PROFILE
1968年生まれ、長崎県出身。キャットストリートにある名店「ディストリクト ユナテッドアローズ」の名物セールスパーソン。無類の『スター・ウォーズ』好きとしても知られる。フイナムのブログメンバーとしてもおなじみの自称ジェダイ。
好きすぎてひとつに絞るのがむずかしい。
ー 今回、『スター・ウォーズ』の柄を取り入れたオーダーメイドシャツのサービスがローンチされました。森山さんは普段からこの映画のウェアを着ることがあるそうですね。
森山:なんのために着るかといえば、やっぱり自分が楽しいからなんです。服って自分の気分を上げるために着るものだと思います。「このブランドが好き」「このデザイナーが好き」っていうのももちろん素敵なことだと思いますし、一方でぼくのように「スター・ウォーズが好き」っていうのもあっていいはずです。好きな作品だから身につけていると上がるじゃないですか。表には出てないけど、シャツの下に『スター・ウォーズ』のプリントTシャツを着ているとか。それだけでも気分が変わりますよね。
ー森山さんが『スター・ウォーズ』にはじめて触れたのは、78年公開の『新たなる希望』ですか?
森山:そうですね。小学校4年生のときに公開されて、それが本当に衝撃的で。それまではテグスを使って飛行船を飛ばすみたいな映像がほとんどだったんです。唯一『2001年宇宙の旅』がちゃんとリアリティを追求していたんですが、子供のぼくにはすこし物足りなかった。それもあって『スター・ウォーズ』にすごい夢中になったんですよ。いまはその気持ちのまま、小学生のまま大人になってますね(笑)。
ー もともとSFものがお好きだったんですか?
森山:仮面ライダーやウルトラマンを見て育ってましたから下地はありました。でも、『スター・ウォーズ』は子供騙しの映像じゃなかったですね。ストーリーも世界各国の神話をベースにしていたり、テーマにあるのは普遍的でどんな人でも共感できる内容。それでありながら、子供心をくすぐるワクワク感をちゃんと取り入れられている。つくっているスタッフの方々がオタク気質なので、掘れば掘るほどマニアックな部分も出てくる。だから本当にいろんなファンを取り込んでるんです。
ー 出てくる宇宙船などにきちんと汚しの加工がしてあって、当時はそうした部分に驚いた人もいたようですね。
森山:画期的でしたね。使い古された宇宙船というのがはじめてでしたし。デザインも、プラモデル好きな人たちが集まってつくられているので、リアリティがあるしユニークでした。
ー 登場人物も多彩ですよね。人間はもちろん、宇宙人も多種多様で。
森山:そうですね。マイノリティに対する見方を変えてくれた映画かもしれないです。
ー 好きなキャラクターはいるんですか?
森山:それ、よく聞かれるんですけど、ワンシーンしか出てこないようなキャラクターでも好きなやつがいっぱいいるんです(笑)。だからもう好きすぎて選べないんですよ…。ただ、ぼくはおもちゃを集めていて、人間のキャラクターはフィギアなどにするとリアリティが薄まってしまうんです。だからマスクを被っているキャラクターとか、ドロイド、クリーチャーを好きになる傾向があるみたいですね。
ー グッズはどんなものを集めているんですか?
森山:最近は子供の頃に見た撮影のプロップとかに興味が出てます。あとはむかしに比べるとテクノロジーが進歩しているので、モデリングの精度もすごくあがってるんです。だからリアリティのあるプラモデルとかをつくるのにハマってますね。
ー 家にどのくらいあるんですか?
森山:表に出しているのは一部だけです。
ー 出してないやつもあるんですね(笑)。
森山:もちろんあります(笑)。つい先日も他誌で取材をしていただいて。部屋に棚をつくってそこにプラモデルなどを飾ってます。知人からは“神棚”って呼ばれてます。細かいアイテムに関しては、インテリアとして使いづらくなってきて処分したものもありますね。
たとえば、ぼくが小学生のときに瓶のコカ・コーラが自動販売機で売ってたんです。当時王冠の裏側にスター・ウォーズのグラフィックが描かれていたんですよ。子供ながらにそれを集めたい気持ちがあったんですが、小学生だからお金を持っているわけでもない。だから大人たちが捨てた王冠を拾い集めたりもしていました。でも結局錆だらけになっちゃうんですよ。だからずっと取っておけるものではないんです。
ー それで最近はプラモデルに凝っているわけですね。
森山:そうですね。最近はすごいでっかいファルコン号を3年と8ヶ月かけてつくりました。
ー そんなにかかったんですか!?
森山:『デアゴスティーニ』だったんです。だからすべてのパーツが集まるまで2年と、そこから塗装するのに1年8ヶ月。当時のプロップの写真集などを眺めながら、「ここにこういう汚しが入ってる」みたいなのを再現してたらすごくかかってしまいました(笑)。