DAY2 9:30 学びながら登る箱根の山。
スタート地点に到着すると、すでにガイドの金子さんが待っていました。箱根町出身・在住。Explore Hakoneを主宰するプロガイドで、これまで世界25ヵ国・3000名以上を案内してきた、山の専門家です。
「箱根八里って聞いたことありますか? 江戸時代の箱根越えの道のことで、小田原から三島まで約32キロ。1里が4キロだから8里で箱根八里。当時の旅人は朝に小田原を出て、お昼を食べて夕方には三島に着いたんです。中々の距離ですよね。今日はその一部を歩いていきます」。金子さんがそう切り出すと、3人の顔が興味津々の表情に変わります。
途中立ち寄った場所に、「女転ばし坂」という坂がありました。大雨が降るとぬかるんで、女性がよく足を取られて転んでいたことから付いた名だそう。「箱根って東京の倍、雨が降るんですよ。だからぬかるみがすごくて。他にも猿滑り坂や追込坂など、急な坂に付けられたネーミングがいちいちリアルなんです。笑えるような、笑えないような、当時の人たちもユーモアに富んでいたと言えば聞こえがいいですが(笑)」と金子さん。
金子さんがバックパックから取り出したのは、当時の人たちが履いていた足半(あしなか)でした。藁草履の一種で、その名の通り普通の草履に比べて長さが半分。そのぶん足裏に密着する、言わば江戸時代のベアフットシューズ。「先ほどもお伝えしたように、箱根は雨が多い街。地面がぬかるむと歩きづらいですよね。そこで、江戸時代では近代的なこの石畳道を作ったわけです。運動靴だと滑って歩きにくかったりしますが、当時はこの足半も含めて草鞋で歩くことがほとんどでした」。
早速高橋さんが体験してみます。「鼻緒のところが擦れて痛いし、ずっとつま先だけで歩いている感じ。鍛えられそうですけど、正直これを履いて32キロは無理ですね(笑)。ただ、石畳は滑らないから歩きやすかったです」。10分も持たずスニーカーに履き替えたことはここだけの話。