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パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。Vol.01 甲斐一彦(BAMBOO SHOOTS ディレクター)
Reborn Patagonia Retro-X

パタゴニアのレトロXがリニューアル。過去と未来をつなぐ、新たな魅力。
Vol.01 甲斐一彦(BAMBOO SHOOTS ディレクター)

アウトドアシーンのみならず普段着としても浸透しているフリースを生み出した〈パタゴニア(Patagonia)〉。原型を含めると30年以上の歴史を持つフリース「レトロX」が今季リニューアルを果たしましたが、それは〈パタゴニア〉にとって重大な意義があるんです。これまでも、これからも、ずっと愛され続ける「レトロX」の魅力を2人に紐解いてもらいます。ひとりめは、「BAMBOO SHOOTS」ディレクターの甲斐一彦さん。

リニューアルで感じる、懐かしさと新鮮さ。

―最初に「レトロX」を見たとき、どんな印象でしたか?

甲斐: 古着屋で働いていたときの社長が、アメリカでかっこいいフリースを買ってきたと自慢げに見せられたのが「レトロX」でした。「レトロ・カーディガン」や「グリセード」と違って、サイドポケットのふちにナイロンが施されているデザインがかっこよかった。カラーリングも〈パタゴニア〉らしく絶妙で。

―どんなカラーリングだったんですか?

甲斐: 水色っぽいボディに、パイピングがパープル。ほかの製品では見かけないカラーリングが、「レトロX」にはラインナップしているのもよかったです。あと、裏地に“P.E.F”と記載された大きめなタグがあって、それも斬新でした。

―防風性や保温性を高める“Performance Enhancing Film(性能強化フィルム)”が搭載されていることを説明するタグですね。それが「レトロX」の大きな特徴でした。

甲斐: フリースは風を通すものだけど、「レトロX」には防風フィルムが搭載されているから、フリースなのに風を通さず、アウターとして着られることに驚きましたよ。

―今季リニューアルした「レトロX」は防風フィルムを使用せず、裏地にリサイクル・ポリエステル100%のタフタ生地を採用して防風性を確保しています。これによって〈パタゴニア〉は、2025年の終わりまでにすべての製品からバージン・ポリエステルを排除して、リサイクル・ポリエステルだけを使用するという目標を達成しました。

甲斐: 〈パタゴニア〉のフリースは’93年からリサイクル素材を使っていて、ほかのブランドと違うことは認識していましたが、すべての製品でリサイクル・ポリエステルを使うのって、本当にすごいことだと思います。

―着心地はいかがですか?

甲斐: 防風フィルムを使っていないから、柔らかくなって動きやすくなりました。フットボールTみたいなスリーブのパターンもいいですよね。

―Yジョイントスリーブは肩と腕の可動域が高くなり、裾がずり上がりにくくなる効果があるそうです。全体的なシルエットはややゆったりめになりました。

甲斐: いつも〈パタゴニア〉はLサイズを選んでいるけど、リニューアルした「レトロX」はMサイズでちょうどいいかも。昔の〈パタゴニア〉を着ているようなシルエットですね。身幅が広くて、袖も長すぎない。

「レトロ・パイル・カーディガン」の後継として2000年に登場した「クラシック・レトロ・カーディガン」。今季リニューアルした「クラシック・レトロX・ジャケット」は、このデザインがもとになっています。

―そのシルエットや、胸ポケットのファスナーの配置が縦から横に変更されているなど、「クラシック・レトロ・カーディガン」のデザインをリバイバルしています。

甲斐: ぼくら世代は懐かしいし、若い世代には新鮮に見えていそう。こういうことなんでしょうね、アップデートって。見た目は大きく変わらず、素材もシルエットもよりよくなっていると思います。

―カラーバリエーションは4色から6色に増えたんですよ。

甲斐: このForever Greyは「グリセード」にも似たような色があって、とても好きなんです。裏地のカラーリングも渋くていいですね。〈パタゴニア〉のカラーリングはSea GreenとかEggplantとかネーミングがおもしろくて、20代の頃はそれを覚えるのが楽しかった。

―〈パタゴニア〉は、いい配色の製品ばかりですよね。

甲斐: 〈パタゴニア〉に詳しい先輩から聞いたんですけど、〈パタゴニア〉のアイテムの配色は自然のなかに存在する花とか鉱物とか、街の景色とか、なにかからインスピレーションを受けていて、ネーミングもそれに由来しているそうで。最高ですよね。

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