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FEATURE
スケーター上野伸平がコンバース スケートボーディングと向かう場所。
Shinpei Ueno Talks about Skateboarding.

スケーター上野伸平がコンバース スケートボーディングと向かう場所。

スケートボードシーンが盛り上がっている。もちろん最大の理由は東京オリンピック。でも、その盛り上がりによってストリートが侵食されつつあるのは由々しき問題である。競技とストリート。オーバーグラウンドとアンダーグラウンド。その両方を冷静に見つめるスケーター、上野伸平が語る最近のスケートボードと〈コンバース スケートボーディング(CONVERSE SKATEBOARDING)〉のこと。

  • Photo_Marimo Ohyama
  • Text_Ryosuke Numano

PROFILE

上野伸平

1983年生まれ、大阪府出身。アパレルブランド〈TIGHTBOOTH PRODUCTION〉を運営しながら『Evisen Skateboards』のプロライダーとして活動。映像作品『LENZ』、『LENZ Ⅱ』を発表し、最新作『LENZ Ⅲ』も鋭意制作中。虎ノ門に『QUCON』を立ち上げ、スケートシーンとファッションシーンを繋ぐキーパーソンとして世界中から注目を集めている。2019年よりコンバースの契約ライダーとして正式に加入。
www.instagram.com/shinpei_ueno

オリンピックのおかげで盛り上がってるわけではなくて、
単純に人々がスケートボードの魅力に気づいたタイミングなんだと思う。

ー 来年のオリンピックを目前に世界的にも日本的にもスケートシーンがめちゃくちゃ盛り上がってるように見えますけど、伸平君にはどう映ってます?

オリンピックどうこうよりも、若い子たちを中心にスケートボードの楽しさが浸透してきたのが大きいと思います。SNSがあったり、スケートパークの増加だったり、シンプルにスケートボードを目にすることが多くなっている。スケートボードがめっちゃ面白いって人々が気づきはじめたんですよ。エントリーしづらいカルチャーだったけど間口が広がってきて、若い子たちが『スケボーは奥が深い、はんぱねー』ってなって自然と成長してきたシーンにオリンピックが乗っかってきたというか。オリンピックのおかげで盛り上がってるわけではなくて、単純に人々がスケボーの魅力に気づいたタイミングなんだと思います。

ー 確かに、これまでにもスケートカルチャーと並行する形でX GAMESやSLSストリートリーグがあり、その延長にオリンピックが来た。

そう。世界中でスケートボードが盛り上がりすぎて、オリンピックっていう祭典がスケートボードやばいぞってなった。世界中がスケートボードに寛容になってきているから種目に採用されたっていうのはあると思う。

ー 元々のスケートボードの魅力というものは変わってなくて、それに気づいた人が増えてきたんだと。スケーターが増えたっていう実感はあります?

ありますね。今は歳が歳だから若い子が集まるようなスケートスポットにはなかなか行かなくなったけど、SNS見ててもあのスポットにあんなにスケーターがいるとか、こんな若い子が出てきたんだっていう。世代交代が起こっている中でここまでシーンが盛り上がっているのかって感じていて。でも大半の人がオリンピックとかは意識してないんじゃないかな。ただ単に滑りたいだけというか。コアなカルチャーサイドの人たちは今でも一切オリンピックに興味ないし、俺も興味はないですね。自分のスケート根本原理とは真逆の考え方なんです。ただ立場上、スケートボードを盛り上げたい気持ちが強いから否定もしない。良くも悪くもなんとも思ってません。例えば選手候補の堀米雄斗は友達だし、彼がオリンピックに出たとしても否定しない、いいね!ってポップコーン食べながら応援するって感覚ですね。あんまり大げさに考えることでもないんじゃない?って感じ。あくまでコンテストの一つでしかないし、本来スケートは順位を競い合うものじゃないから、たまにはみんなでお祭り騒ぎしたいね!っていうのがコンテストのあるべき姿なんで、オリンピックや他の大きなコンテストもそんな感じに捉えたらいいと思います。優勝したとしてもその評価がスケートシーンの絶対的な評価なわけではないですし。

ー そもそもスタイルありきのことだし、みんなスタイルが違うからこそお互いにリスペクトしあって雄斗君やばい、伸平君やばい、みたいなことになるわけですしね。

当人たちは元々そういう気持ちがありますから。俺も雄斗をリスペクトしてますし、雄斗からもそれを感じます。コンテストはこうで、スケートボードはこうだっていう色眼鏡で見てるのは取り巻きのスケートボードをあんまりわかってない人が多いんじゃないかな。スケーターはそんな風に考えてないと思います。

ー 世界中がスケートボードに寛容になってると仰ってましたけど、日本ではどうですか?

日本はそうじゃないですよね。国民性の違いがあるからスケートボードに寛容にはなれない。いわゆるアンダーグラウンドと言われる人たちから、オリンピックは許せないみたいな声があって。彼らが何を心配しているかっていうと、オリンピックでスケートボードがメジャーになることでよりストリートスケートが厳しくなるんじゃないかっていうのとマイノリティー独特の美意識や感覚の欠如への危惧。自分にもそれはあって、ストリートで撮影していると『お前らは何でこんなところで滑るんだ。お前らがやっていることはただの迷惑行為でスケーターを侮辱している』と言われたことがあるんですよ。本来スケートボードは世の中に対するカウンターカルチャーだと思っていて、マジョリティの対極にいるから、一般の人たちが理解できないことを同人誌でやってるというか、同じ感覚をわかち合ってる人同士のコミュニティなわけで、それはそれでいいはずなんですよ。だけどオリンピックでメジャーになればなるほど勘違いする人たちが出てくる。自分はストリートスケートがスケートボードで最も正しい行為だと思っているけど、そこに対して『何でスケートパークがあるのにわざわざこんなに人がいるところで街の建築物を破壊してるのか?』っていうのが一般の人の感覚。そういうしがらみはありますよね。

ー 特に日本だと強いですよね。

そう、例えばアメリカで駅のステアをスケーターがオーリーしたら通行人とハイ5したり、口笛吹いてくれたりしたり、日本だとすごい蔑んだ視線を浴びる。それだけ感覚の違いがありますね。サンフランシスコだと路上駐車する時にスペースがなかったら前の車にガーンってぶつけて無理やり駐車したりするでしょ? あんなの日本では信じられないじゃないですか(笑)。ちょっと窓に何か当たっただけで訴えたりする国民性ですからね。そういう環境でスケートする息苦しさはありますよね。

ー そういう息苦しさ含めて環境を変えていこうって意識はあります?

いや、そこまでは思ってないです。日本人の国民性を変えるなんて国家取り組みレベルの話だから(笑)。日本のストリートに寛容さがないことは昔から変わってないし、むしろそういうものだと思ってますから、もう少しスケートしやすい世の中になってほしいとは思いますけど、日本人は悪いことを放っておけない感覚があるんですよ。欧米だと自分は自分、人は人っていう感覚があるから人に干渉しないことがいいことだけど、日本人は人に干渉するじゃないですか。だけど干渉するからこそいいこともあって、社会がものすごく安全に守られている。それってライフスタイルに大事なことで、スケーターとしてはアメリカ、ヨーロッパのライフスタイルに憧れるけど、一市民としては絶対に住みたくない(笑)。そこらへんは外国のことを信じてないし、現に凶悪な事件もたくさん起きてる。日本人は他人に厳しいかもしれないけど、安全っていう意味ではレベルが全然違う。

ー 確かに安全だからこそ夜にスケートできるっていう面もありますよね。

そう、夜にこんなにスケート出来るのは日本だけですよ。

INFORMATION

コンバースインフォメーションセンター

電話:0120-819-217
converseskateboarding.jp