絵を描くことは、純粋な幸せ。
ー日本でもステファンさんの作品をよく見かけるようになって、ご自身のスタイルが確立されているように思うんですが、いまでも絵を描きながらチャレンジしていることはありますか?
Stephan: ぼくの作品は毎日のように変わっているんです。本当に小さな変化ですけどね。一枚のドローイングを描き終えたときは「できた!」と満足するんだけど、次の日にはまた別のことにチャレンジしている。「こういう線で描いてみよう」とかね。そうした変化がどの方向へ向かっているのかは、自分でもわかりません。ただただ変化しているだけなんです。飛行機の絵を見ても、20年前と今回の作品を比べると、はっきりとした違いがあるのがわかると思います。
Stephan: それと、今回の旅でたくさん飛行機を描けたのも、ぼくにとってはすごくいい機会でした。羽田のいろんな風景を見ることができたし、本当に楽しめた。ベルリンに戻れば、今度は油彩で作品を描く予定です。ドローイングとはまた違ったテクニックに挑戦することになる。だから、終わりはないです。
ーご自身の視点の変化もあるんですかね。対象の眺め方が変わったというか。
Stephan: きっとあるでしょうね。年齢を重ね、アーティストとしてキャリアも重ねるにつれて、以前よりも対象をじっくりと眺めるようになりました。時間をかけて、あまり急がないようになりました。作品を描く上で、それもすごく大切な要素になっています。
―もともと好きで描いていたことが活動につながって、いまは絵を中心とした生活になっていると思います。ステファンさんにとって「絵を描く」ことには、どんな意味がありますか?
Stephan: ぼくにとって絵を描くことは、純粋な幸せです。一人で描いている時間は、自分自身と過ごす孤独な時間でもあります。でも、描いている絵と会話をしているような感覚があるから、不思議と寂しさ感じない。今日ここで壁に絵を描いていたときも、すごく幸せでした。描くという行為そのものが、ぼくによろこびを与えてくれるし、満たしてくれるんです。
―これから挑戦したいことはありますか?
Stephan: もちろんです。展覧会やミューラル(壁画)など、まだまだ挑戦したいことがたくさんあるし、ステンドグラスのような作品にも興味があります。美術だけではなく、職人的な技術を取り入れた表現にも挑戦してみたいですね。
最近ではDynamoというプラットフォームで、ぼくの文字を書体としてリリースしました。いまはアルファベットだけなんですけど、いつか日本語にもチャレンジしたい。実際にコンピューターで使えるフォントとしてリリースできたらおもしろいですよね。