CLOSE
FEATURE | TIE UP
ビルケンシュトックのドイツ工場に潜入。快適な履き心地のひみつに迫る。
How To Make BIRKENSTOCK.

ビルケンシュトックのドイツ工場に潜入。快適な履き心地のひみつに迫る。

これまで〈ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK〉)のサンダルを何足も履き継いできました。なぜそんなにリピートしてしまうのか。それは足入れしたときの優しいフィーリングと安心感、そして履けば履くほど自分の足に馴染んでゆくから。履き心地のいいサンダルはごまんとあるけれど、〈ビルケンシュトック〉のような自然なフィッティングをもたらすサンダルは他にありません。一度履いたらクセになる、そのひみつを探るため一路ドイツへと向かい〈ビルケンシュトック〉の生産工場に潜入。サンダルの制作工程を追いながら、その謎に迫ります。

  • Edit_Yosuke Ishii

Footbed

極上の履き心地を約束するビルケン独自のフットベッド。

〈ビルケンシュトック〉のサンダルを履いてみて驚くのが足馴染みの良さ。足が自然とインソールに沈み、違和感なくフィットします。さも自分の足がサンダルに溶け込んでゆくかのような不思議な感覚。その要因は、ブランドが独自に開発したフットベッドにあります。その構造を探るべく、ドイツは東のはずれにある町、ザクセン州ゲルリッツの工場を訪れました。

〈ビルケンシュトック〉最大の肝であるフットベッドの断面図。ご覧の通り、4層の素材からなる事がわかる。

快適な履き心地を追求した〈ビルケンシュトック〉最大の特徴がフットベッドです。その構造は、上から、①足触りのよい上質なスエードを用いたインナーライニング、②通気、吸水機能の役割を果たす目の詰まったジュート、③そして最大の肝であるコルクとラテックス、④さらに目の粗いジュートを重ねた、計4層からなります。

特に注目したいのが、上から3層目のコルクとラテックス。大小異なる2種類のコルク粒を天然のラテックスで混ぜ合わせたもので、これにより適度な弾力性を獲得。また、履けば履くほど自分の足の形に合わせてインソールが沈んでゆき、〈ビルケンシュトック〉ならではの足に吸いつくような快適な履き心地を実現します。

①フットベッドの原料となるコルクを大小2種類の粒にし、天然のラテックスで混ぜ合わせる。

②「フットベッド」をつくる専用のマシーンに、底から目の粗いジュート、コルクとラテックスを混ぜ合わせたものを順番に重ねる。

③さらにその上に目の細かいジュート、そして足の接地面であるスエードのインソールを乗せ、
70℃〜80℃の熱を加えて10分ほど圧着。

④熱圧着10分後の姿。スエードのインソール、目の細かいジュート、コルクとラテックス、
目の粗いジュートの4層がしっかりとくっつく。

⑤圧着と同時にトゥバーやアーチサポート、ヒールカップといったインソールの成形も行う。
その後サイドのはみ出した部分をマシーンで削ったらフットベッドの形は出来上がり。

⑥フットベッド最後の仕上げは、サイドの断面のコーティング。
全長240mものラインマシーンにセットし、約70分間かけて丁寧にコーティングしていく。

⑦特別に調合したグルーを2回重ねてコーティングすることで、雨などの湿気からフットベッドを守る。これにて遂に完成。

〈ビルケンシュトック〉自慢のフットベッドは、様々な工程を経てようやく完成します。あの柔らかで自然に馴染む履き心地は、多くの人の手によるきめ細やかな作業と、自然がもたらす厳選した素材、そして独自に開発した技術と構造による賜物。

決して最新の素材やテクノロジーを駆使しているわけではないけれど、人の手と時間を惜しみなくかけることで快適かつ極上のフットベッドが出来あがるのです。

INFORMATION

ビルケンシュトックジャパン

電話:0476-50-2626
www.birkenstock.com/jp

このエントリーをはてなブックマークに追加