひとつのデバイスにロンドン市内くらいしか入りませんでした。その後ふたつのことが起きます。ひとつは、アメリカ政府がGPSのオープン化を進めたこと。軍のために使用していた技術を一般へ開放したのです。もうひとつは、メモリがどんどん高性能になり、当初はロンドンしか入らなかったところに、英国全土、ヨーロッパ、そして全世界が入るようになったことです。こうしてマップ技術は発展してゆきました。そこからGPSウォッチへとつながっていきます。

ーテクノロジーをフィジカルな物体に落とし込むとき、どのようなプロセスでデザインを構築するのでしょう。

ウォルター:例えば、カーナビのカラーはブラックかシルバーのほぼ二択です。車の内装にフィットするのはその二色ですから。時計は違います。パーソナルブランディングのためのアイテムとして、ジュエリーのような側面が機能と同じくらい重要になってくる。そこで、ファッションのコンサルタントやデザインエージェンシーとともに、マテリアルやカラーのトレンドを分析しました。人々が身につけている服とのマッチングも重要なことのひとつ。人々は頻繁に衣服を変えるからこそ、時計というプロダクトも簡単に着替えられるようにしたかったので、バンドのバリエーションを増やし、交換をイージーにしました。スーツにもランにもフィットするプロダクトを目指しています。

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ートムトムの時計は直感的に使用できる、とランナーたちから評判です。テストなどはどのように行っているのですか?

ウォルター:テストは限りなくリアルな環境で行います。画面上にもっと情報を出してほしい、という意見もあり、比較的画面が大きいので不可能ではありません。しかし、実際に運動しているときにそれが読めるのか、というところが重要です。体を動かしながら小さな数字を読み取ることはできません。ユーザーインターフェイスはできるだけシンプルに。そしてナビゲートが簡単になるように徹底しています。私たちは、ひとつのプロダクトを作る際にあらゆることを考えていて、”できるけれどあえてやらない”という選択をしています。

テクノロジーが先にくるのではなく、人の生活や行動かた逆算したものづくりが魅力ですね。


ウォルター:ありがとうございます。人々がもっと動きたくなる、動きやすくなる、ということを常に考えています。アクティブなモチベーションを阻害する壁を越える手助けはできればベストですね。たとえばランニングの際にスマートフォンを持たずに音楽を聴けることとか。人々がもっと活動的に、健康的になることために、実際に生活の中でどのような文脈を持っているかに目を向けています。

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ーかつて日本の企業が通ってきたような、多機能化の道のりとは一線を画す、本質的な考えだと思いました。

ウォルター:たとえば料理用の包丁とアーミーナイフを比較するとわかりやすいかもしれません。どちらでも料理ができますが、どちらのほうが料理に適しているかというと、包丁のほうがその役目を上手にこなします。私たちがつくる時計は、包丁のように特定の用途にきっちりと応える道具なのです。

ー機能をそぎ落とすというところ哲学を感じます。
ウォルター:あるいは、それは宗教に近いかもしれません(笑)。「設定は悪である。」という格言が社内ではしばしば登場します。「これくらいならわかるだろう。」と判断するのは簡単ですが、プロダクトが複雑になることに対しては常に慎重です。正しいバランスを選ぶことは容易ではありませんが、そこには常に一貫した哲学が必要なのです。

Text_Taiyo Nagashima


TomTom
www.tomtom.com

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