波佐見焼を知ってもらう入り口。
ーでは、お店のことについて聞かせてください。なぜ長崎の会社が、東京などの都市ではなく花巻にお店を出したのでしょうか。
もともと会社のある波佐見町に住んでいたのですが、コロナを機に地元の花巻に帰ってきて、花巻と波佐見町の2拠点生活を送っていたんです。そのなかで、花巻にもサンプルや商品を置いておけるショールームのような場所が欲しくなって。社長に相談したところ、それならいっそお店をつくろうということになりました。地元に拠点を持てるのはうれしいことですね。
ー「C.P.D.」という店名はどのような由来なんですか?
江戸時代に醤油や日本酒の輸出に使われていた波佐見焼のボトル「コンプラ瓶」が由来です。その瓶には“CPD”の文字が刻まれていて、そこから取りました。貿易に関わる仲介人を意味するポルトガル語「コンプラドール(comprador)」の略だと言われています。
Cは”Ceramics”、Pは”Porcelain”、Dは”Design”とも掛けていて、ダブルミーニングになっているんです。
ーいまいる一階のスペースはどういう用途の空間なんでしょうか。
展示やワークショップ、料理教室などができるイベントスペースにしています。器は使って初めてよさがわかるので、飲食のイベントを増やしていきたいですね。「この器いいな」と思ったら2階の売り場で買える、そんな流れが理想です。空間設計は、東京とブリュッセルを拠点に活動するデザインコレクティブ「UM」にお願いしました。
ー2階売り場スペースのポイントを教えてください。
先ほどご紹介した〈エッセンス オブ ライフ〉〈コモン〉〈ハサミポーセリン〉を含む全8ブランドの波佐見焼がフルラインナップで揃っていることです。これだけの数の波佐見焼を実際に手に取って見れる場所はなかなかないんじゃないでしょうか。
什器には、窯業の産地ではおなじみのサンテナと呼ばれるやきものの出荷に使われるコンテナを使っています。波佐見焼は小さいものが多いので、他の地域に比べサンテナも浅くつくられているんです。
ー最後に、今後の展望を教えてください。
これまで、〈ヘラルボニー(HERALBONY)〉や「ISAI PARK」内にあるカフェ「無題」、「ホテル マザリウム(HOTEL MAZARIUM)」など、岩手を拠点とする方々と協業してきました。今後も地元との接点をつくり、まずは岩手のひとに波佐見焼を知っていただきたいです。「C.P.D.」が、波佐見焼を実際に手に取り、身近に感じてもらう入り口になれたらと思います。