PROFILE
1976年生まれ。メンズファッション誌の編集を経て、ドメスティックブランドのデザイナーやセレクトショップの企画などとして活動。2013年に自身のブランド〈KAPTAIN
SUNSHINE〉を始動。ハイクオリティな日本の生産背景とヴィンテージへの造詣を落とし込む編集力によって、トラディショナルなデザインをベースに、生地や細かなディテールに至るまで、妥協のないこだわりのモノづくりを行う。
Instagram:@ks_shinsukekojima
“エッセンシャルにしていく”ために生まれた一足。
ー児島さんは“エッセンシャル”という言葉から、まずどんなモノを思い浮かべましたか?
児島: やはりファッションのアイテムが最初に思い浮かんだので、古着のカバーオールとか。あとは、ミッドセンチュリーの家具類ですかね。どちらもヴィンテージを長い間ずっと集め続けているので、自分にとって“エッセンシャル”なモノかもしれないです。カバーオールなんて30年間以上、ずっと買い集めていますし。
ーなるほど。そちらも気になりますが、今回ご紹介いただくのはまた違ったアイテムですね。
児島: ぼくが選んだのは、〈キャプテン サンシャイン〉の「アンラインド KSトレーナー」です。自分のモノづくりにおいて、いくつかエッセンシャルと呼べるアイテムがあるんですが、その中でもかなり思い入れのあるひとつと言えます。
〈キャプテン サンシャイン〉青山店のオープン記念で生まれた、〈リプロダクション オブ ファウンド〉との共作。写真のホワイトとブラックが継続して展開されている定番カラー。
ー昨年、〈キャプテン サンシャイン〉の旗艦店である青山店がオープンした際の弊誌取材でも、このジャーマントレーナーをご紹介いただきました。
児島: そうですよね。そのオープン記念に〈リプロダクション オブ ファウンド〉とのコラボレーションで製作し、いまでは毎年展開する定番アイテムとなっています。元々、リプロさんのつくるジャーマントレーナーがすごく好きで、リスペクトしている商品のひとつだったんです。
ー1950~90年代に実際のミリタリートレーニングシューズを製造していたチェコスロバキアの工場で、一つひとつ丁寧にハンドメイドされているんですよね。そもそもジャーマントレーナーは、児島さんにとってどんなアイテムなのでしょうか?
児島: ジャーマンミリタリーのオリジナルも、マルジェラなどのリプロダクトも、本当に「何足あるかな?」ってくらい持っているし、履いてきたシューズなんですけど、自分の原体験的な話でいえば、90年代にユーロ古着を掘っていた先輩たちの影響は大きいと思います。当時はユーロ古着を掘っている方ってあまりいなくて、USミリタリーのサービスシューズとはまた違ったモダンな雰囲気が新鮮に感じられたんだと思います。
ーではなぜ、ご自身のエッセンシャルとして、オリジナルではなく別注モデルを選ばれたのでしょうか?
児島: このシューズの製作がそもそも、“〈キャプテンサンシャイン〉のエッセンシャルにしていく”という目標を掲げて出発しているからですね。
ー最初からエッセンシャルにするために生まれたモノだと。これまでにないアプローチです。
児島: ブランドのエッセンシャルにするためには、継続性があるということと、時代が移り変わったこの先もずっと付き合っていけるというのが重要で。色や素材を変えつつ、シーズン関係なく展開しているシリーズをつくりたかったんです。ほかにはデニムやTシャツもあるんですけど、シューズとしてはこれが初だったので、思い入れ深いアイテムといいますか。
ーということは、どこかのタイミングで児島さんが思い描くラインナップがすべて揃う可能性もあるというわけですね。
児島: 当然ありますが、そうなったら今度は、自分の中でツイストもOKになると思うんです。このジャーマントレーナーだと、最初はオールホワイトとオールブラックの2色展開からスタートしましたけど、シーズンを重ねるごとに色々なカラーリングをつくるかもしれない。時代とともに変わっていく部分もあるでしょうし、それだって確固たるベースがあるからこそ容認できるわけなので。
「アンラインド KSトレーナー」は、定番色に加え、シーズンカラーもリリースしている。写真左は26SS、右は25FW。主張しすぎないパンナ(ベージュ)とグレーは、何度も色出しを重ねた試行錯誤の賜物。
ーたしかに。雑誌にたとえると、同じテーマの企画でも視点や構成を変えることで別物になるのと一緒ですね。
児島: そうそう、ちょっとずつ変わっていくみたいな。〈アディダス〉のスタンスミスもすごく好きで、それこそフランスメイドも何足も持っているんですが、それもオリジナルのジャーマントレーナーと同じく“古い靴ならではの良さ”がある一方で、いま履くと「なんか違うな…」って感覚もあって。
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