FEATURE
ステファン・マルクスが飛行機を通して眺める景色。
BEAMS × ANA Featuring Artwork by Stefan Marx

ステファン・マルクスが飛行機を通して眺める景色。

「ぼくの作品の原点は、日常の風景を描くことです」。ドイツ北部・ハンブルグ出身のアーティスト、ステファン・マルクスさんにとって、飛行機は身近な景色の一部であり、長年描き続けてきた作品のモチーフでもあります。そんな彼が「ビームス(BEAMS)」50周年の一環として企画された〈ANA〉とのコラボレーションに参画。「FLOW」と題された今回のコレクションには、旅にまつわるさまざまな情景が、ステファンさんならではのタッチで落とし込まれています。ハンブルグの街、空港、そして飛行機の中で、彼は世界をどのように眺め、創作へとつなげていったのか。飛行機を描き続ける理由を辿りながら、その目に映る景色と、描くことへの思いに触れていきます。

絵を描くことは、純粋な幸せ。

ー日本でもステファンさんの作品をよく見かけるようになって、ご自身のスタイルが確立されているように思うんですが、いまでも絵を描きながらチャレンジしていることはありますか?

ステファン: ぼくの作品は毎日のように変わっているんです。本当に小さな変化ですけどね。一枚のドローイングを描き終えたときは「できた!」と満足するんだけど、次の日にはまた別のことにチャレンジしている。「こういう線で描いてみよう」とかね。そうした変化がどの方向へ向かっているのかは、自分でもわかりません。ただただ変化しているだけなんです。飛行機の絵を見ても、20年前と今回の作品を比べると、はっきりとした違いがあるのがわかると思います。

ステファン: それと、今回の旅でたくさん飛行機を描けたのも、ぼくにとってはすごくいい機会でした。羽田のいろんな風景を見ることができたし、本当に楽しめた。ベルリンに戻れば、今度は油彩で作品を描く予定です。ドローイングとはまた違ったテクニックに挑戦することになる。だから、終わりはないです。

ーご自身の視点の変化もあるんですかね。対象の眺め方が変わったというか。

ステファン: きっとあるでしょうね。年齢を重ね、アーティストとしてキャリアも重ねるにつれて、以前よりも対象をじっくりと眺めるようになりました。時間をかけて、あまり急がないようになりました。作品を描く上で、それもすごく大切な要素になっています。

―もともと好きで描いていたことが活動につながって、いまは絵を中心とした生活になっていると思います。ステファンさんにとって「絵を描く」ことには、どんな意味がありますか?

ステファン: ぼくにとって絵を描くことは、純粋な幸せです。一人で描いている時間は、自分自身と過ごす孤独な時間でもあります。でも、描いている絵と会話をしているような感覚があるから、不思議と寂しさ感じない。今日ここで壁に絵を描いていたときも、すごく幸せでした。描くという行為そのものが、ぼくによろこびを与えてくれるし、満たしてくれるんです。

―これから挑戦したいことはありますか?

ステファン: もちろんです。展覧会やミューラル(壁画)など、まだまだ挑戦したいことがたくさんあるし、ステンドグラスのような作品にも興味があります。美術だけではなく、職人的な技術を取り入れた表現にも挑戦してみたいですね。

最近ではDynamoというプラットフォームで、ぼくの文字を書体としてリリースしました。いまはアルファベットだけなんですけど、いつか日本語にもチャレンジしたい。実際にコンピューターで使えるフォントとしてリリースできたらおもしろいですよね。

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