override × F/CE.®
春山麻美 / F/CE.® デザイナー
目指したのはメンズライクなギア系キャップ。
今回〈エフ シーイー〉が手掛けたのはパイロットキャップ。どういったところからこの着想を得たんですか?
春山たまたま女の子や子供がこういったファーなどのボリュームのある帽子を被っているのを見て、「可愛いなぁ、自分も欲しいなぁ」って思っていたところに、タイミングよくこのお話を頂いて。で、自分的には女の子っぽいモノよりもメンズライクで本気系のモノが欲しかったので、ファーなどではなくパイロットキャップを選びました。
女の子っぽくならないように配慮した部分は、どんなところでしょうか?
春山裏地をファーではなく毛足が長めのフリースにして、さらに中綿を入れることでボリューム感が出るように意識しました。
〈エフ シーイー〉といえば、シーズンごとに一つの国に焦点を当ててコレクションを展開していることでも知られていますが、このキャップも同様ですか?
春山2018AWシーズンはフランスがテーマですが、こちらの場合はどちらかというとウチのもう一つの代名詞でもある、機能性をフィーチャーしたパフォーマンスラインに属するアイテムです。素材にも今季のアウター類で使用しているのと同じ “イーベント(eVent®)”を使用。3層構造なので雨で濡れても中まで水が浸透しないし、かぶり心地も快適です。
カラーは2色展開ですが、この色選びは何かイメージがあってのことですか?
春山私自身、黒は他の色を合わせるよりもワンカラーで統一するのが好きなのでオールブラックで。逆にレッドはフラップ部分も同色だとイパクトが強すぎるので、グレーとコンビカラーにしました。
あしらい次第で表情を変えることができるイヤーフラップが特徴ですね。
春山イヤーフラップは下げてもイイんですが、女の子が被る時は上げたままの方が可愛いと思います。上げている状態では見えないけど、背面にはブランド名のリフレクタープリントが施されているので、自転車やバイクに乗る際は暖かいだけじゃなく後ろ姿のアクセントにもなってくれます。
他に〈エフ シーイー〉らしさを出すために意識した部分を教えてください。
春山素材やシルエット、デザイン性を持たせた機能性など、自分たちが普段のモノ作りの中でこだわっている部分は、可能な限り妥協せず押さえることができたと思います。中綿にプリマロフトを使いたかったのですが、十分な保温性を有している別の素材が見つかったので、機能性に関しては文句なしです。
こちらはユニセックスモデルということですが。
春山なのでシルエットに関しては、かなりこだわりました。メンズを前提にかぶりを深くしすぎると女の子には大きかったりするので、「オーバーライド」さんが展開している同モチーフのキャップを全部試着して、「フラップはコレで、後ろのシルエットはコレで……」とディテールにシルエットとそれぞれの良い部分を繋ぎ合わせ、なおかつ男女どちらも被れる最適なバランスに仕上げてあります。
メンズはどのように合わせればイイでしょうか?
春山レザージャケットやミリタリーブルゾンのような武骨なアウターとの相性はもちろん抜群ですし、機能素材を使ったロングコートに合わせるのもイイですね。キャップとはいえスポーティではなくギアっぽい雰囲気を備えているので、男っぽく合わせてみても良さそう。
Style of F/CE.®
スペックや機能性に特化したパフォーマンスラインに属するというパイロットキャップを、その存在感にも負けないボリューミィなスタイルで着こなしてみせた春山さん。今回のコラボに際して「女の子っぽいモノよりもメンズライクで本気系のモノが欲しかった」と語る彼女らしく、キャップのギア感と女性らしいシルエットの対比が際立つ2スタイルです。
Style 1
ユニセックスにタウンユースでも使えるデザインを意識してはいますが、かといってボーイッシュに被ってしまうとストリートな印象が強くなりすぎる感があります。なので、スタイリングはあえて両方ともロングスカートに合わせてみました。その上でこちらは、オールブラックの武骨さに負けないように、ウェアはダウンコートにキルティングスカートを合わせて女性らしくボリューミィに。
Style 2
全体にボリュームを持たせるのではなく、ワイドシルエットでフワっと軽やかなモヘアニットに、地面に裾がつくくらいのマキシ丈スカートで女性らしいAラインを意識。パイロットキャップに強めの色を持ってきた分、ウェアは黒ベースでシックにまとめています。とはいえ帽子だけが目立ちすぎるのもイヤなので、ニットのラインやスカートのスリットからのぞく裏地でさりげなく挿し色を。
機能素材でモダナイズされたパイロットキャップ。
男女ともにかぶれるユニセックスモデル。防寒性の高さから冬のストリートでも重宝されているパイロットキャップに、防水透湿性を備えた機能素材“イーベント”を融合させてより高いファンクション性を獲得。イヤーフラップの上げ下げで表情も変わるので、その日の着こなしに合わせて楽しめます。