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essential designs – あのヒトの欠かせないモノ –Case07 児島晋輔とキャプテン サンシャインのスニーカー

essential designs – あのヒトの欠かせないモノ –
Case07 児島晋輔とキャプテン サンシャインのスニーカー

あのヒトにとって、なくてはならないモノ。その必要不可欠な理由を知れば、モノ選びの視点や暮らしのこだわりが見えてくる。服も、日用品も、仕事道具も。ひとの数だけあるエッセンシャルのかたち。その一つひとつの裏側にあるストーリーを辿っていきます。第7回は、児島晋輔さんとキャプテン サンシャインのスニーカー。

トラディショナルとは“ずっと愛せるモノ”であるということ。

ーそこで生まれたのが、このジャーマントレーナーなんですね。

児島: レザーシューズも好きで普段からよく履くんですけど、旅に持ち出せてスニーカーのように気兼ねなく長距離歩ける。その上でパンツとの収まりのよい靴がほしかったっていうのも、このシューズをつくった理由のひとつです。たとえばヨーロッパへ出張に行くとき、向こうは雨が頻繁に降るじゃないですか。かといって気候に合わせて靴のテンションを変えるっていうのは自分の流儀じゃない。そういった葛藤を色々抱えていたので、「じゃあ、納得できない部分を自分なりにブラッシュアップしてみるとどうだろう?」と。そうして温めていた企画が実現したのがコレです。

ー一番のポイントは、アッパーに裏地がない点ですね。

児島: 元々アンラインドのシューズがすごく好きなんです。〈オールデン〉や同社が生産を請け負っていた〈ブルックス ブラザーズ〉のペニーローファーはよく知られていますし、〈ジョンロブ〉なんかでもやっていますよね。裏地が無い分、シルエットもナローに見えますし、何よりも履き心地の良さから靴業界でもファンが多い。自分もそこがすごく気に入っています。

ー児島さん好みの仕様を落とし込んだと。

児島: アンラインドにすることで、リプロさんのオリジナルよりもさらにナローなシルエットになって、簡単に脱ぎ履きもできる一石二鳥な仕上がりになりました。なかには、カカトを踏んでスリッパのように履いている方もいらっしゃるようです。そもそも革自体も軽くて伸びるし、履き心地もすごく柔らかくて履きやすい。素材はカウレザーの中でもすごく上質なイタリア産ナッパレザーを採用していて、これが本当に柔らかいんです。

ーそういえば、オリジナルと違ってワントーンなんですね。

児島: そうなんです。白レザーにグレーのスエードの補強を施したコンビカラー、ラバーソールは生ゴム色っていうのが定番ですけど、アッパーに合わせて全部ワントーンで揃えていて。実はオリジナルからパターン自体もイジって、よりナローに設計しています。

ーどれもいい風合いに育っていますね。

児島: 今日持ってきたものは全部私物なんですけど、その中でもホワイトは1stのサンプルなので、かなり履き込んでいますしアジが出ていますよね。「そろそろ手入れをしなきゃ」とは思いつつ、これはこれで愛せるなって。

27SSシーズンにリリース予定というブラウンスエードのサンプルをここだけの先出し。ナッパレザーの表皮も非常に柔らかいが、スエードはそれ以上にソフト。履いた瞬間から足に馴染み、ほぼ靴下の様相。「ぜひこの履き心地を、より多くの方々に味わっていただきたいです」。

ーブラウンのスエードってこれまでにリリースされていましたっけ?

児島: 実はこれ、27SSにリリース予定のものなんです。表皮もいいけれど、もう少し柔らかいのもイイなと思ってスエードでつくりました。風合いも色合いも〈アディダス〉の「タバコ」っぽく仕上がったと思います。そこは自分がヴィンテージをずっと好きで触れてきたからこその引き出しで、それをどう自分のモノづくりに反映させていくのか。そこがおもしろい部分ですね。

ーモノ自体に対するこだわりはもちろん、履き方にもこだわりってあるんでしょうか?

児島: 「シューレースはギュウギュウに絞る」というは昔からのこだわりです。こういう細く低いシルエットのシューズが好きなんですけど、シューレースを絞ることでその良さがより際立つんですよね。

独自のパターン設計による細く低いシルエットをより際立たせるべく、シューレースはギュウギュウに引き絞る。「よりナローに見えるのでオススメです」と児島さん。通常のシューズであれば大きめサイズを選ばないとできないが、裏地を排したアンラインド仕様なのでジャストサイズでもこの履き方が可能。

ーそんな児島さんが、自分なりの審美眼で能動的にモノを選ぶようになったのは、いつ頃ですか?

児島: 先立つものがないと買うこともできないので、“選べるようになった”という意味では、やっぱり30代に入ってから。若い時分もけっこう頑張って、色んなモノを試してみたりはしましたが、「一度気に入ったらずっとそれでイイ」みたいなタイプで、ぼく自身の視野は狭い方だと思っています。

ー改めてお訊きします。児島さんにとっての“エッセンシャルたり得るモノの条件”とは?

児島: 自分の中で色々な決め事はあるんですが、トラディショナルものを選びがちではあります。言い換えると“ずっと愛せるもの”みたいなことでしょうか。いま身の回りを見渡してもずっと集め続けていて、いまでもなんだかんだ残っている。そんなモノばかりですし。

ーいま一番ほしい・探している、将来のエッセンシャル候補を挙げるなら?

児島: 拠点にできるような場所は常にアンテナを張っていますね。でも、それは出会いだと思っているのでタイミング次第かなと。あ、エッセンシャルになるかは分かりませんが、最近興味深く見ているものならあります。

ーぜひ教えてください。

児島: 友達の影響で登山を始めて、ウルトラライトの世界にも踏み入れたんですが、あの世界はヤバイですね。ガレージブランドの人と人の繋がり方やビジネスの仕方といった“あり方”自体が、90年代の原宿の雰囲気にも通ずるものがあって、かなり面白いなと思いました。これは最近の発見かな。

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