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新しく生まれ変わったビッグマックと4つのセレクトショップ。
Reborn BIG MAC and 4 Select Shops

新しく生まれ変わったビッグマックと4つのセレクトショップ。

1920年代にアメリカのデパートメントストアが手掛けるストアブランドとして誕生した〈ビッグマック(BIG MAC)〉。当時、優れた機能性を有する品質の良いプロダクトを生産し、労働者から多くの支持を得ました。現在は、その長い歴史のなかで蓄積されたデザインアーカイブを基に、シルエットや素材にアレンジを加えたプロダクトを2019 AWシーズンから展開中。今回は数多くのセレクトショップやブランドが、別注モデルやインラインコレクションを取り扱いはじめているなか、「ビームス(BEAMS)」「フリークス ストア(FREAKS STORE)」「チャオパニック(CIAOPANIC)」「ハイ!スタンダード(HIGH! STANDARD)」にフォーカス。最も商品に精通したMD・バイヤーの皆さんに、新たに生まれ変わった〈ビッグマック〉の魅力を教えてもらいました。

  • Photo_Katsunori Suzuki
  • Text_Tommy
  • Edit_Yosuke Ishii

FOUCUS04_ HIGH! STANDARD

当時のままではなく、新たなアレンジを効かせる。その姿勢がイイですよね。

PROFILE

福山 司
聖林公司 バイヤー

聖林公司に入社後、「ハイ!スタンダード」のスタッフとしてキャリアを積むと同時にバイイングにも関わり、同ショップの店長も経験。その後は本社勤務に。現在はメンズ・レディス問わず、聖林公司が展開する各ショップのバイイングを担当している。

ー 〈ビッグマック〉というブランド自体への思い入れはありますか?

アパレル業界に入る前から、ネルシャツなんかは古着屋さんやデッドストックを扱うインポートショップで見ていたし、自分自身でも何枚か所有していて、すごく好きなブランドではありました。なので、今回〈ビッグマック〉が装いも新たに日本で展開されると知って、思わず当時の想いが蘇ってきてすごく感慨深かったのを憶えています。

ー 実際にアイテムを手に取ってみて、オリジナルとの違いも感じたことかと思います。

今回紹介するネルシャツなんかだと、ヘビーオンスのネル生地っていうのは〈ビッグマック〉を代表するものだったじゃないですか? それを当時のままで復刻させるのではなく、カバーオールジャケットに落とし込んだり、身幅のあるオーバーシルエットのシャツに仕上げたり、アイコニックなボウタイ型フラッシャーを付けたりと、新たなアレンジを効かせて展開するという姿勢はイイなぁと。

ー 生まれ変わった部分に魅力を感じられたと。

昔ながらの〈ビッグマック〉そのままのイメージでは、正直、お客さんらもピンとこないと思うんです。そこをこういったリデザインされたモノにしたっていうのは、すごく上手いなって思いますね。ぼく自身も現代の感性を取り入れてリブランディングしてくれたこと、それを自分らで取り扱えるということ。その両方に喜びを感じていますんで。

ー やはり若い世代の方が反応している印象でしょうか。

そうですね。リブランディングされたブランド全般に言えることなんですが、オリジナルを知っている世代は、懐かしさから手に取るパターンが多いけど、若いお客さんたちはそういったブランドの背景や歴史などは関係なく、純粋にディテールの面白さなど、アイテムとしての魅力で選んでくれているように感じます。

ー そうなるとスタイリングにおける取り入れ方も変わってきますよね。

ぼくらなんかだと変に知っているせいで「コレをこういう風に合わせるのはどうなの?」ってなりがちじゃないですか。でも、若い世代の方はそれがないから自由に着こなしていますよね。その方が面白いし、いまの空気感に合っているんだと思います。あと支持されている理由のひとつにリーズナブルなプライスもあると思いますね。手に入れやすい金額もあってラフな日常使いが出来る。そういう本来のワークウェア、デイリーウェアに近いポジションを獲得しているというのもひとつの魅力。結果的にウチでは幅広い世代のお客さんに受け入れてもらえています。ぼく自身もいまのアイテムの方が、断然「着たいなぁ」と思わされるプロダクトが多いですし。


ハイ!スタンダードがセレクトしたビッグマックのプロダクト3選。

アメリカン・スタンダードの歴史と魅力を知り尽くした同店では、インラインコレクションを俄然プッシュ中。今回はその中から、カバーオールを原型とした変わり種2種と、ワークウェアの王道であるオーバーオールをセレクト。どれも気張らず・着られる秀作です。

ITEM01_ COVERALL SHIRT

ブランドの象徴する素材と同じく定番カバーオールのマッシュアップ。

¥13,000+TAX
〈ビッグマック〉の象徴ともいえる、ヘビーウェイトのコットンネル生地をボディに採用…なのですが、
デザイン自体はフロントに4つのポケットを配置したベーシックなカバーオール型という変わり種。
身幅を広めに取ってリラックス感を持たせたシルエットは、
今時期のレイヤリングで実力を発揮してくれるはず。カラーは3色展開。

ネル生地はシャトル織機特有の柔らかく、手織りに近い風合いが特徴。
この首裏に付けられたタグは、主に70年代のネルシャツで使われていたデザインをサンプリング。
こういったちょっとした部分にまで気付くようになると、グッと楽しみが増します。

ロゴが入ったオリジナルのボタンも、クラシカルな雰囲気を演出するのに効果的。

袖口はフィッティングを調節できるシャツカフス。
通常のカバーオールにはないアレンジが光ります。

下のフロントポケットは、マチをつけることにより収納力を向上。
シャツジャケットとしての説得力を持たせるのに一役買っています。

ITEM02_ TYPEWRITER COVERALL

その上品でヨーロピアンな佇まいは、ドレスアップをも叶える。

¥13,000+TAX
先述のシャツカバーオール同様、カバーオールのデザインはそのままで素材をツイスト。
タイプライター生地を用いているため、洗うことでパッカリングが生まれ、汚れもアジに変わります。
ヨーロピアンな雰囲気を生かしてドレスアップに使うのも一興。
同生地でオールホワイトのカラバリ、スタンド&レギュラーカラーのシャツも展開。

ボウタイを模したフラッシャーはシャツ類に付属。
「当時はこういった着方もあったのか」と想像させるのも、また楽しい。

フロント左胸のポケット。マチがついているのもヴィンテージライク。
逆サイドにはフラップ付きのポケットも配備。

ワークウェアに不可欠な耐久性。その象徴ともいえるのが強固な3本ステッチ。
洗濯を繰り返すごとに生地が吊れてきて、立体的なパッカリングが楽しめるように。

元々、ビッグマックのアイテムでは使われていなかったタイプライター生地。
高密度なのに薄手で軽いのが特徴。独特なハリ感を持っているため、その表情はどこか上品。

ITEM03_ DENIM OVERALL

オリジンの雰囲気を継承しつつ、現代のスタイルにも合わせやすく。

¥14,000+TAX
緯糸にグレートップ糸を使用した10オンスデニム生地を使用。
ライトタッチな生地感と程よくゆとりのあるシルエットがオーバーオール本来の野暮ったさを薄め、
今の着こなしにも合わせやすく仕上げています。ビブ(胸当て)部分のポケット以外に、
スケールポケットやハンマーフックを備えたペインター仕様。カラーは2色展開。

金具などの付属パーツにもオリジナルモデルがリリースされた当時の空気感を忍ばせます。

本作はサイズ調節を可能とするショルダーストラップを背面でサスペンダーのように留めるデザイン。
この形はローバック スタイルと呼ばれ、ヴィンテージによく見られるもの。
ストラップの一部をゴム仕様にすることで、動いた時にもストレスを感じさせません。

裏を見てみると、ブランドロゴがプリントされたスレーキが。

こちらも付属パーツ同様にクラシカルな雰囲気を放つフラッシャー。
デザイン的にも優れているので、外してしまうのが勿体無いくらい。

INFORMATION

HIGH! STANDARD

住所:東京都渋谷区猿楽町25-1
電話:03-3464-2109
時間:11:30〜20:00(土日祝〜20:30)
www.hrm.co.jp/company/shops

INFORMATION

インス

電話:0120-900-736
www.ins.fm

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